召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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四話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

起床→キャロ枕の抱き心地が良すぎる→キャロに冷めた目で見られる→何かに目覚めそう→朝食→マズッ→職を探して放浪→人が空から声を掛けてきた→道案内をしてもらう→此処一帯に就職出来そうな所は無いそうで→どうしよ?

 

 

「で!」

 

 

動物愛護団体モドキの人達の所にお世話になる事になった

 

 

「う・す・いさん?」

 

「おっと手を動かさないとな」

 

「そうですよっ」

 

 

キャロに促されて食材を切っていく

 

俺等の仕事は料理担当

 

 

「ん? キャロは結構手付きが良いねぇ、将来は良いお嫁さんになりそう」

 

「えっ?! あ、あぅ、わ、わたしはうすいさんの」

 

「キャロ?! 鍋が!」

 

「え? あ! すみません!」

 

 

危ういところだったが如何にか間に合い難を逃れる

 

そしてやっぱりこんなキャンプみたいな所での定番。カレーを完成させる

 

 

「たんと召し上がれ!」

 

「おおっ! スゲェな! お前等!」

 

「ほんとぉ美味しそう」

 

 

ちょうど団体が帰ってきたので配膳を行なう

 

 

「そいや、お前等ミッドには付いてくる気あるか?」

 

「ミッド?」

 

「首都だ、首都」

 

 

首都かー、それなら就職先は多そうだ

 

 

「行く! 行こう! 今すぐに!」

 

「今は行かねぇよ。こっちの仕事が終わってからな」

 

「チッ役立たず」

 

「んだとっ?!」

 

「けんかはだめですよっ!!」

 

「「はい」」

 

 

何故か俺だけおたまで殴られた

 

キャロが団体の女性に囲まれてドンドンと強くなっていく・・・

 

 

「ふぅー腹一杯」

 

「ですねー」

 

「キュックー」

 

 

食事も終わり、今度は食器洗い

 

 

「おう? 何だお前等、仕事熱心だなー」

 

 

俺等を道案内してくれた団体のおっちゃん

 

 

「どした、おっちゃん。こっちに何か用か?」

 

「様子見だ。様子見・・・にしてもお前等、なんか夫婦みたいだな?兄妹だっけ?」

 

「ふっ! ふうふ! ですか?!」

 

「違うぞバカヤロー、俺とキャロは・・・ん?旅仲間かな?」

 

「なんだそりゃ」

 

「わ、わたしはふうふが・・・」

 

 

え? なんだって?

 

 

「そうそう、伝えとこうと思ったんだがミッドには四日後に行く予定だからな」

 

「そうか、サンキュおっちゃん」

 

「おう!」

 

 

良い奴だな、おっちゃん

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

二日後

 

事件が起こった

 

まぁ俺にとっては大した事件でも無かったはずだし関わらないつもりだったのだが

 

 

「おらぁ! お前ら動くなよ! 動くとコイツがどうなっても知らねぇぞ!」

 

「雨水さん! 助けて!」

 

「黙れ!」

 

 

相手はこの辺一帯を荒らす密猟者らしい

 

愛護団体の皆が追っていたのだがこのキャンプに入られ偶々居合わせたキャロを人質に取らてしまった

 

 

「クソッ!」

 

「チッせめて戦闘に向いた特典があれば」

 

 

向こうは武器持ち人質持ち

 

密猟犯罪組織末端 魔力ランクD 敵意有り 所有魔法はプロテクトとシューター

 

・・・組織?

 

 

「おっちゃん。もしかしてコイツって仲間とかいる?」

 

「ああ?! いないはずだが・・・」

 

「キャロを無事に取り戻す方法か」

 

 

戦力的には余裕で勝っているがキャロを楯にされている以上はそうも言えない

 

しかも、もしかしたら近くにアイツの仲間が潜んでるかも

 

最悪だ

 

 

「密猟者! 聞け! 取引がある!」

 

「な、なんだ!」

 

 

かなり焦っている。味方が居るならもっと余裕に構えて居そうだけど居ないのか?捕まりそうだったから切り捨てられたとか

 

 

「その子を放せ! そうすればお前の条件を何でも一つ叶えてやろう!」

 

「信じられるか!」

 

「ん? だがいまのお前の状況はかなり悪いぞ? 逃げるにも此処はお前にとって敵の本拠地、既に囲まれたようなもんだ。逃げるのはまずもって不可能」

 

「・・・へへっ、そんなのコイツがいれば」

 

「ひぃ」

 

 

持っていたナイフをキャロの首に突きつける

 

マジでアイツ追い詰められてるよ・・・思考も鈍ってるみたいだし交渉がし難い

 

表情に出さずに悩んでいるとおっちゃんが何やら俺に目で合図

 

うしろのくさむらにひそませている

 

成る程、このまま俺に犯人の注意を惹きつけて置いて欲しいって事か

 

 

「そいつが居れば何だってんだ?」

 

「あん?」

 

「もしお前がそいつに危害を加えたら本当に歯止めが切れてお前は終わりだぞ」

 

「くっ・・・い、いいのか! お前は!コイツに消えない傷が付いても」

 

「ハッ! 別に良いに決まってんだろ、勘違いしてないかお前は俺とそいつは他人で更に言えばそいつは別に此処の自然保護隊の関係者でも無い。この意味分かるよな?」

 

 

犯人は苦い顔をするがキャロは放さない

 

・・・まだか

 

 

「良いんだぜ? ほら、やれよ」

 

「・・・雨水さん」

 

「ほ、ほら!良いのか!コイツもお前に助けを求めてるみたいだぜ!」

 

「誰しも求めた結果が手に入る訳じゃねぇよ。いまのお前みたいにな」

 

「な・・・マジかよ。コイツ」

 

 

警戒が緩んだ

 

そう感じた瞬間に犯人のナイフに光の縄みたいなのが幾重にも絡まり取り囲んでいた保護隊の皆で犯人を取り押さえた

 

これで犯人も捕らえキャロも無傷で取り返す事が出来た・・・だけどキャロはそれから簡易テントに引き篭もった




主人公は高校生くらいの思考力で考えれる説得で敵に挑みます

なので正直、いやいや相手も色々覚悟してんだしその説得で如何にかなる訳ねぇだろと言う話が持ち上がりますが・・・まぁ追々と説明するつもりです

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