前回のあらすじ
シロと三分クッキングに挑戦→見事四十秒前後で完成→完全にやらせではあったが→ヴィヴィオが急いで食べたせいで喉に詰まらせる→そして俺に向かって突進→シロが問題解決→風呂に入って就寝
・・・母親の話は如何したヴィヴィオ
それはともかくプロジェクトFの資料探しに、久しぶりに諜報部に顔を出す事にした
「うーっす」
「・・・ゃんが」
ヒューズが何かブツブツと言いながら妙な表情でデスクに向かっていた
手元は凄い速さで動いている
えらく真剣だな
「如何した? また徹夜でもしたのか」
「・・・シアちゃんが」
「あん?」
「エリシアちゃんがッ!」
「うわっ!」
突然叫ぶと頭を抱え悶えはじめる・・・何事
画面を見てみるとエリオの資料が映っている。と同時に小さな画面にエリシアとエリオが仲良く街頭を歩いてる姿が映っていた
ああ、あの時の休みの日。エリオはこんな事をしていたのか
「ん? 雨水・・・雨水!」
集中していたのか如何やら、たったいま俺の存在に気付いたらしい
「ど、どした」
「エリオ・モンディアルについては知ってるよな。親しかったよな。魔法も教えてたよな」
「知ってるし、親しいし、教えてたよ。ってかフェイトさんのファンのお前なら知ってるだろうが」
すっかり忘れていたが、確かコイツは名前が出始めていた、エースの時の頃からのフェイトさんのファンだったはず
「聞いてくれ」
「何を」
「エリシアちゃんがこの間、デートに行くと言って出かけたんだ」
「お年頃だね・・・で?」
「気になってあとを付けた」
・・・それは親でも駄目だと思うがな
全く親馬鹿と言うより子離れが出来ないだけか
「大丈夫だ。全て、こうやって付近の監視カメラをジャックして見てたからバレてはない」
「余計最悪だな、一応犯罪だろ」
「都合良くその付近に不審者が現れたそうで捜索願いが出ていた」
だから監視カメラのジャックも合法化出来るって?
・・・どうせお前が捜索願いを作ったんだろうが
用意周到と言うか、手の込んだと言うか
「あー」
「ともかく、そんな事は如何でも良い。エリオ・モンディアルが良い子だと言うのは認める・・・ああ、認めよう」
だろうな
あの年であれだけ確りしていて、職も安定してるんだからかなり良い男だろう
「だがな! 可愛いエリシアちゃんに相応しいとは思えない!!」
「・・・どんな奴だったらエリシアに相応しいんだよ」
むしろな
「・・・エ、エリシアちゃんを幸せに出来る?」
「それならエリオは安心だな」
「うがぁぁぁああ!!」
エリシアとエリオねー
まぁお似合いなんじゃない? 年はエリシアが少し上だったか
「って言うかお前。仕事は如何したんだ? エリオが遊びに行ったのは三日前くらいだったろ」
「仕事? そんなモン、俺以外の諜報部の奴に押し付けたに決まってんだろ」
「・・・おい」
まさかな
まさかとは思うが・・・ああーやっぱり俺にまで妙な仕事が入ってる
「駄目だコイツ」
「エリシアちゃんの一大事に仕事なんてやってられるか」
「・・・そのエリシアに告げ口しておく。お前の父親が仕事をサボってるってな」
「やめっ!」
知るか
適当に怒られて嫌われておけば良いんだよ、バカヤロー
俺もさっさとプロジェクトFの資料を確認して仕事に取り掛かるか・・・ああ、仕事と言えば結局レリックの鑑定できなかったな
誰もが知らぬ間にエリオがエリシアフラグを立てていました