召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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四十一話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

キャロのプリンを勝手に食べる→見つかる→すぐに捕まるが騙す→そして脅すが逆に捕まる→更に騙して逆に捕まえる→最後に勝利を手にする

 

あれ? 俺ってかなり悪人っぽくない?

 

 

「あーもー拗ねるなってキャロ」

 

「む~大体ですね! 雨水さんはもっと大人っぽくするべきなんですよ!」

 

 

何と無くキャロに負けるのが嫌だっただけだったのでプリンは後日キチンと買って返したのだがキャロの機嫌は予想通り治らなかった

 

 

「そうは言っても、俺だってまだまだ二十の若者だぜ?」

 

「確か雨水さんの生まれの風習では二十から成人。大人に分類されるんじゃありませんでした?」

 

「なんで知っている」

 

 

まぁ二十歳から目に見えて大人になる訳ではないが区切りの一つとして成人になる

 

 

「フェイトさんが知ってました」

 

「え?あの人ってミッド生まれじゃないの?」

 

「そのはずですけど」

 

 

もしかしてなのはさんが教えたのか?

 

二人は仲良しらしいから互いの文化を教えあっていても可笑しくはない

 

 

「とにかく雨水さんも大人なんですから。いつまでも子供と張り合わないでください」

 

「大人になっても子供の心を忘れないって大切だと思うよ?」

 

「大切ですね。だからなんですか? 誰も子供心を無くせなんて言ってません」

 

「はぁ~キャロちゃんは本当に大人だね~」

 

「何を企んでいるんですか?」

 

 

最初から疑いに掛かってくるとは・・・確かに企んでたけどさー

 

 

「最初から疑うとは失礼な」

 

「雨水さんが疑わしい事をするからです」

 

「もしかしたら、キャロは俺より俺を知ってるのかもね」

 

「ッ! にゃっ!」

 

 

ん? 妙な反応が返ってきた

 

今回のは特に何気なく言った言葉だったが何かキャロにはあったらしく慌て出した

 

 

「なにを・・・まさか妙な隠し事を」

 

「ち、ちがいます! とにかく! わたしが言いたい事は分かりましたね!」

 

「・・・。」

 

 

どう考えても怪しい

 

何か隠し事している、しかも疚しい事だ

 

反応した言葉は俺より知っていると言う点、つまりは俺の何かの情報を知っているとかそんな所か?

 

探りを入れないとあとで面倒になるかもな

 

 

「わかりましたね!!」

 

「はいはい」

 

「はい。は、一回!」

 

「あんたは俺の母親か」

 

「意味の分からないことを! わたしがなりたいのは・・・ッ!」

 

 

なりたいのは?

 

うん、キャロの将来の夢にはとても興味ある。やっぱりフェイトさんと同じ執務官とかが妥当なんだろうか

 

キャロくらいの年なら何かに憧れる気持ちもあるだろうし

 

 

「なりたいのは?」

 

「あー、その、な、なんでもないです」

 

「いや、何か言い掛けただろ」

 

 

んー言いたくない系統の仕事なのかな? だとするとそもそも管理局の仕事じゃないとか? それだとすると色々大変だろうしな

 

安定しない職なら不安にもなるし言いたくもないか

 

 

「いいかけてません」

 

「んーーー。ま、いっか。だけど決まったらフェイトさんに一言伝えておけよ。あの人は過度の心配性だから・・・良い人だけどさ」

 

「ほっ・・・わかりました」

 

 

ん? なんだか妙な空気になってしまった




一応雨水も転生してから年月を重ね成人

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