召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百三十九話~side キャロ~

レヴィ・ザ・スラッシャー

 

それが、秋春の言うところのちょっとした事情によって、フェイトさんそっくりな少女の名前なんだそうです

 

食事中の会話で分かった事なのですが、レヴィちゃんは単純思考ではあるが、決して頭の悪い子では無いらしい

 

とは言っても、色々と話してもらって分かったのは、次元漂流者では無いか。と言う事だけで現状に陥った原因などは本人すらよく分かって無いようだった

 

 

「寝たな」

 

「寝ましたね」

 

 

レストランで食事を済ませた後。わたし達はレヴィちゃんを連れて家に帰る事にしたのですが、道中もハシャいでいたレヴィちゃんは辿り付く前に眠ってしまっていた

 

起こすのも可哀想なので、慣れてる秋春が背負ってます

 

 

「ただいま・・・暗いな。二人とも寝たかな」

 

「確かにリビングの明かりは消えてますね・・・自分の部屋じゃないですか?」

 

 

迎えに降りてこないから秋春の言う通り寝てる可能性の方が高いだろうけど

 

 

「ま、どちらにしても都合が良い」

 

「都合が良い?」

 

「あの子達が居ると出来ない話も多いからな」

 

 

そう言って、秋春はレヴィちゃんを寝せる為に先に上がって二階へ向かっていった

 

リビングで待ってますか

 

 

「待ってる間にフェイトさんに報告しておこう」

 

 

あれほど似ているんですから、無関係では無いと思います。でも、それだったらエリオ君やわたしに話していても不思議じゃないんですけど

 

思い出せる限りでは、フェイトさんのご家族はフェイトさんが小さい頃に亡くなったって聞いてます

 

 

「まさか隠し子ッ・・・なんて、あるはず無いですよね」

 

 

あ、返信は急がなくても良いですよって付け加えておかないと。フェイトさんに送信したところで、秋春が戻ってきました

 

 

「さすがに眠ってる時は静かだったよ」

 

「当たり前です。それにしても、静かだとフェイトさんそっくりですよね」

 

「だな・・・何飲む?」

 

「わたしですか? わたしはお店でワインを飲んでましたから十分です」

 

「ならお茶で良いな」

 

「はい」

 

 

冷蔵庫から緑茶の入ったボトルとグラスを二つ持ってきて、わたしの隣に座る

 

あれ、秋春はお酒と思ったんだけど、わたしに合わせてくれたのかな?

 

 

「お酒にしないんですか?」

 

「知っての通り、弱いからな。何口走るか・・・お互い酔ってたら気にならないけどさ」

 

「そう言う事ですか」

 

 

まったく・・・ま、わたしも酔ってたら、また告白とかしちゃいそうですし。秋春の事は言えませんね

 

 

「乾杯」

 

 

音の鳴らない程度にグラスを当てる

 

秋春は知らないだろうけど、ミッドでグラスを当てて鳴らすって人は少ないんですよね

 

わたしは何だか気持ちが良いから好きですけど

 

 

「ふぅ。で、今度はいつまでミッドに居られるんだ?」

 

「いつまでって、わたしも仕事の間で居る訳で・・・あ、秋春はいつまでわたしに居て欲しいですか?」

 

 

なんてね

 

雰囲気に当てられて言ってみたけど。ってなに秋春も真面目に考えているんですか

 

 

「レヴィちゃんの件もあるからなぁ。正直これは知り合い以外に担当が変わるのは避けたい、一週間は居て欲しいな」

 

「・・・。」

 

 

ちょっと期待したわたしが馬鹿でした

 

いや、秋春の事ですからね。こんな返しとは思ってましたよ? 本当です。でもです、二人っきりですし、お互い大人なんですから、少しの期待を持っても言いと思うんです

 

 

「ん? キャロ?」

 

「秋春。こう言う時は、もっと言いようがあると思います」

 

「え、ああ、ごめん」

 

「もぉ、せっかく秋春の為に大人の女性になってるのに、わたしばかりが損してる気分です」

 

 

やれやれですよ。恋愛は惚れた方が負けと聞きますけど、わたしの未だ継続している恋は惨敗とも言える戦績です


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