召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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四十六話~side アルフ~

雨水秋春 二等陸士と低い階級に居ながらも鑑定士と言ったマイナーな職に就いている変わり者

 

あたしはフェイトの使い魔として確り見定めてやろうと意気込んで会いに行った

 

結果、残念な奴だった

 

エリオやキャロの言う通りフェイトに似ている一面も確かにあった、二人が好きになるのも無理は無い

 

 

「あれ? なんで? まだ居たの?」

 

「噛むぞ」

 

 

キャロは数日前から本局に出向いているそうなのであたしとは入れ違いになっていた

 

会えないのは少し残念だな

 

 

「はぁーなんで俺の周りにはすぐ手を出す人しか集まらないのか」

 

「自業自得だ」

 

「身に覚えは全くないんだがなー」

 

 

仕事振りは至って普通、休む時は確り休むをキチンと守っている所を見るに体調管理も大丈夫そう

 

はぁーフェイトときたら・・・仕事が好きなのは分かるけど偶には休んで欲しいもんだ

 

 

「んー」

 

 

雨水があたしの顔をジッと見ていた

 

 

「なんだい?」

 

「いや、素体が狼とシロと被るから変身魔法の参考になると思って・・・サイズの縮小で魔力消費の軽減か」

 

「詳しいね」

 

「まぁな」

 

 

ん? あたし、狼素体だって言ったかい?

 

・・・あ、最初に耳と尻尾を見せたからそれでか

 

でもこれがフルサイズじゃないってのは何で分かった?

 

 

「シロ、そうかアンタが教えたんだったね」

 

「躾係りだったからなー」

 

「・・・そうジロジロ見られると恥ずかしいんだけど」

 

「え? なんで?」

 

 

殴りたい。何故かこの男を無性に殴りたくなる衝動に狩られる

 

だいたい子供の状態とは言え女性だ、雨水もフルサイズではないと分かった時点で見た目通りの年齢じゃないって分かってるはず

 

それをジロジロともっと気を使えと言いたい

 

 

「これはアルフさんの技能? それともフェイトさんが一度変換してるの?」

 

「そう言えば・・・呼び捨てで良い、何だかムズ痒くなる。これはあたしの技能だ、名づけて子犬フォーム人間版」

 

「子供フォームで良くね?」

 

「良くない」

 

 

それだとまるで若作りしているみたいじゃないか

 

この姿はフェイトの魔力消費を少しでも抑える為のモノだ

 

 

「そろそろ時間だから俺は仕事に戻るが送ってこうか?」

 

「大丈夫だ、一人でも行ける」

 

「そりゃ一人でも行けるだろうが子供を案内するのも仕事の内だからな」

 

 

そう言うのならお言葉に甘えない訳にも・・・む?なにか変な予感が

 

 

「あーやっぱり遠慮しとく、アンタの仕事の邪魔をしに来た訳じゃないし」

 

「そか、案内に託けてサボろうと思ったんだが、それじゃフェイトさんによろしく」

 

「そんな魂胆が」

 

 

全く本当か冗談か分からないな

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「あ、アルフだ!」

 

 

帰り際に転送ポートまで来ると、丁度荷物を抱えたキャロと合えた

 

 

「おーキャロー元気だったか~?」

 

「うん、元気!」

 

「本局でフェイトには会えた?」

 

「会えたよ、フェイトさんの家に泊まらせてもらってたから」

 

「あーなるほど~」

 

 

確かにフェイトならホテルに泊まらせるよりは自分の家に招くだろう

 

ただその時のフェイトの様子が少し心配だなー

 

 

「フェイトはちゃんと慌てず家族出来てたか?」

 

「ん? フェイトさんは至って普通でしたよ?」

 

「ならオッケーだな」

 

 

表面に出なかったなら合格かな

 

フェイトは心配性に気遣い過ぎにだからガチガチに緊張してないか心配だったんだよな~

 

 

「アルフは帰り?」

 

「おう! また来るかもだから雨水にはよろしく言っておいてくれ」

 

「はい」

 

 

フェイトの帰ってくる場所を守るのが今の私のやる事だからな、使い魔として精一杯頑張るさ




アルフを元にシロの人化の精度が上がっていく

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