召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百七十二話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

登校中にヴィヴィオを尋問→姉の為と言いつつも裏がある気がしてならない→騎士団の方に確認を取ると、厳正な処罰を下した。と簡素が返事が返ってきた

 

あれから、学院生活を色々と聞いてまわったのだが、多少集中力を欠く時がある程度で相も変わらず評判の良い優秀な生徒を維持できているようだった

 

結局。情緒が不安定と言う事を解決できないまま、インターミドルの第三回戦を迎える事になる

 

 

「さぁキミはここで退場だよ」

 

 

高町ヴィヴィオ対アインハルト・ストラトス

 

初出場ながら両者ともに、第三試合に至るまでダメージと言える程の攻撃を当たっていない。つまりは無傷で勝ち抜いてきていると言っても全く過言じゃなかった

 

理由は単にそれだけ実力の差があって、スタートと同時に決着が着いてしまっていたからだろう。その為か、アナウンサーが饒舌に解説をしながらも二人の戦闘スタイルなどには一切触れれてない

 

 

「あとちょっとだけ、な?」

 

「ここまで待ったんだから、これ以上の待ったは止めて欲しいんだけどねぇ。キミ達もそう思うだろう?」

 

 

会場が盛り上がる中、俺はアギトに引っ張られながらウルに説得を続けていた

 

 

「何もこのタイミングに手術しなくても良いだろ」

 

「やれやれ・・・試合なんて、後で記録媒体で楽しめば良いと思うがね。そもそもタイミングについてはこれでも譲歩しているんだよ? 本来の予定はもっと早く・・・いや言っても仕方ないね。応援なら一声かけただろう? 彼女なら、それで十分さ」

 

 

最近のヴィヴィオの変調を見る限り、この試合は間違いなく大事になる気がしているのだけど、どうも説得に使うには決め手に欠けるようだ

 

いっそスカリエッティの名を出そうかと思い始めた瞬間に、思わぬ追撃を後ろから受ける

 

 

「い、イクス?」

 

「ごめんなさい、お父様。ですが、これもお父様の為です・・・ごめんなさい、ごめんなさい」

 

 

力は余り篭ってないけれど、それでも確かにイクスは目を閉じて俺の背を押す

 

キャロもフェイトさんもこちらの話に入ってくる気は無いらしい。高町一尉はまだヴィヴィオのセコンドが誰なのか気になってるみたいだし

 

 

「ほらほら、もう一人の大事な娘も賛同してくれているじゃないか。諦めなよ」

 

「・・・分かったよ。ったく、大会が終わってからで十分に間に合うって言ってるのに・・・そもそも」

 

「秋春。その話は昨日の夜にたっぷり話しましたよね?」

 

「分かってる」

 

 

これ以上あまり不平不満を言うと、背中を押しているイクスが精神的に限界を迎えそうだし、そもそも男として如何なのかと思わなくも無いので・・・それはいまさらか

 

正直いって手術とかしたくない

 

そして更に本音を言えば、やはりレアスキルは惜しい。危険性に目を瞑ってでも、十分に釣り合う能力だと思っている

 

 

「安心して良いよ、確かに未だ確認された事のない。つまりは不確定要素の塊みたいなロストロギアだけれども! これでも一流の科学者だからね。間違いなく成功して、キミは晴れてロストロギアから開放されるのさー」

 

 

明らかに煽ってやがる

 

楽しそうに口の端を上げて嗤うウル。これで実力を知ってなかったら確実に執刀医を任せるなんて馬鹿な事はしなかっただろうな

 

 

「行ってくる、そしてすぐ帰ってるよ」

 

「はい、お父様」

 

 

即日退院はお勧めしないけどね。などと聞こえたが、絶対に今日中に帰ってやる

 

最後に、ステージに目を向けると、大人モードのヴィヴィオと小さいままのアインハルトちゃんがお互い牽制し合うように睨み合っていた


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