原作でイクスが目覚めましたね! アニメでも出てくれないかなぁって思います。OPに映ってますし期待はありますよね
高校生のリリカル爆走
そんなタイトルのボクのご主人様を題材にした映画が製作されるらしい。なぜ、ボクが突然そんな事を気にしないといけなくなったかと言うとその映画のホームページに載せる人物紹介の担当をボクにされてしまったからである。
文字はかわいらしい。しかし要約すると、手伝わないと機材にウイルス流すよ。とヴィヴィオ君から通信が届いたのが全ての始まりだった
◇◇◇◇◇◇
「やはり、主人公のご主人様は必須だからね。そう言う訳でインタビューだよ」
「別に良いけど。はぁ、映画が決まってからこれで三度目なんだが」
「まぁまぁ」
これからもっと増えるだろうが、それは有名税と言うモノだろうから我慢して欲しいね。それに、巻き込まれるこっちも大変なんだよ?
「名前・・・は、いまさらだね」
雨水秋春
現在、ザンクトヒルデ魔法学院の臨時相談講師。こと教え導く才能が抜きん出ており、生徒からの支持も厚い
確か、新暦五十四年に管理外世界の海鳴市で生まれて、新暦七十一年に小規模次元震の影響で管理世界に漂流。そこで、いま現在結ばれているキャロ・ル・ルシエと一緒に自然保護隊に保護されて数日後にミッド入り。その後に管理局へ入局しているが、古代ベルカ関係に関わり過ぎた為か教会にも強制で登録されている
この辺の情報は既にボクの研究で使った範囲だから分かってる。なので、まぁ他の事だね
「ああ、イクス君との出会いはいつだったかな?」
「ん? あー、六課が機動してすぐだから七十五年くらいか? ヒューズのやつに騙されて安全だって言う遺跡に行ったのが始まりだったな」
「イクス君がいた。と言う事はマリアージュは機動済みだったのかい?」
「ああ、そうそう。使い勝手のいいロストロギアを貸し出されてたからどうにか、な」
危険がいっぱいだね
幸いにして同士討ちはしないけれども、マリアージュの応用力の低さと言ったら有名だからね。ボクも何度と無く、それを理由に泣き寝入りさせられたから誰よりも実感できるよ
「そこで出会い。ご主人様の人たらしスキルで懐柔したわけだね」
「言いがかりを付けるな」
「いやでも、ボクの言い分にも一理あると思わないかい? 教え導いた生徒に悉く好かれ愛され、狙ってないとでも言う気かい?」
「いちおう、嫌われもしてるんだぞ?」
「それは、その子にとってキミが必要と判断したからだろう?」
だいたいボクは嫌いと言う感情でさえ、たらし込まれた結果だと言いたいね。なぜなら、ご主人様の生徒でご主人様に無関心な子がいないからね
「話が逸れたね。うん、まぁイクス君の話はイクス君の時に聞こう。えぇと、次はヴィヴィオ君だ。結局のところ彼女はどちらの子供なんだい?」
「どちらって?」
「ほら、あの管理局のエースオブエース。高町なのはだよ。ヴィヴィオ君はキミをパパと呼ぶし、キャロ君をママとも呼ぶ。しかし、なのは君の事だってママと呼んでいるだろう? あれはなんだい?」
「ん~それはヴィヴィオの多面性の一つなんだけど。ヴィヴィオは設計上の問題で自分をより良く育ててくれる人についていくように出来てるんだよ。俺に出会ってなければ高町一尉に、高町一尉に出合ってなければ俺に。自分を効率よく育ててくれる人材が同時に二つもあったから、一つを本命に、一つを保険にしてもおかしくないだろ?」
「ああ、そう言う理屈か。ふむ、しかし可愛い顔でパパだママだと言いながら裏でそれとはボク好みだね」
どちらが本命でどちらが保険なのか気になるね
「残念だけど、ヴィヴィオのパパとかママとかにはきちんと親愛が篭ってるからな? 利用する為とは言っても、だからと言って愛情を感じたら駄目って訳じゃない」
・・・やはりヴィヴィオ君の問題は深い
たびたび問題行動を起こしているヴィヴィオ君だが、その問題行動の理由が一つで済んだ試しが無い。大抵は表の理由と裏の理由を準備している
そして、準備してある理由が真実とは限らない
「重い話になりそうだね。ボクが任された範囲はそこまでいらないし、そうだね。親から見た姉妹の仲の良さでも聞こうか」
「あっさりだな。まぁウルらしいか。二人の仲ね、良好だよ。二人とも元と素が王様だから悩みも共有できてるみたいで、大雑把にお互いの思考も理解できてるのは大きいね」
「確かに。王様の考えなんて常人に理解しろと言うのは酷な話だ」
「そう言うこと。ま、本人達は至って普通の姉妹でいるつもりらしいが・・・」
いやいやいや
教えるのが得意なのに、ボクのご主人様は娘に常識を教え切れてないのだろうか。あれを普通とは世間では呼んでないよ
「他に聞きたい事は?」
「ん~そうだねぇ。シロ君は元気かい?」
「元気だぞ。いまも管理局でアギトとコンビ組んで働いてる」
シロ
いちおうご主人様の使い魔として登録はされているが、特に魔法的な繋がりは無い。ご主人様とキャロ君が自然保護隊に保護され、手伝いとして協力している際に群れから逸れてたのを保護した個体らしい
意外と種族的な血統が良いおかげか魔力の伸びしろも良く。動物的な直感で対人戦闘は結構高い方らしい。ボクは一度検査させてもらっただけなので、あまり多くは知らないけど本来の姿は白い毛並みの大きな狼と聞いている
「いちおうシロ君達にもあとでインタビューをしたいから、ご主人様の方で取り次いでおいてくれないかい?」
「いいよ」
「残るは・・・ああ、キャロ君だ。うん、最も重要だと言うのに、ボクとしたことがうっかり聞きそびれるところだったよ」
「わざとらしいなぁ」
「そんなことないさ。とにかく、ご主人様がいつも端末の画面に設定してるくらい溺愛しているフィアンセの話を聞きたいのさ」
これは冗談抜きでなぜご主人様は画像の変更を行わないのだろうね
「あれはキャロに変えたら許さないって毎回チェックされてるからなんだが・・・まぁいい、何が聞きたい。面倒なのは本人に聞けよ」
チェックされてる。なんて強制的な言い方をしているけれど、ご主人様も端末を見せる際に何か抵抗しているようには見えなかったよ
「それはもちろん。そうだね、ご主人様はキャロ君と結婚した訳だけど、結局何が結婚の決定打になったんだい? かなり待たされたとキャロ君は嘆いていたよ」
「そ、それは事情がね」
「ほぉ」
「レアスキルの関係でな。ちょっと揉めたことがあって・・・」
レアスキル。ああ、前の検査の際に効果を一通り聞いてはいたけども、ボクの見立てと随分と効果に差があったんだよね
「どうせ、もう無いから言うが、俺のレアスキルは六つ。観察眼・統率力・講師の才・仮完全記憶・年齢操作・確定印象だった訳だ」
「ちょっと待とうか、ボクの聞いた事の無いモノが混ざっているよ? ご主人様、もしかしてあの時に全部を話して無かったのかい?」
「まぁ正直言うと」
・・・止めて欲しいね。あの時はただでさえ大事な父親の治療だから細心の注意を払えと二人の娘から脅されていたのに、患者からの情報も実は完全なモノでは無かったとは・・・途中のアレも起こるべくして起こったんじゃないだろうね
「はぁ、だいたい、その、統率や講師、あとは記憶能力は才能だろう? レアスキルと言えるのかい?」
「いちおう後付の力だからね」
「ボクが認定員ならレアスキルにはしない・・・で? レアスキルの何で揉めたんだい? まさか、観察眼でキャロ君のスリーサイズでも見てたのかい?」
「いや、それに関しては見てもいいって許可はもらってる」
「・・・。」
「ただ、フェイトさんのを見た時は酷い目にあった」
「・・・。」
あくまで映画の紹介に載せる資料だからね。主人公の恥は見てみぬふりをしてあげよう・・・うん、ボクも優しくなったモノだ
「続けてくれて構わないよ」
「問題は最後に分かったレアスキル、確定印象にある。これは、早い話が初対面の相手に自分にとって都合の良い印象を抱かせるスキル。つまりは・・・まぁキャロには否定されたが、好きとか好意的な気持ちはレアスキルによるモノだって俺は思ってたんだよ」
「ふむ、主人公の悩みとしては良いかも知れないね」
「ウルらしい感想だな」
「まぁね」
だいたいそのレアスキルもボクに言わせれば特技の域を出ない。初対面の印象操作なんてレアスキルが無くても心理学等の応用で誰にでも出来る
「そう言う訳で、あれだこれだの理由を付けて断っていたって訳だ」
「そして、我慢できなくなったキャロ君に先手を取られたと・・・ボクは気にしないけど、男らしさの欠片もない話だね」
「まぁな」
「ともあれ、決定打はやはりキャロ君の押しの強さかな」
「そうだな、って分かってて聞いてただろ」
「インタビューだからね。ボクの知識があっているかの確認をさせてもらっただけだよ」
憶測で書くと後で何されるか分かったモノではないからね
特に何を注視して聞いて来い。とは言われなかったので、少し困っていたのだけど、聞いてみれば思ったよりは集まったね
あとの、クロ君やチンク君と言った居候組はキャロ君に聞いた方が良いだろうから、ご主人様の分は集まったと判断しよう
「ウル」
「ん? なんだい」
「ちょっと聞いていいか?」
「構わないよ。ボクだけ聞くのはルール違反だからね」
「そのメイド服は? いつも着ているのと違うだろ?」
おや、わざわざ今日の日の為に準備したメイド服に気付くと、やはり女の子に人気があるだけは。と言う事だろうか
「ヴィクトリアンメイド。と言うらしいよ。ご主人様への忠実さを表現しようかと思ってね」
「上から着てる白衣が全て台無しだな」
「ふふ、かわいいだろ?」
「コスプレ感が拭えない。顔立ちが圧倒的にメイド服に合ってない。よって別に可愛いとは思えない」
ハッハッハッ、うん。ボクとご主人様はこれくらいが丁度良い
「じゃあ、ボクは次に行くとするよ」
「次は誰なんだ?」
「ん? さぁ? 誰も彼も忙しいからね。ボクではなく相手に合わせて動いているのさ」
「そっか、まぁ頑張れ」
ボクが椅子から立ち上がる前に、ご主人様は身を乗り出してボクの頭を撫でる
女の子の頭を無遠慮に撫でるとは関心しないけど、それが許される人柄がご主人様の大きな魅力の一つなのかも知れない。ボクは記録の最後のそう付け加えて端末の電源を落とした
~ちょっとだけ番外〔ヴィヴィオからのメッセージ〕~
ウル・スカリエッティへ
にゃはは、いきなり画面が切り替わったから驚いたでしょー
今日はね。お願いがあるのです・・・ん? それよりさっきまでのデータがどうなったか気になる?
ダメだよ、ウルは管理局の大切な開発部門の長なんだから、セキュリティはもっと厳重じゃないと。自分でも解けるパスワードなんてダメダメなのです
いい? 本当に大事なモノを守りたい場合は、自分でも解けないモノを作るの。自分に解けるって言うのは、他人にも解けるって思わないと
え? データが気になる?
にゃはは、だからね。お・ね・が・い、があるの
三回目は言いたくないなぁ
え? 受けてるくれるの! ありがとう! さすがウルだね。わたしはウルのことを信じてたよ!
じゃあ、内容はこの後に続けて送られてくる通信で確認してね。あ、嘘ついたって分かった時点で添付した特製のウイルスがイタズラしちゃうから・・・またね!