前回のあらすじ
脱出成功→二人してびしょ濡れ→取り合えず操主権を渡す→逃走前に捕獲→そのまま家に持ち帰る
持ち帰ったイクスを風呂に放り込んでキャロの使っていた寝巻きを着せる
そして暫く目を放していると、ベランダに気分で置いてあった椅子に座って空を眺めていた
哀愁漂う
「今の世の空はこんなにも綺麗なのですね」
「気に入った？」
「はい、とても」
さて、俺は報告書を作らないといけない訳だけど。なんとも微妙な体験をしてしまったからなー
全部マリアージュに罪を擦り付けて終わりにするか
あれだけ爆破したんだし奥に行くのも、もうかなり困難になってるだろう・・・それに危険物は有ったが、刺激を与えなければ安全なモノって報告しておけば調査隊も恐らく出ないな
問題はヒューズだ、恐らくアイツは何か最初から知っていたはず・・・はぁーエリシアに頼んで如何にかしてもらうのが一番早いか
「そろそろ冷えるぞ」
「まだ、駄目ですか？」
「別に今日しか見られない訳でも無いだろうが」
「・・・そうですね」
部屋はキャロの部屋を使ってもらう事にした
流石に同じ部屋と言うのも難だろうしな
「おやすみ」
「・・・。」
夜中に突然目覚ましとは違うセンサー音で起こされた
深夜か
・・・間違い無く何時もは寝ている時間だな
「はぁ～」
予想はしていたが、起こされると言うのは腹が立つ
俺は自分の部屋を出てすぐに玄関に向かう
そして靴を慣れない仕草で履こうとする幼女を発見する
「何処に行く」
「ッ」
「だから・・・まぁ良い。来い」
「あの！私は！」
どうせコイツは逃げようとすると思ったのでキャロの部屋に少し仕掛けさせてもらった
しかし近所迷惑と言う言葉と安眠妨害と言う言葉をジックリ教えよう
・・・明日に・・・あー眠い
「今日は俺と一緒に寝ろ」
「え？ え？」
「まぁお前も早く何処かに行きたいのは分かるが、何事にも順番があるんだよ・・・そう順番が」
有無を言わさず自室に連れ込みベットに放る
多少乱暴な扱いや、パジャマじゃないのは、自分が起こした行動の結果と言う事で大きく目を瞑ってもらおう
・・・眠いから物理的にも目を閉じてくれると有り難いが
「今度こそ、おやすみ」
「・・・おやすみなさいです」
◇◇◇◇◇◇
「うっし！準備完了！」
局服を着込み仕事に行く支度を終える
「あの操主様」
「操主はもうお前だ」
「・・・名前を忘れました」
・・・やたら操主と呼ぶと思ったらそれが理由かよ
「雨水秋春。まぁ一回しか言ってないし、あんな状況なら忘れて仕方ないが・・・で、なに？」
「では秋春様」
「ちょっと待て」
「ん？」
秋春までは良いが様はいらんだろう
幼女に様付けで呼ばせているみたいな人に見えるじゃないか
「様はいらん」
「そうですか、では秋春様」
「おい」
「どうか？」
どうか？ じゃねぇよ
「何故に様を付ける」
「なんとなくです」
「なんとくなくか」
「はい」
もう良いや、誰かに突っ込まれたら生まれた地方の風習で年上には様付けするんですよーとか言っておこう
「あの」
「あ？ あー質問しようとしてたね」
「はい。昨夜私が使った部屋は秋春様のお子様のですか？」
お子様ねー、子供が居る年に見えるのかな？ ・・・いやイクスは昔の人だし結婚年齢も早かったのか？ んー価値観が違うと考えが読み辛いな
「いや、あの部屋は旅仲間の部屋でね。質問がそれだけなら出掛けるぞ」
「何処へですか？」
「俺の仕事場。一応お前を連れていかないといけないから、それに留守番させておいて帰ってきたら居ないとか有りそうだし」
脱走癖には困ったモノだ
長い間、棺の中に居るとそうなるのか？
続々投稿