召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百三十七話~side ウル~

ご主人様がヴィヴィオ君を連れてきてから、夜も大分回って、研究は深夜と言う時間に差し掛かっていた。そしてヴィヴィオ君もアインハルト君も、未だにボクの開発室に残っている

 

アインハルト君のデータ収集は十分な程に完了したので、研究の邪魔になり兼ねない二人は即刻追い出しても良かったのだけど、二人は疲労からか寄り添って眠ってしまっていた

 

 

「まぁ邪魔にならない分には構わないか」

 

 

それに、寝る前に二人からの要望も聞けたからね

 

ヴィヴィオ君はよく知っているねと褒めたいくらいの専門的な要求が多く、対してアインハルト君の要求はとても単純なモノばかりだったよ

 

 

「・・・しかし、研究対象が揃って傍に居るのに、手を出せないのは余り良い気分では無いね」

 

 

もどかしいよ

 

ヴィヴィオ君もアインハルト君もボクの研究を進める上では、かなり重要になるサンプルだろう

 

少しで良いから、私的な方にも付き合ってくれないだろうか

 

古代ベルカ王の記憶は、いったい人体にどれ程の影響を与えているのか。とかね

 

 

「ん~・・・やはり、記憶の継承の割合が、継承者の潜在能力を引き出しているのか・・・それとも、継承する記憶の人物の能力が、割合分が上乗せされているのか」

 

 

割合に関わらず精神的な面に対しては、強く影響されるのは目に見えて分かる事なんだけど

 

ご主人様なら、未だボクが知らない何かを知っているはず

 

だけど、あのご主人様がそう簡単に教えてくれるとは思えないね。下手をすると、ボクだけが損をする事に成りかねない

 

 

「ん、にゃぁ」

 

「おや?」

 

 

唐突にヴィヴィオ君が目を開けた

 

 

「えと、ねぇウル」

 

「なんだい?」

 

「あとどれくらい? できた?」

 

 

どれくらい。それはデバイスの事だろうか・・・いやいや、幾らボクでも、そんなに早く組み上げる事は出来ないよ

 

 

「そうだね。少なくとも数日は見積もって欲しいね。安心したまえ、受付までは時間があるだろう?」

 

「・・・ぶぅ」

 

「なんで不貞腐れられなきゃいけないんだろうね」

 

 

しかし、いつものヴィヴィオ君に比べると随分と幼い印象を受ける

 

寝惚けているのだろうか

 

 

「ねぇねぇ」

 

「なんだい」

 

「三日で出来ないの?」

 

「・・・恐ろしい事を言うね」

 

 

キミなら、このデバイス製作が三日なんて短期間で出来上がらないと分かるだろうに

 

まったく、流石ご主人様の娘だね

 

 

「面白いことを言う」

 

「にゃはは」

 

「良いだろう! 期待したまえ。キミの目の前に居るのは、次元世界一の科学者の娘だよ!」

 

 

そうさ、そうだよ

 

まだ大会まで猶予があるから、悠々としようと思っていたが・・・そんなのボクらしく無かったね

 

 

「だけど妥協はしない。キミが見てきた、どのデバイスをも上回る性能を保証しようじゃないか!」

 

 

これは不眠不休かな?

 

食事の時間も無さそうだ。他の仕事も手に付かないかも知れない・・・最高に心が躍るね

 

 

「ククッ、ハーッハハハ!」

 

「ウル」

 

「おやおや、まだボクに言い足りない事があるのかい?」

 

 

フフフ、これ以上に何を望むと言うんだろうね

 

 

「アインハルトさんが起きるから・・・静かにして」

 

「・・・了解した」

 

 

この後、湧き出る気持ちを抑えながら、黙々を作業をして朝を迎えた

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