まったく!
雨水さんは久しぶりに会ったと言うのに、それほど何も思ってないみたいです!
はぁーわたしがどれだけ楽しみにしていたか、なんて分かってくれないですよね
わざわざなのはさんに代わってもらった意味が無いじゃないですか
「キャロ~、ヴィヴィオの洋服選び手伝ってー」
「あ、はい!」
んー・・・でもなんでしょうね?
これはこれで有りな気がしてきました
夫婦みたいです
「あき、これも!」
「はいはい」
さっそく行ってみると、ヴィヴィオちゃんと雨水さんが楽しそうに洋服を選んでいる
「おお、キャロ。そう言えば保護って話だったけど何日くらいになるか分かるか?」
「え? いえ、分かりません」
本来なら数日程度・・・だけど八神二佐の様子は、そんな軽い感じのじゃなかったから・・・もしかしたら長期なのかも知れない
雨水さんが何か重要な事を隠してるような気がするんだけど
「んーだったら、買い物には行かないとな」
「そうなんですか?」
「うん、そもそも今までヴィヴィオの服はお前ら二人の使い回しだしな」
道理でサイズが合ってないなーと思いました
いま着ているのはイクスちゃんのかな? 見覚えないですから
「使い回しって」
女の子のオシャレ心とか分かってないんでしょうね
まぁヴィヴィオちゃんの場合は急でしたから仕方無いとも言えないのかな?
「ん? 如何した? キャロ・・・そうそう使い回しで思ったけどやっぱりキャロも成長してるよね」
「ホントですか?!」
それは望み有りと考えても良いんですよね!
「ホントホント、エリオ程は早くないけどね」
「エ、エリオ君」
やっぱり・・・この間、教導終わりにエリオ君と話してたけど何時の間にかに結構差が付いちゃってたもん
「ま、女の子は小さい方が良いんだろうけどね」
「・・・それは雨水さんが言うと・・・イクスとかヴィヴィオちゃんとか」
「キャロ、怒るよ?」
「ごめんなさい」
笑顔の雨水さんが滅茶苦茶怖かったです
◇◇◇◇◇◇
準備も終わり六課に行く事になりましたけど、まずは足りない物を買う為に近くのショッピングモールに来ている
ちなみに歩く順は
シロ→わたし→イクスちゃん←雨水さん←ヴィヴィオちゃん
って感じです
正確にはイクスちゃんは、雨水さんの手を握ってずっとにこにこしているのでわたしの手は見えないようですけどね
「雨水さん、わたしはちょっとヴィヴィオちゃんを連れてあっちを見てきますね」
「ん、分かった。ほら、ヴィヴィオ、キャロの方に」
「うん!」
トテトテと歩くヴィヴィオちゃんは可愛いと思う・・・けどやっぱり普通の子供にしか見えず、わざわざ六課で保護する理由が分からない
「ではルシエさん、私は秋春様とあちらのベンチで待っていますので」
にこにこするイクスちゃんはとても良い笑顔なんだけど・・・なんだろう、とても父親に対する娘にしては度を越してるような
んーわたしも正しい家族を知っている訳では無いですから気のせいだと思いますけどね
「あ、分かった。シロは如何する?」
「んー・・・久しぶりだからキャロの方に行こっかなっ!」
「分かった」
さて、軍資金は雨水さんから頂いている事ですし。じっくり時間が許される限り選びましょうか
ヴィヴィオが聖王のクローンと知っているのは今のところ極少数の設定です