前回のあらすじ
再び六課行き決定→準備→足りない物を購入→ヴィヴィオの服はシロとキャロに任せて俺はイクスとゆっくり待つ事に
女の子の買い物は長いって言うからね
「あーイクスも行ってきて良かったんだぞ?」
「大丈夫です、私は秋春様の隣が良いですから」
なんだろうな、思ったより暇だな
待つのは良いとして俺も何かする事ないか?
「暇だなぁ」
「そうですか?」
「イクスはヴィヴィオのこと如何思ってる?」
余りにも暇なので雑談でも
イクスは一体どの程度ヴィヴィオの事を好きなのか・・・表面を繕うのは王であるイクスの得意分野って言えば得意分野だしね
「どう、とはまた答えずらいです」
「やっぱり昔の事が?」
「はい、ヴィヴィオがオリヴィエでは無いと言うのは分かってはいるのですが・・・それでも面影があるので思い出してしまうと言うのが正直なところで」
「オリヴィエね。有名だよね・・・ベルカの王様では」
オリヴィエなんて宗教としての象徴とまでされてるんだもんねー
「オリヴィエは数ある王の中でも魔法においても武技においても才覚を示し正しく王らしい王でした・・・上から見るだけの私とは大違いですね」
「明らかに持てない量の罪を抱えて頑張ってた、お前も俺は十分王様だったと思うよ」
「・・・ふにゃ」
返事は確りしてくれ
「さて、暗い話をしてしまったが」
「構いません、秋春様ならどんな悲しい話でもきっと笑顔にさせてくれると信じてますから」
「いやな期待をするな」
「ん?」
あー、もうっ!
そこで首を傾げる意味は分からないけど可愛いな
「暇だし、俺らも何か見て回るか」
「分かりました」
「イクスは何か欲しい物とかあるか?」
「お父様」
・・・ゴスッと鈍い音がする
「秋春様?!」
「イクス、それはどんな要求だ」
「私は、いまある物で満足ですと言いたかったのですが」
イクスなりの気の利いた言い回しだったようだが心臓に悪い・・・ってか打った頭が痛い
◇◇◇◇◇◇
「遅い」
「確かに遅いですね」
俺とイクスが適当に店を見回って三時間
幾ら何でも六課に行く予定のあるはずなのだから遅すぎる
「端末にも通じないし」
買い物中だから電源切ってるのか?
「秋春様・・・あの方」
「んあ?」
あれは・・・フェイトさん?
なんで此処に
「見付けたッ!」
え? 俺?
フェイトさんは何時に無く真剣な表情をしていて、俺を見つけた途端に走って近づいてきた
「時空管理局執務官フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです! 雨水秋春三等陸士、貴方の所で一時保護をしていた幼児が誘拐されたおそれが有ります。ご同行願えますね?」
「・・・はい?」
「ご協力有難う御座います!」
え?
一時保護していた幼児・・・ヴィヴィオの事だろうけど・・・キャロとシロは如何したんだろうか
あの二人が居て誘拐されるなんて、相手はそれなりの魔導師って事になるのかな
最初からヴィヴィオを誘拐する気じゃないと準備も無しに相手出来るほどキャロとシロは弱くない
雲行きが怪しくなってきた
そろそろ進展です