召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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四百話~side アルフ~

管理局開発部門

 

つい先日まで、キャロを祝ってやる為に雨水の家にお邪魔してたんだけど、イクスが式の準備の為に管理局へ行くと言い出したのでフェイトの代わりに付いて行く事になった

 

本当はフェイトがついて行くのが一番なんだけど、一緒について来た奴の中にフェイトが唯一嫌悪を露骨に出してしまう奴が居た為に参加を遠慮して信頼できるあたしが選ばれたって訳だ

 

 

「平行世界ね。確かにそんなモノがあるのなら、科学者としては触れない訳にはいかないね」

 

「ふふふ、安心してよスカリエッティ博士」

 

「ドクターと呼んでくれたまえ」

 

「はい、ドクター!」

 

 

いや、いまさらだけど、なんで普通にいるんだよ

 

 

「ん? キミとは始めましてかな? いちおうキミの主を作った者なのだけどね」

 

 

作った

 

その言葉に悪意は感じねぇけど、聞き逃せるはずが無いな

 

 

「あん? それはフェイトのことを言ってんのか? ヴィヴィオ達の前だから一回は許すけど、ブッ飛ばすぞ」

 

「やれやれFの遺産といい何故か嫌われてしまっている相手が増えて困るね。私としては作品が残したモノと言うのは非常に興味があるのだけれど」

 

「よーし、二回目だ。表に出ろ」

 

「まぁまぁまぁアルフ。ドクターは必要な人材だから、ね。いまは我慢して」

 

「だいたい、ヴィヴィオ。お前は海鳴市にいるはずだろ」

 

 

予定ではあたしと丁度入れ違いになる形で戻ってくるはずだから、日付的には少し早いはず。それなのにあたし達より先に開発部でこの男と待っていた

 

 

「ん、あきパパの記憶探しだったのに、ヴィヴィオの頭の中に変な記憶封鎖があってね。ちょっと知らない魔法だったから解いたら面白い事を思い出して。居ても立っても居られなくなったのですよ」

 

「はぁ・・・じゃ、なにか? 雨水も一緒に帰ってきてるのか?」

 

「ううん、良い機会だからってアリサさん達のところで友好を深めてるところだよ」

 

 

アリサ達のところか。それならまぁいつでも連絡がつく場所だからヴィヴィオが納得したのも頷けるか

 

 

「で、なんでアレも一緒なんだ」

 

「スカリエッティ? 必要だから。ウルでも良いんだけど、それだと期間が掛かり過ぎるからね。間に合わせるには最高峰の能力が必要だったの」

 

「だからって」

 

 

隔離収容所の犯罪者から協力を得ようなんて相変わらずとしか言えねぇな

 

 

「話は済んだかな? では、実験を始めようか。しかし、次元跳躍。いや、時間跳躍になってしまうのかな。それには途方も無い魔力がいるのかも知れないよ。それは補う準備はあるのかい?」

 

「レリックを持ってきたから大丈夫!」

 

「ヴィヴィオ?!」

 

 

封印されているとは言え、一級指定のロストロギアを何の保護もされていない状態で持ち歩くとか心臓に悪いぞ

 

 

「はいはい、アルフもあっちの見学スペースで待っててね」

 

 

ぬわ! 見学者スペースってあれか。明らかにテキトウに準備した、お姉ちゃんの椅子ってなってる。ウルが気まずそうに横のイクスを見てるあそこか?!

 

まぁウルがちょっとだけ可哀想だしあっちでも良いんだが、ヴィヴィオとスカリエッティの組み合わせなんて碌でもないのを放置するのは無責任にも程があるってもんだ

 

 

「あ、あたしは保護者として来てんだ。後ろで見ておく」

 

「見ても面白くないよ?」

 

「口ぶりだと結構凄いことしようとしてるんだろ? だったら、見ても損は無いはずだ」

 

「ハハッ、そうだね。まさに世紀の大発明になるだろうね」

 

 

誰か代わってくれ

 

最初見た時に感じた不快感はきっとフェイトがコイツを嫌いだから、使い魔のあたしにもその気持ちが流れてきてるんだと思ってたけど。違うわ・・・あたしも普通に嫌いだ

 

 

「さぁて! 貴重な貴重な時間を使い潰そう! ヴィヴィオ君! 私の作品の中でも最高傑作のキミの力があれば百人力だ!」

 

「お~!」

 

 

管理局内なのでいざと言う時は大丈夫だと思うけど、ロストロギアを使う実験にこの人数だけでの対処は荷が勝ちすぎだと思うので、フェイトには悪いけど我慢して来てもらおうと心に決めた


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