召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

73 / 414
七十二話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

仕事帰りの図書館→目線の関係上ぶつかる→融合騎→珍しいので好奇心に負けて主を見てみる事にした

 

 

「でさー旦那がさー。ちゃんと栄養あるもん食べろって言ってんのにこれがなー」

 

「はぁ、それはまぁご苦労で」

 

「ルールーも結構テキトウだかんな」

 

 

喫茶店でケーキを注文する事、既に二皿目に突入する頃には、完全に愚痴モードに入りやがったベルカの融合騎さん

 

 

「そりゃあたしはロードの健康管理の為にそう言った知識は一通り持ち合わせてるけどさー」

 

「料理とか出来んのか? そのサイズで」

 

「そんくらいならな」

 

 

それは実際この目で見てみたいモノだけど

 

それにしても融合騎にはそんな機能もあるのか

 

だとしたらユニゾンシステム以外にも役に立つのがあるのかもな

 

 

「しっかしうめぇな」

 

「何処に消えていっているんだ」

 

 

三皿目

 

見た目は同じサイズのケーキが運ばれてくるのにそれを二つも平らげ、現在に至っては三つ目だ

 

 

「甘いもんは別腹だ!」

 

「別空間に腹とか隠してないよな?」

 

「どういう意味だコラ」

 

 

そのままです

 

 

「ところで純正って事は随分と前から生きてるみたいだが、イクスヴェリアって名前に心当たりはあるか?」

 

「ん? イクス? 何か・・・んあー如何だろうな、あたし昔の事はあんまし覚えてねぇから」

 

「三歩あるいたら忘れるとか?」

 

「そこまで酷くねぇよっ!」

 

 

ある程度は酷いのか

 

記憶能力は常人と同じの可能性有り。って事は二、三十年が記憶の限界かな

 

でも融合騎としての知識は問題無く保護されてる

 

 

「ってかあんたもよくあたしが融合騎だって分かったよな、珍しいんだろ?」

 

「まぁな、最初は誰かが人形を魔法で動かしているのかと思った」

 

「ふぅん・・・あんたも誰かのロードなのかと思っちまった」

 

「それは無い」

 

 

基本中の基本の魔法をようやく取得した俺が融合騎なんて持っていても使いようが無い

 

それならイクスに適合するか確かめたがよっぽど戦力になる

 

 

「ガウッ!」

 

「あれ? 秋春様?」

 

「おっ、やっぱ待ってた方が早かった」

 

「あんた子持ちだったのかっ」

 

「・・・まぁ、な」

 

 

態々初対面に説明するのも面倒だしそれで良いか

 

 

「・・・融合騎」

 

「なんであたし睨まれてんだ?」

 

「さぁ? イクスもケーキ好きなんじゃね?」

 

「あーなるほどな」

 

 

納得して良いのか?

 

 

「ほら、イクスもそんなに食べたいなら一つだけだぞ。このあと夕食だし」

 

「いえ、私は別に」

 

「今なら父親自ら食べさせてあげるオプション付きだぜ?」

 

「ッ、食べます! 食べさせて下さい! お店の全てのケーキだって食べきれる自信が有ります!」

 

 

お前も欲求に素直だな

 

 

「それは本当に見てみたいが、お財布事情的に止めてくれ」

 

 

そしてシロ。地味に俺のズボンの裾を噛んで引っ張るのを止めてくれ・・・お前にもちゃんとやるからよ

 

 

「しっかしあたしの方はまだかねー」

 

「確かに遅いな、イクス、口元」

 

「あっ・・・有難う御座います」

 

 

ペット用のケーキまであるとは最近の喫茶店が進歩したのか此処が特別なのか

 

 

「いま思えば、お前浮いてるんだし、ある程度の高さまで上がれば見えるんじゃね?」

 

「・・・それもそうだった」

 

 

別に飛び回る訳じゃないから飛行許可を取る必要も無いし

 

 

「ん~~~、あ!居たっ! おーい! ルールー! ルーールーー!! 駄目だ、全然聞こえてねぇ」

 

「なら行ってやれ」

 

「分かった、ありがとな! ケーキ美味しかった! 今度はルールーや旦那と一緒に会おうなっ!」

 

 

ルールーと旦那・・・よくよく考えればどっちがロードなんだ?

 

それよりケーキ八皿

 

・・・あと一つでケーキ全種コンプリートだったのに残念だったな




紫の召喚士は少しお預けで

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。