召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百四十一話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

キャロとの予定をキャンセル→色々騒動が起こる前にレヴィちゃんを連れて帰る事に→眠ってしまったレヴィをベットに寝かせる→その後は、キャロとのんびり→特に変わった話をした訳では無いけれど、とても懐かしい時を過ごせた

 

翌日。昨晩遅かったにも関わらず、意外にも朝早くに目が覚めた

 

 

「あぁ眠ぃ」

 

 

このまま二度寝したところで、恐らくイクスが起こしに来てくれるだろうから問題無いんだけど・・・レヴィの事もあるし起きるか

 

そう思って体を起こすと布団の中で呻き声が聞こえてきた

 

 

「・・・いつ入ってきたんだ?」

 

 

覗いてみると、ヴィヴィオが腰辺りに抱きついて幸せそうに寝ている

 

 

「起きろ。おい、ヴィヴィオ」

 

「にゃーにゃはは。アインハルトひゃん」

 

「なっ、涎が付くだろ」

 

 

寝巻きを甘噛みされ、唾液で汚されていく

 

はぁ、いったいどんな夢を見ているのか。とりあえず良い夢だって事は分かるが

 

 

「ほぉら、ヴィヴィオ」

 

 

無理やりに引き剥がすと、目をパチパチさせながら此方をジッと見詰めてくる

 

 

「おはよ、いつ入ってきたんだ?」

 

「うん、おはよぉ。えぇっとねぇ・・・んん、一時間前くらいかな。まだ早いなぁって思ってきちゃった」

 

「二度寝か。なら、そろそろ起きるぞ」

 

「朝なの?」

 

「外を見ろ」

 

「にゃ? ホントだ、明るくなってる」

 

 

その場で割座したヴィヴィオの肩にクリスが乗っかって何かジェスチャーで伝える

 

すると、ヴィヴィオは嬉しそうにはにかんで跳び起きた

 

 

「どうした?」

 

「アインハルトさんのデバイス申請が終わったんだって」

 

「へぇ、早かったな」

 

 

てっきり三日前後は掛かると思ってたけど

 

 

「やっぱり教会にお願いして良かった」

 

 

それなら納得だな。管理局の見知らぬ担当に任せるよりは、ヴィヴィオにとって教会の担当者にお願いした方が早く終わる可能性が高い

 

でも、あとで騎士カリムに俺が会わないといけなくなるから余りして欲しく無いんだけどね

 

いや、会いたく無いとかでは無いんだけどさ。割と常識人だし・・・ただ、身分なく接してくれるので、一介の教師には少々恐れ多いんだよな

 

 

「あの人、良い人なんだけど怠け癖がなぁ」

 

「あの人って?」

 

「騎士カリムだよ」

 

「ああ、あの人。あきパパの交友関係ってかなり広いよね」

 

「生きてる分くらいにはな」

 

 

まぁ実際のところは講師をして回るようになってから、知り合った数が大部分を占めると思われる

 

 

「まぁ、そうだよね」

 

「そうそう」

 

「うん、じゃあ制服に着替えてから行くから、先にリビングに降りてて?」

 

「はいはい。あ、イクスも寝てたら起こしてあげておいて」

 

「ん? ん~?」

 

 

俺の言葉に何故かヴィヴィオは仕切りに首を傾げる。そして、暫らく迷った風に視線を泳がせて納得したように頷きながら小さく笑った

 

 

「どうした?」

 

「いや~、あー、そうだねー」

 

「気になる言い方だな」

 

「ねぇねぇ、ちょっと足をベットの下まで届くくらい伸ばしてみて?」

 

「ん? こうか?」

 

 

・・・あ

 

ヴィヴィオが笑っていた理由が分かった。足先がぷにっと何かに押し込まれ、その何かは布団の中で跳ね起きた

 

と、言うかイクスだった

 

 

「にゃはは、そう言う事。最初にわたしが居ちゃったせいで、視線が固定されちゃってたもんね。それじゃ、起きた事ですし、あとはパパに任せるね」

 

「分かった」

 

「クリス、おいで」

 

 

ふよふよと飛んでいたクリスを肩に乗せて出て行った

 

 

「ぇぇと、イクス?」

 

「・・・はい」

 

「何で足元に?」

 

「私にもよく・・・二時間くらい前はお父様の隣だったのですが」

 

 

イクスが二時間前に来ていて、ヴィヴィオが一時間前に来ている。そして、ヴィヴィオが隣に居たって事はだ・・・要するにヴィヴィオが移動させたって考えるが妥当なのかな

 

 

「そっか、おはよ。イクス」

 

「はい、お早う御座います。お父様」

 

 

ま、あくまで推測の域を出ない話だし、今回はヴィヴィオの為に教えないでおいてあげるか


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