召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百四十話~side ヴィヴィオ~

わたしのパパ。あきパパとキャロの関係性は少しだけ普通とは違う気がします

 

近くて遠くて。互いの事を理解し合っているようで、背中を合わせて寄り添っているみたいに、お互い全く見えていない

 

あれは。あれが、擦れ違いって言うのかなぁ

 

 

「何を考えているのですか?」

 

「え? にゃはは、もう結婚しちゃえよってね」

 

 

誰と誰が。なんてお姉ちゃんは言わずとも分かったみたいで、眉を潜め言い返しもせずにプイッと顔を逸らしました

 

暇なの。久しぶりに帰ってきたって事で、イクスお姉ちゃんもわたしも遠慮して付いていかなかったけど、お姉ちゃんはお姉ちゃんで何か考えてるみたいで、ちょっと時間を持て余している

 

 

「あー早く申請終わらないかなぁ」

 

 

アインハルトさんのデバイス

 

折角ウルが寝る間を惜しんで早々に作ってくれた訳だけど、あきパパの話ではウルの作るモノは一度本局か教会かを通さないと使えないらしい

 

まぁあきパパが無用心なだけで、違法ベルカ事件の主犯者だしね。信用や信頼はまだ得れてないっぽい

 

 

「ひぃまぁ」

 

「だったら、さっさと寝てしまえば良いではありませんか」

 

「えぇ」

 

「我が侭ですね」

 

 

テレビを見ながら考え事をしているお姉ちゃんの膝の上に寝転がる

 

やっぱりだけど反応が薄い

 

 

「なんですか」

 

「お姉ちゃんってさー・・・パパ好き?」

 

「当たり前です。貴方もお父様は好きでしょう?」

 

「うん。って、いやいや、そうじゃなくてね。いまでも女の子として好きなの?って意味」

 

 

わたしもちょっと変わった恋愛感を持っているだけに人の事は言えないけど

 

 

「好きですよ。私は秋春様を愛してます」

 

 

お姉ちゃんは、これっぽっちも迷う事なく言い切った

 

 

「・・・呼び方を変える所。似てるよね、あきパパに」

 

 

あきパパも自分の中にある親密度みたいなパラメータで人の呼び方を変えている

 

気付いているかは知らないけど、お姉ちゃんの警戒レベルはあきパパの呼び方で決まっている部分も大きいと思うの

 

 

「貴方のその露骨な話題の変え方はお父様みたいですけどね」

 

「にゃはは。そうだ! 暇だから、わたしたち娘に受け継がれているパパっぽい部分について話すって言うのはどうかな?」

 

「何ですか、そのくだらない遊びは」

 

「だって暇なんだもん」

 

「分かってませんね。静かな時を過ごすのも、また一興です」

 

「そんなモノかな?」

 

 

不満顔をするわたしにお姉ちゃんは目もくれないけど、代わりにそっと頭に手を置いて撫でてくれる

 

 

「そんなモノです」

 

「むぅ、でも暇だし・・・ねぇさっきの続きなんだけど」

 

「今度は何ですか」

 

「イクスお姉ちゃんってあきパパの子供が欲しいとか思わないの?」

 

「何を唐突に・・・」

 

「思わないの?」

 

 

好きな人と子を成したいって感情はお姉ちゃんにもあると思ってたけど、お姉ちゃんは意外にも言葉を濁し考え込む

 

 

「私は、自分の血を後世に残すべきでは無いと思っています」

 

「え? なんで」

 

「貴方なら解ると思いますが・・・私は特殊な肉体をしています。主に兵器として改造されたモノです」

 

「そうだね」

 

「おそらく、私から生まれてくる子はその影響を何らかの形で受けるはずです」

 

「・・・そう、だね」

 

「私は、そんな責を次代の者に背負わせようと思いません。それに、貴方と違って私の背負う責は、言い逃れの出来ない程に血塗れた罪ですから」

 

 

それを言うなら、わたしにもゆりかごを使って多くの人を葬った記憶はある。でも、それはオリヴィエの記憶でヴィヴィオの記憶じゃない

 

だから、お姉ちゃんは自分とは違うと言ってくれるんだろうなぁ

 

 

「そんなの時効だよ」

 

「時が経とうと、悲しみや憎しみの連鎖は止まりません。貴方や貴方が好意を抱く相手が良い例でしょう?」

 

「うぅー」

 

 

だからって。お姉ちゃんが幸せを手放してまで止める必要なんて無い

 

 

「貴方が悩む必要など有りません」

 

「え?」

 

 

よく分からないけど、お姉ちゃんは私を抱き上げながら大人モードになって歩き出した

 

 

「愛した者の子を成す。それは、確かに幸福な事かも知れません・・・しかし、私にはお父様も貴方も居ます。これ以上の幸福なんて必要ありません」

 

 

気恥ずかしい言葉を正面から言われた気がする

 

顔赤くなってないよね?

 

 

「わわっ」

 

 

いきなり放り投げられたかと思ったら、ベットの上でした

 

 

「少し早いですが、寝ますよ」

 

「むぅ、これ以上の追求は無しってこと?」

 

「そうではありません。ただ、久しく貴方と一緒に寝たいと思ったまでです」

 

 

ズルい。そんな言い方したら、断れないのを知ってる癖に

 

 

「にゃはは、しょーがない。お姉ちゃんのお願いだもんね」

 

「ありがとうです、ヴィヴィオ」

 

「おやすみ」

 

「はい、おやすみなさい」

 

 

明かりの消えた部屋で、お姉ちゃんの体温を感じながら目を閉じた

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