召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

69 / 414
六十八話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

六課到着→六課でも人手不足なんだなと感じつつ訓練場へ→ティアナ生徒とスバル生徒が高町一尉と模擬戦をしていた→だが如何にも流れと言うか雰囲気が可笑しいので少しお灸を据える作戦を立てながら行動する

 

そして全体が見渡せるビルの上に立つ、よく見ると向かいのビルでアワアワと六課メンバーらしき人達が慌てている

 

 

「これじゃあ、訓練の意味・・・無いよね?」

 

 

予想通り高町一尉が良い具合に気分向上中

 

 

「さて、予想通りだね」

 

「せん、せい・・・ほんとうにやる、んですよね?」

 

 

対高町一尉用に魔法を組んだ結果、実力以上の魔法でデバイス使用でもかなり辛そうにしている

 

それにしても高町一尉はデバイスを解いて魔法を素手で受け止めるなんて相当無謀な事を・・・

 

 

「やるしかないさ。ちょっと高町一尉の教導は新人にはハードルが高いからね」

 

 

俺としてもティアナ生徒みたいな才能溢れる子を失いたくはない

 

当然あの高町一尉の事だから、高町一尉なりにキチンとした理由があるんでしょう

 

それは分かっている。分かってるけど、やっぱり感情任せの教導は見過ごせないよな

 

 

「で、は、いきます」

 

「おう」

 

 

まずこのホログラム訓練所のシステムの一部に干渉し此方の声を全体に聞こえるように設定する

 

ボイス拡張くらいのシステム乗っ取りくらいならエリシアの持っていた端末内ソフトで如何にか出来た

 

流石査察官見習い

 

 

「あーあー! 久しぶりですね、高町一尉! 失礼ですがその教導、それ以上はオーバーキルで意味の無い行為ですので、今すぐ終了をお願いします!」

 

 

ビクッと驚いた高町一尉だったがすぐに此方を見つける

 

凄いな、一体どうやってこの位置を特定したのか

 

声は全体から聞こえる様にキチンと設定してあったのに・・・自分の姿が見える場所を一度に全箇所、確認したとかじゃないよね?

 

 

「・・・意味はあるよ」

 

「へぇどんなですか?」

 

「模擬戦は喧嘩じゃない、模擬戦は日頃の訓練の成果を見せる場所・・・なのに」

 

「それは分かりますがオーバーキルをする理由にはなりませんよ。止めないのなら・・・」

 

「・・・なら?」

 

 

うわーこれ相当頭にキテるな

 

ティアナ生徒達は何をやらかしたんだ?

 

何時も温厚な人が怒ると怖いって言うけど本当だね、アレは・・・フェイトさん辺りが怒ったらどれだけ凄いのか想像も付かない

 

 

「実力行使で高町一尉を止めますよ」

 

「・・・。」

 

 

言葉は無用って感じですか? 言葉では無く行動で教えるタイプでしたね

 

でも、気絶のさせ方としては満点

 

スバル生徒のウィングロードの上だし、何より純粋な魔力ダメージのみ

 

 

「三秒。数えます、それまでに武装を解いて下さい・・・三」

 

「・・・。」

 

 

速ッ! フェイトさんには及ばないけどこの人も移動系の魔法が使えたのか

 

固定砲台と勘違いしていた

 

 

「二!」

 

「ディバイン」

 

「一!」

 

 

砲撃型の高町一尉は多少なりチャージの時間が必要!

 

 

「まったく、貴方の生徒想いには尊敬しか有りませんよ」

 

「なのは!!」

 

 

音もなく空中でバリアジャケットが解けて落下し始める高町一尉

 

当然ながら仕掛けのある攻撃。しかし俺に集中を向けすぎた結果、見抜けなかった

 

ビルから魔力糸が編まれてネットが出来上がる

 

 

「ありゃ?」

 

 

空中でフェイトさんがお姫様抱っこをしていた

 

 

「あのビルから此処まで一瞬で移動なんて流石スピード系」

 

「はぁぁ・・・せんせい・・・感心してる、場合じゃないです」

 

「え? あー」

 

 

目の前にはハンマーを持った子と剣を持ったシグナム・・・騎士だったけ? がアームドデバイスを構えている

 

向こう目線では俺らは不審者か

 

 

「じゃ、俺ら見学に来ただけなんで」

 

「私も同じくです」

 

「おい! 待て! 突然現れてテメェ何もんだ! なのはに何しやがった!」

 

「えーっと子供の前でちょっとやり過ぎかなぁ~とか思ったんで少し強制的に待ったを」

 

「っざけんなッ!」

 

 

この赤いバリアジャケットのハンマーの子は、今にも襲い掛かってきそうだ

 

さて一体どうやってこの危機を乗り越えるか、単純に話し合いで終われば良いが・・・実行犯はエリシアだ!

 

・・・駄目か




次回はエリシアの魔法のタネ明かし

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。