召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百六十一話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

暇なので散歩→アギトに脱走と勘違いされ拘束→病室に戻るとヴィヴィオとキャロが待機→勘違いの脱走だけ伝わっており、危うく入院期間を延ばされるところであった

 

そう言えばヴィヴィオ達は周りにどんな風に伝えていたんだろうな。見舞いに来てくれた人達の、殆どはもっと大変な状態になっていると思っているみたいだった・・・コロナちゃんなんて半泣きだったからなぁ

 

 

「んぅあ~! やっぱり訛ってる」

 

「お父様、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫大丈夫、あんだけ病院に居たんだから健康体だよ」

 

「・・・手術自体はまだです」

 

「いままでこれで生活してきたんだから今更如何こうならないって」

 

 

病院の入り口で大きく背伸びをする

 

検査入院などを完全に名目で、後半はウルの趣味に走り始めてないかと思っていたデータ集めがようやく終わった

 

 

「さて、ヴィヴィオの応援に行くか。まだ大丈夫かな?」

 

「・・・どうでしょうか? 選考ではあの子、全て一撃終わらせているので」

 

「イクスの目から見て興味深い子は居た?」

 

 

会場に向かう為に乗った車の助手席に座ったイクスは気難しい顔で不満そうに呟く

 

 

「実際の戦闘を見ないとハッキリしません、けど数人ですが。あの子が苦手なタイプがいました」

 

「ハリーちゃんとか?」

 

「え、誰ですか?」

 

「ほら、写真の子だよ。自然保護でお世話になったおっちゃんの娘」

 

 

見せたはずなんだけど。イクスは考える為に一度外に視線を移したが、やはり思い出せなかったのか再び俺に視線を戻して分からないと言い切った

 

 

「そこを右です」

 

「ん、あと五分くらいかな」

 

「えと、はい。そのくらいです」

 

「うわっ、結構混んでるな」

 

「地区とは言え、激戦区らしいですから」

 

「そうか、そうだよなぁ。しかし、このままだと一試合目は諦めた方が良さそうだ」

 

 

もっと言えば、このままだと軽く数十分は待たされそうな気がする

 

流石にヴィヴィオの出番は終わってるだろう

 

 

「選手保護者用とか無いか?」

 

「ちょっと聞いてみます」

 

「お願い」

 

 

イクスは後部座席に待機させていたノノを呼ぶとモニターを開いて誰かと通信し始める。ヴィヴィオじゃないみたいだけど

 

 

「キャロか?」

 

「え? いえ、フェイトさんです」

 

「・・・フェイト、さん? ああ、フェイトさんね」

 

「はい」

 

 

なんか普通に驚いた。前にあった時はそんな風に呼んでなかったと思うんだが・・・俺の知らないところで二人の仲が進展したみたい

 

この調子で同級生の友達も作ってくれると嬉しいんだけどね

 

 

「貴方も居たのですか。え? いや、別に貴方に用は無いですし、切って良いですか?」

 

「わぁ! 待って待って!」

 

 

いきなり車内に広がった声に、俺とイクスは揃って眉を潜めた。気がする

 

 

「えぇと、イクス?」

 

「すみません。お父様、通信を切ろうと思っていたのですが、操作を誤ったみたいです」

 

「さっきのはフェイトさんじゃないよね」

 

「はい、高町なのはです。彼女も応援にきているみたいで」

 

「まだ繋がってるみたいだよ」

 

「あ、はい」

 

 

ヴィヴィオが参加しているのだから、高町一尉が応援に来ているのは当たり前なんだけど、流石にイクスを一緒に観戦させるのはトラブルの素になりそうだから止めておいた方が良いのかな

 

本当は一緒に仲良く並ぶことができるのが一番なんだけど・・・少なくとも会話をしている様子を見るからに無理そうだ

 

 

「ッ! そもそもですね! 何度も言うようですが、私は貴方を好ましく思っていません! なので、そんな事は有り得ません。無理です、一人で勝手にして下さい!」

 

「イクス、落ち着く。何の話?」

 

「・・・高町なのはの家に、泊まりに来ないかと誘われまして」

 

 

そう言えばイクスって他人の家に泊まったりした経験少なかったな。ヴィヴィオと違って友達の家でお泊まり会みたいな事もした事は無いし

 

強いて言えば管理局で数日過ごしたくらいがせいぜいのはず

 

 

「行かないのか?」

 

「え? 当たり前です。それとも・・・お父様は私が居ない方が・・・」

 

 

割と本気で泣きそうになったイクスの頭を慌てて撫でて宥める

 

 

「違う違う違う。ヴィヴィオも高町一尉とイクスが仲良く出来た方が喜ぶだろ? せっかく誘ってもらってるし、チャンスだよ」

 

「そんなチャンスいりません」

 

 

それっきりイクスは会場に着くまで、不機嫌そうな表情のまま何か考えてるみたいだった

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