召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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四十八話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

キャロが風邪を引いた→看病をする→キャロの傍から離れられないのでおっちゃんに色々頼む→おっちゃんに心配される→そしてある問題に気付く

 

問題

 

風呂に入れない方が良いのは何と無く分かる。確か、ただでさえ体力の低下している時に、実は結構体力を使う入浴は症状の悪化だと

 

まぁ問題はそこでは無い、その次のだとしたらと言う話だ

 

だとしたら当然体を拭くと言う行為をしなければいけない

 

しかし如何なんだろうか?

 

キャロは子供とは言え女性、で俺は男性・・・それは不味いだろうなぁー、色々と

 

 

「女性局員に任せよ」

 

 

無難な回避を方法だな

 

俺自体は特に気にしないような気もするがキャロは流石に嫌だろう

 

 

「やっぱり当面は手を振り解く事に尽力を尽くそう」

 

 

しかし女性局員でいま手が空いている人いたかな?

 

一人くらいは居そうだけど連絡手段が無い、かと言って仕事用の連絡先を使うのは忍びない

 

 

「キュクー」

 

「ガウゥ」

 

「ん? お前らは入ってくるなと言っておいたはずなんだが」

 

 

フリードは主の事だしシロも想いは変わらない。心配なのは当然か

 

 

「仕方ないな、静かにしろよ」

 

「キュゥ」

 

「ガゥ」

 

 

ん? シロに人化させて看病をさせるなんて良い作戦ではないか?

 

・・・あ、駄目か、時間制限あるし

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「フェイトさんから送られてくる資料の受信が止まらない」

 

 

あの人、どれだけ送っているのだろうか

 

本にしたら楽に十冊とかいっても不思議じゃないぞ?

 

 

「ん、あふぅ」

 

「起きたか?」

 

 

ジーっと上気した顔で此方を見詰め暫らくすると口を開く

 

 

「くしゅん、うすいさんか」

 

「他の誰に見えたのか知りたいね」

 

「いえ、目がかすむと言いますか」

 

 

キャロがそのまま起き上がろうとするので取り合えず寝かせる

 

額に手を当てるが熱が下がっている感じはしない

 

 

「喉は渇いてないか?」

 

「・・・すこし?」

 

「疑問系ね」

 

 

気にしないけどさ

 

程よく温い気がする薄めのスポーツドリンクのストローを口元に運ぶ

 

 

「一気には飲むなよ」

 

「んん、あむ」

 

「・・・よし、他は? お腹が空いてるなら食べ物はあるけど」

 

 

ん、ストローが潰れてる・・・噛んだっぽいが本当にお腹空いてないんだろうな?

 

 

「いらない・・・あの・・」

 

「あん?」

 

 

手招きするキャロ

 

いやいや、二人っきり何だから普通に喋っても誰も聞いてないと思うんだが

 

 

「あの、汗で・・・その」

 

「服がベタ付くと」

 

「・・・はい」

 

 

さて、如何したものか。対策らしい対策を考えてなかった

 

ま、この際、仕事中の女性局員にでも来てもらうか

 

 

「待ってろ、いま誰か女性の人呼ぶから・・・っておい」

 

「あの」

 

「放せ」

 

「めいわくになるんじゃ」

 

「大丈夫、今まで一緒に仕事やってきた仲だし喜んで来るさ」

 

「駄目・・・わたしのせいで。それはだめです」

 

 

んー如何も譲る気のなさそうな目をしてるなー

 

頑固な所は長所になる時もあるけどこう言った時は少し考え物だ

 

 

「だが如何する? 生憎と手が空いてるのは俺だけだし」

 

「雨水さんでいいです」

 

「え~」

 

 

良いと言われても良くないのはこっちなんだけど・・・

 

かと言って、此処で言い合っても仕方ないし、世間体的にもギリギリセーフかなぁーとか思わなくもない

 

 

「分かった」

 

「ぁぅぅ」

 

「取り合えず恥ずかしくはあるんだな」

 

 

まったく、子供が自分より大人優先に考えるべきじゃないと俺は思うんだけどな

 

キャロらしいけどさ




セーフ?アウト?

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