前回のあらすじ
暇だったから散歩→都合よく幼女とバッタリ→話し込む→不思議な幼女→とある事に気付き観察眼を使う→まさかの王様と判明
イクスに続きなんでこう・・・王様が幼女なのか
しかも今回は聖王殿下とベルカを知ってるなら、必ず知ってるくらいの有名な王様
「あき?」
「秋? ああ、まぁうん。ちょっとね」
「あきー」
「どした」
座って話していたのだが、突然立ち上がってくるくると回ってタックルをかましやがった
「ぐはっ」
腹痛い
小さいからって舐めんなよ? 小さいからこそピンポイントな攻撃だ
「な、なんの嫌がらせ」
「あきっ! わたしヴィヴィオ!」
「知ってる」
「ヴィ・ヴィ・オ!」
呼べと? 呼べば良いのか?
「ヴィヴィオ」
「あき!」
冷静に考えたらコイツは俺の名前をちゃんと言ってねぇじゃねぇか
なんて理不尽
「あきパパ!」
「おい、それは止めろ」
イクスとヴィヴィオがどんな関係かまだ分からないけど、現状維持を望むイクスがこれを聞いたら何かやばい
「だめ?」
「駄目だ、素直にあきに戻れ」
「は~い」
おお、素直だ
嫌と言われた時の事も考えてたのに・・・これが本当の子供の素直さってやつか
なんか泣ける
そして名前を言い合ったあとは妙に懐かれた
◇◇◇◇◇◇
病院内が静かな原因がようやく分かった
どうも避難と封鎖の勧告が出されていたらしい
勧告を知った理由は、恐らく原因のヴィヴィオを捕まえにきた高町一尉と遭遇した事で分かった
「イヤーーーー!」
「如何しましょう?」
「連れて行けば良いのでは?」
「貴方が言いますか、雨水さん」
高町一尉は、発見したヴィヴィオをすぐに保護する為、捕まえようとしたのだがヴィヴィオは俺に抱きついて一向に離れようとしない
それどころか、高町一尉が引っ張ろうと手を伸ばす度に泣き叫ぶ
エースオブエースの弱点発見か?
子供にも容赦ない人だと思ってたけど、民間人の子供には弱いのかな
「まぁまぁこの際、仕方無いですし一緒に行きますよ。何処に行くんですか?」
「六課」
「ヴィヴィオ! 俺達は屈しないと表明しよう!」
「ん? ・・・うん!」
ヴィヴィオも意味は分からないが、付いていかないと言う意志は伝わったらしい
だいたい六課に行くと毎回碌な目にあってない
「ちょっ雨水さん?!」
「ヴィヴィオ、確かお前の当初の目的は母親探しだったよな」
「うん」
「なら取り合えず一旦家に戻るか、この辺には居ないようだし」
「わかった」
「分かっちゃ駄目~!」
高町一尉には悪いけど六課行きは次回にさせてもらう
普通に考えて聖王なんてトンでも人物を六課に入れたら絶対何か起こるよなー
正直メンドイ
「では、時間も結構経ちましたし、冷えてきたんで俺ら帰りますね」
退院自体は俺もヴィヴィオも問題なさそうだしね
別に異常は無かったし・・・異常を見付けるだけなら本局の精密検査より観察眼の方がよっぽど優秀
「ストップ、ストップ! えと、それは駄目だって! ・・・多分」
「ところでヴィヴィオは好きな食べ物とかある?」
「はんばーぐ?」
「じゃ、それに決定ね。シロとイクスに今日帰るって連絡入れないと」
「無視?!」
高町一尉は案外押しに弱い
完全に混乱してるみたいだし・・・これで八神二佐とかだったら、こうもいかなかったんだろうな
よくよく考えればこれはお持ち帰り