召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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九十一話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

ナカジマ三佐に会う→ヒューズの代わりに仕事を・・・→大まかに済ませて帰る→エリシアと遭遇→家に誘う→図書館にイクス達を迎えに→ユーノ司書長と一緒の所を発見→無限書庫は相変わらず魔窟化を進めるらしい

 

イクスの日課。それはもう当たり前と化している食後に夜空を眺めること

 

俺の家に来てイクスが夜空を見なかった日はなかったと思う

 

 

「んあー? ヴィヴィオが追加されてる」

 

 

と言うか、何か話してるみたいだな

 

女の子同士の会話を盗み聞きする趣味は無いから聞こうとは思わないけどね

 

と言いたいところだけど仮にも王様同士? な訳だし気になる

 

 

「わんっ! 野生の勘が告げている」

 

「何事」

 

 

チッ邪魔されたか

 

 

「ってテレビで言ってたー」

 

 

・・・ん、あ、そうですか

 

 

「秋春様」

 

「あき!」

 

 

野生の勘ね、シロが偶然見たんだからテレビの野生の勘も何か言いたい事があったのかも知れない

 

ま、冥王と聖王が揃ってる時点で・・・ねー

 

そして忘れかけているがシロは魔狼の長の娘だ

 

 

「如何しました? 秋春様・・・ボーっと・・・熱でもあるのですか?」

 

 

俺に熱があると思って手を伸ばしている

 

額に手を当ててみたいんだろうなー・・・身長的に無理だろうけど

 

 

「うんっと、うんっと」

 

「何やってるの? イクス、こう?」

 

 

大人モードのシロが俺の額を押す

 

 

「・・・空気読め」

 

 

・・・イクスはかなり自分がしたかったのか落ち込み方が凄い

 

シロはその辺を分かってないようだが、イクスの落ち込みを見て判断し、子犬モードに戻った

 

恐らくこの後は何を言っても鳴き声で対応して逃げる気だな

 

 

「私が・・・」

 

「まぁまぁ熱じゃないから安心しろって」

 

「私が・・・」

 

 

あー復帰まではまだ掛かりそうだなー

 

 

「ヴィヴィオ、シロ。イクスが復帰するまで、まだ掛かりそうだから風呂でも入っておくか」

 

「うん!」

 

 

シロも子犬モードなら一緒に入っても問題無いか

 

ただ毛を拭いてない状態で彼方此方歩き回らせないようにしないとな

 

 

「シロの馬鹿ぁぁあああ!」

 

 

あ、キレた

 

白い物体がヴィヴィオに直撃してヴィヴィオが立っていた場所にイクスが割り込む

 

 

「はぁ、はぁ・・・秋春様と一緒にお風呂に入るのは娘の私です! お背中を流す役目も誰にも渡しません!」

 

「・・・なぁ・・・ヴィヴィオ、気絶してない?」

 

 

目を回しているヴィヴィオとシロ

 

魔力での身体強化を使ったのかな・・・凄い勢いで飛んできたし

 

シロは自業自得にしてもヴィヴィオが哀れ過ぎる

 

 

「聖王には聖王の鎧と言うのがあってですね・・・ともかく丈夫なんです」

 

「説明がとても省かれた上に最終的にテキトウじゃねぇか」

 

 

いやぁとてもそんなレアスキルが発動していたようには見えなかったけど

 

 

「十数分もすれば起きますよ」

 

「・・・ま、いっか」

 

 

落ちてたクッションに倒れたから怪我は無いみたいだし、ソファーにでも寝転がしておくか

 

風呂は大人モードのシロがヴィヴィオを入れるって事で解決だな

 

 

「あ、ところで本当に体調は大丈夫なんですよね?」

 

「大丈夫。イクスこそ最近気分悪くなったりしてない? 一応正当な手順を踏んだ起動だったとしてもベルカ系の異常となると治療が難しいから」

 

「はい、私は何の問題も有りません。秋春様のおかげです・・・感謝しています」

 

 

大した事はしてないんだけど

 

健康第一!何するにも大切だよね~




子供っぽい一面のイクス

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