召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百五十二話~side キャロ~

小規模次元震が起こった後

 

突然現れた手紙などのせいで事件が難しくなるかと思われたんですが、フェイトさんが上手く話しを聞きだしてくれたおかげで、あれよあれよと事が進んで気付くとなのはさんや八神指令と合流していた

 

 

「ただいまぁ」

 

 

そう言う訳で、色々あって遅くなってしまったんですが・・・家に帰ってリビングへの扉を開けると殆ど肌着の秋春と薄手のワンピースパジャマを着たイクスが寛いでいた

 

 

「おかえり、キャロ」

 

「おかえりなさいませ、ルシエさん」

 

「・・・秋春。なんて格好をしているんですか。それにイクスも、秋春だけだからって無防備過ぎ。女の子なんだからちゃんとする」

 

 

どうやら、秋春もイクスも夕ご飯を食べずに先にお風呂に入っていたみたい。二人とも目を白黒させてポカンとしていたけど、もう一度注意すると急いで二階に上っていく

 

よく分かりませんけど、レヴィさんが僕も~とついて行きました

 

 

「まったくもう、二人ともだらしないんだから」

 

「ふふ、キャロも大変だね」

 

「・・・あのイクスちゃんが素直」

 

「雨水さん、完全に私達の事は目に入っとらんかったなぁ」

 

 

三者三様の皆さんにわたしは苦笑いをしてリビングに案内する

 

 

「あれ? ヴィヴィオが居ない」

 

 

まだお風呂に入ってるのかな?

 

 

「あ、たぶんまだユーノ君のところにいるんだと思うよ」

 

 

首を傾げながらリビングを見渡すわたしに後ろからなのはさんが答える

 

 

「そうなんですか?」

 

「うん。連絡があったのがさっきだから、いま無限書庫から帰ってきてる途中なんじゃないかな」

 

「こんな遅くまで何を調べているんでしょう・・・ま、秋春が許可したんでしょうから、良しとします」

 

 

本当なら女の子がこんな遅くまでの外出は危ないって怒るところなのでしょうけど、その役割は秋春かなのはさんが担うべきなので口出しは無用

 

 

「ねぇキャロ」

 

「はい? なんでしょう、フェイトさん」

 

 

呼ばれて振り向くとフェイトさんと八神指令がテーブルの上に散乱している用紙を何枚か拾い上げていた

 

 

「ザンクトヒルデ学院っていつもこんなに課題を出してるの?」

 

「え? はい、そうですね。一般的な学校よりは多いと思います、更にイクスの場合はテストへ向けての課題もプラスされてるので余計に、ですね」

 

「そ、そうなんだ・・・こんなにいっぱい一日で出来るのかな?」

 

「一日でじゃないですよ? だいたい三日とか、ある程度の猶予はあるみたいです」

 

 

前に五日間休みが続く日に出た、ヴィヴィオの課題などは山積みになるくらいだったから、そこにある量も、もしかしたら三日分の課題の一端に過ぎないのかも知れない

 

わたし学校に行きたいって一時期思った事もありましたけど、二人の・・・特にイクスが課題に取り組んでいる様子を見てたら、局員で良かったって思う

 

 

「さて、わたしは夕食を作りますので、皆さん適当に寛いでいて下さい」

 

「料理なら、私が手伝うよ~」

 

「ありがとうございます、八神指令」

 

「ええって」

 

 

ちょっと予定よりお客さんが増えちゃったから食材足りるかな? ルネに帰りに少し買ってきてもらっておいた方が良いよね

 

 

「普段から料理はキャロ担当なん?」

 

「はい、最近は他世界での仕事で帰ってこれませんから、その間はシロだったりアギトだったり、チンクやヴィヴィオなんて事もありますね」

 

「雨水さん、あとちょいで日替わりいけそうやね。愛されまくりのモテまくりや」

 

 

八神指令は冗談で言ったんだろうけど、たぶん数に入れてないだけで日替わりでも余るくらいの人数は絶対居ると何と無く確信できた

 

 

「秋春は自分に人望があるなんて思ってないみたいですよ」

 

「そうなん? あんだけ、あちこちから呼ばれるのは珍しいことやのに」

 

「レアスキルが重宝されてるんだろう、程度にしか思ってません」

 

「勿体無いなぁ」

 

「そう言う人なんです」

 

 

他人に対しては正当評価できる癖に自分の事となると過小評価しかしない

 

あともう少しまわりが秋春の事を想っているって自覚してくれれば、色々と違ってくるんだけどなぁ

 

 

「ん、どうやらヴィヴィオが帰って来たみたいや」

 

「わわ、それなら急がないとですね!」

 

 

ヴィヴィオが加わった事で、リビングからは賑やかな声が聞こえてくる

 

 

「よっしゃ! こっちは任せて」

 

「はい!」

 

 

八神家の料理を担ってきただけあって、八神指令の料理の腕前はかなりのものでした。まだまだ頑張らないといけないです


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