前回のあらすじ
エリオを見送る→キャロに新しい魔法をせがまれる→必要がない事を説明するが備え有れば憂いなしとの事→何でキャロが諺なんか知っているだろう?→仕方ないので無機物操作を教えた
無機物操作にした理由は最近AMFが流行ってるそうなので対抗策になるかなぁとかそんな感じである
「我が求めるは、戒める物、捕らえる物。言の葉に答えよ、鋼鉄の縛鎖。錬鉄召喚、アルケミックチェーン!」
「く、くそっ! 教えなければ良かった!」
早速後悔する俺に何が起こっているかと言うと知らずにキャロのプリンを食べたのに気付かず接近を許してしまい逃げようとした頃にはアルケミックチェーンで捕縛されてしまったと言う訳だ
「雨水さん! なんでプリン食べたんですか!」
「い、いや・・・ほらさー、糖分が必要な時ってあるじゃん?」
主にいま怒っているキャロにとか滅茶苦茶必要だよね
「あったとして! なんでわたしの食べたんですか! ほら! 名前もかいてあるじゃないですかっ!」
アルケミックチェーンは正真正銘ただの鎖なので(しかも結構太い)平均的大人の俺でも単純な力では解けない
鎖で縛ると言う単純さだけにバインドほど弱点もない
「いや、ほら俺ミッド出身じゃないからミッド語読めないし」
「嘘つかないで下さい! なら今まで本局に出す報告書は何語でかいたんですか!」
「ベルカ語」
「ミッド語より難易度上がってるじゃないですか!」
「嘘じゃない」
「どうせ一部書類ですよね!」
クッやはり気付くか。と言うか一緒に仕事していた時期もあったから俺がとうにミッド語を使えるって知っていて当然か
「そうだ! だがそもそもお前の字は達筆すぎる!」
「なっ! この後に及んでわたしのせいにする気ですか!」
「ああ! 字も可愛く小さいし読んで欲しいのか欲しくないのかサッパリ分からん!」
と言うかこのツルツルした表面によくこんな綺麗な字で書けたな
基準の俺がガサツなだけか?
「読まなくとも書いてあるなら少なくとも自分のじゃないってわかるでしょうに!」
「いいや! 分からん! もしかしたら食べて下さいって書いてある可能性も否定できん!」
「どんな可能性を想定してるんですか!」
「そんなだ!」
明らかに俺が悪いが両者一歩も引かずに睨みあい、その距離を縮める
「うぅ~~・・・わかりました」
「よし! 分かったか!」
「はい、雨水さんには口頭より行動だと思いました」
些細な違いで不穏な空気が一気に増しますね
「雨水さん。このアルケミックチェーンが自動から手動に変えられるのはごぞんじですよね?」
「まぁ俺の考えた内容だしね。時には機械的な判断より人間の判断が勝ると思って」
「ならいま雨水さんの命はわたしの手の中とわかっています?」
キャロが手の平を横にしてゆっくり閉じていく・・・そしてそれに連動して鎖がッ
「あだだだだッ!」
「さぁ! 謝るならいまの内ですよ! キャロ様ごめんなさい今度特大パフェ奢りますからと!」
「図々しいぞ! おまっ、くるしっ」
選択肢は三つか!
一は素直に謝るか
二はシロとフリードが子供達との触れ合いを終えて帰ってくるのを祈るか
三は新たに何か作戦を考えるか
「決めた!」
「なにをですか?」
「キャロ!」
キャロは俺が観念したと思ったのか少し鎖の縛りを弱める
「実はキャロが部屋に隠しているアレを見つけてしまったんだが取り返したくば今すぐ俺の部屋に向かうが良い!」
ふっ、勝敗は決した。キャロも女の子だ、何か見られたくない隠し事の一つや二つはあっても可笑しくない
「なっなっ! う、うう雨水さん。まさか・・・あうあう、にゃわぁぁああああ!!」
予想以上の反応で顔を真っ赤にしてキャロは全力疾走で男性居住区域の方へ走って行った
「さて、手動に変えたって事はキャロが居なくなればこんなの簡単に取れるっと・・・ハハッ」
さてさて、それにしてもキャロは一体なにを隠しているんだろうな?
アルケミックチェーン取得。自動と手動に変更可能な少し便利な魔法になりました