召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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八十五話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

生き埋めになり掛ける→助かる為の魔法は失敗したが別の意味で成功→敵と間違われ攻撃され気絶→起きたら何処かの病院か局施設か

 

怪我は幸いにして大した事も無く、心配して一時間に一回は電子メールを送ってくれるイクスには少し申し訳ない気分になった

 

・・・心配し過ぎだ

 

 

「ま、家族を失くしたくないってのは分かるんだけどね」

 

 

しかし此処は如何やら聖王教会系列の病院の可能性が高い

 

庭や調度品のデザインが古代ベルカ風だった

 

 

「聖王医療院があったか・・・にしても、イクスの事バレたか?」

 

 

可能性としては考えておくべきだろうけど、何で局施設の病院の方に送らなかったのか・・・位置的にはもっと近い所もあっただろう

 

考えても仕方ないので休める分は休むけど

 

大体あとで聞けば良いからな

 

 

「綺麗な庭だな、静かだし・・・静か静か」

 

 

病院ってこんなに静かだっけ?

 

騒がしい場所ではないだろうけど、此処まで無音状態でもないはず

 

怪我人が居なくて人が居ないのか?

 

それはそれで良い事なのだろうから気にしない方が良いか

 

 

「んーでも話し相手くらいは欲しかったな~」

 

 

と思っていると運命的な出会いがあったりする

 

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・えー、こんにちわ?」

 

「ん?」

 

 

幼女か

 

何だか最近女の子に出会う率が上がってきているな

 

別に望んでは無いよ?

 

あーでも如何だろうな、男として可愛い女の子と会いたいってのは望んでるって言えば望んでるよなー

 

 

「キミも一人で散歩?」

 

「ママがいないの」

 

「迷子か・・・迷子ねー」

 

 

探しているような声は聞こえない

 

これだけ静かって事はこの子の親はこの近くには居ないな

 

 

「ま、なら気長に迎えを待とうぜ。俺も暇だから話相手が欲しくてね」

 

「・・・うん」

 

 

とは言っても、この世代の子と合わせる話題なんて持ち合わせが無いんだけどね

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「ほぉーそうなの」

 

「うん! で、ボカーンてガキーンて」

 

 

おいおいおいおい

 

最近の子供は何でこう物騒なんだ? 話がさっきから怪しいぞ?

 

 

「へぇ、で、お前はその知り合い? が好きだったんだ」

 

「すき? んーすきっ! かな?」

 

 

どっちやねん

 

如何にもこの幼女の話は物騒な話だ

 

だけどコイツの周りが優しい奴らだったってのは伝わってくる

 

 

「年の近い友達とかはいたのか?」

 

「・・・。」

 

 

禁句ワードだった?

 

 

「いや、話を変え」

 

「いたの」

 

「あ? あーそう、そうなの。良かったぁー」

 

 

ん? いた? 過去形? ・・・やっぱ禁止ワードじゃねぇか

 

 

「いっぱいじゃないけど」

 

「そっか」

 

「うん」

 

 

それにしても結構話してるけど大丈夫なんだろうか

 

 

「そう言えば今更だろうけど名前聞いてなかったね」

 

「ヴィヴィオ」

 

「雨水秋春」

 

 

ヴィヴィオね、両目の色が違うからすぐに覚えそうだな

 

 

「ん? 両目!?」

 

「ちかいよぉ」

 

「ああ、悪い」

 

 

右目が翡翠で左目が紅玉のオッドアイの女の子

 

そして聖王教会にいる

 

幼い年齢にしては明らかに可笑しい記憶。ああ、ヒントは十分だ・・・なんで気付かなかったんだよ、俺

 

観察眼

 

人造生命体 聖王ヴィヴィオ  

 

コイツは聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトのクローン体だ




やはりこの男。幼女とのエンカウント率がパネェ

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