前回のあらすじ
フリード達と一緒に訓練→確認がてらにシロと試合→開始の合図としてフリードに火を吐いてもらった
開始したと同時に笑っていたシロの顔付きが変わる
捕食者の目だ
「狩られる兎にはなりませんように!」
まずは即座に作れるだけ魔力弾を作り射出する
総数七発
ダメージになるとは思ってはないが目晦ましになれば十分
「危険、じゃない!」
ショット 一発 待機 確認
「何処から」
姿勢を低く構えたシロが突然目の前に現れた
魔力弾は着弾しているはず、しかし元々ダメージを与える為ではなく目晦ましと足止めだった為シロの障害にはならなかった
「なんッ!」
先程までシロが立っていた足元の蹴り出した所が変な風になっていた
それに先程まで待機されていたショットが消えている
まさか・・・
足元で進行方向と逆に射出して走り出しの初動を見せないようにしたのか
普通に走り出すだけなら微細な体の動きで観察眼が捕らえるがそれを掻い潜る為に魔法で補った
観察眼の唯一の弱点は情報量が多過ぎる為に俺が最初に、ある程度の情報を絞っている事
今回は魔法を初速上げに使うなんて思ってなく情報を切っていたのが悪かった
それにその方法は柔軟な体と衝撃を上手く緩和するバネが確りと出来ていて初めて成功する方法
「全部野生の勘でッッ!」
「狩った!」
更に俺の顎に向かって足先が飛んできた
補助魔法は覚えさせていないので速さは普通、軌道も観察眼が捉えたので安心
だったのだが、ショットを空中で固定、先程のスタートダッシュの応用で蹴りの速さが行き成り上がり威力ともに増した蹴りがかわす前の俺に当たった
しかも意識を失う最後に確認出来たが咄嗟に顎を守った俺を見てシロが僅かに蹴りの軌道を上げて蟀谷を打ち抜いていた
◇◇◇◇◇◇
「ガウ!」
「痛ッ!!」
「キュク~」
せっかく魔法を教えたのに噛み付きで起こされた
治癒魔法使えないのに・・・おっちゃんに頼まないとな
「はぁ~にしてもまさか負けるとは」
しかも魔法戦を予想していたのに魔法の使用回数は二回だけ
あとは純粋に急所を狙われ終了
「キュクキュク!」
「ん? なに? 俺いま落ち込み中だから復活まで二十四時間は欲しいかも」
「そんなに待てるかぁぁあああーーー!!!」
「~ッッ!」
痛ってぇえええ!!
突然後ろから何か攻撃を受けた
振り向くと耳の生えた女の子が拳を握り大層ご立腹だった
「えーっと・・・迷子?」
「迷子な訳あるか! あたしはアルフ! フェイトの使い魔!」
「あー! なるほど! フェイトさんから逸れたのか」
「だから迷子じゃな~~い!」
余程迷子扱いが嫌なのか興奮して尻尾まで出てきた
・・・ふむ、迷子に迷子と言うは駄目か
「分かった、分かった、お嬢ちゃんが迷子じゃなくてフェイトさんが迷子なんだね」
観光区でも迷子の子供はたまに居るから扱いも慣れたはずだ!
「・・・フリードとシロ。コイツは何時もこんななのかい?」
あれ? 俺が気絶している間に仲良くなってる
せいぜい三十分くらいしか寝てなかったと・・・十分か
「ま、話はキャンプで聞くよ。フェイトさんと一緒に来た?」
「今日は一人だ、アンタに用があってね」
「俺?」
「そう、だから迷子じゃない」
いや、だからってこんな普通一般の人が来ない所に来ている時点で迷っているのでは・・・
シロは由緒正しき魔狼の長の子なので天然で強いです。更に雨水の教えも加わって現状の雨水の力を普通に凌駕します
な、訳で即効終わったバトルでした