世界の天秤~侯爵家の三男、なぜか侯爵令嬢に転生する 作:梅杉
■主要人物■
◇リナーリア・ジャローシス(17)
10歳の時、王子の従者(男)だった前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢。
実は竜の血が混じっているので竜関連アイテムとは相性が良く、昔遺跡で拾った流星の鱗から知らないうちに魔力を吸収していた。
色々疑問が解消されてスッキリした一方で新たな問題も持ち上がっているが、王子が一番大事なのは一貫しているので本人は意外とぶれていない。
水系魔術師あるあるで、かなりの寒がり。冬は毛糸のパンツや靴下が欠かせない。
以前はメイド長が編んで母が名前を刺繍したものを使っていたが、今はコーネルが編んだものを愛用。厚手で温かく、転んでも安心な高い防御力を誇る一品。
◇リナライト・ジャローシス(享年20)
侯爵家の三男で、リナーリアの前世。王子エスメラルドの従者。絵に描いたような堅物眼鏡なので同級生などからは煙たがられやすかった。
寒いのが苦手な彼のため、王妃は毎年毛糸のパンツ(王子とおそろい)を編んでくれていた。それを見てからかってきた同級生のパンツを燃やしかけた事がある。
◇エスメラルド・ファイ・ヘリオドール(17)
淡い色の金髪に翠の瞳。現ヘリオドール国王の唯一の子で、第一王位継承者。
ついに告白を決意したが、邪魔した上に大きな障害と化した竜人の事を密かに恨んでいる。しかしそれはそれとして和解を目指す人格者。
実は前世の自分が最大のライバルなのかもしれないと知って複雑。
とりあえずピーマン嫌いを克服したいとピーマン料理をリクエストしたら、感激した料理人がはりきってピーマンのフルコースを作ってきて真っ青になった。
わりと暑がりで寒さには強い、というより鈍い。滅多に風邪を引かない。
◇スピネル・ブーランジェ(19)
派手な赤毛に鋼色の瞳。ブーランジェ公爵家の四男で今世での王子の従者。
実はミーティオの生霊(?)が宿っているが、余計な干渉はするなと強く言い聞かせているのでめったに出て来ない。そのため普段は存在をほぼ忘れて生活している。
初めてミーティオの姿が見えた時は向こうがだいぶ年上だったのでおっさんと呼んでいるが、少しずつ外見年齢が近付いているので、そのうち自分の方がおっさんになるのかと思うと怖い。
どちらかというと寒い方が苦手だが、王妃から贈られた毛糸のパンツは丁重に辞退し妹に譲り渡した。
■ジャローシス侯爵家の人々■
◇アタカマス・ジャローシス
主人公の父でジャローシス侯爵。新興貴族の割には顔が広く、特に魔術師系貴族界隈では人望がある。
愛妻家で子供はのびのび育てる方針。家庭も円満で幸せだが、末娘のトラブル体質には泣いている。
◇ベルチェ・ジャローシス
主人公の母で、ジャローシス侯爵夫人。おっとりとした優しい母。
かつてミーティオが愛した女性によく似ているというが、性格はあまり似ていないらしい。
◇ラズライト・ジャローシス(23)
主人公の6歳上の長兄で嫡男。
妹がまた行方不明になった時は激しく動転して気を揉んだが、妻の支えもあってしっかり留守を守り、父からは褒められた。
◇サーフェナ・ジャローシス(23)
新妻。義妹の想像を超えるトラブルメーカーぶりに仰天したが、夫の方が卒倒しそうになってるのでしっかりするしかなかった。今後も色々な意味で鍛えられそうな気がしている。
◇コーネル(19)
リナーリア付きの使用人。リナーリアの2歳年上で、主人思いのメイド。
主人が誘拐された事が非常にショックで、帰ってきた時には「もうお嬢様から一生目を離さないようにしよう」と覚悟を決めてしまった。
◇ヴォルツ・ベルトラン(19)
ジャローシス侯爵家に仕える騎士。
彼に特に落ち度はなかったのだが、リナーリアの護衛として誘拐事件には強く責任を感じており、どんな罰でも受けると言ってジャローシス家の人々を困らせ、コーネルに叱られた。
コーネルの事はただの同僚と思っていたが、それをきっかけに内心でだいぶ見直したらしい。
◇スミソニアン
紅茶好きでジャローシス家(特にベルチェとリナーリア)に絶対の忠誠を捧げる執事長。
誘拐事件が解決するまでの間、カップを10個以上割ってしまった。主人は気にしなくて良いと言ってくれたが、かなり落ち込んでいる。
■王宮の人々■
◇カルセドニー・フォウル・ヘリオドール
ヘリオドール王国国王。兄フェルグソンの裏切りには大きなショックを受けているが、人前では毅然とした態度を崩さないようにしている。
兄は昔から横暴でわがままだったものの、幼い頃には病弱な自分を庇ってくれるような事もあったので、とても悲しい。
早く息子に玉座を譲り渡したい気持ちと、まだしばらくは若者らしい青春を送っていてほしい気持ちの間で悩んでいる。
◇サフィア・ヘリオドール
現国王の王妃。息子のエスメラルドと似た無表情気味の美女。
心労が多く体調を崩しがちな夫をよく支えている。
趣味の編み物が数少ない癒やし。身近な人々によく靴下や手袋などをプレゼントしている。
早く息子のお嫁さんに編み物を教えたいが、最有力候補はその手のことが壊滅的に下手と聞いて少し怖くなっている。
◇セナルモント・ゲルスドルフ(38)
探知と解析を得意とする王宮魔術師。古代神話王国マニア。
普段は奥の部屋で古代研究ばかりしているが、今回は弟子のお陰でずいぶん真面目に仕事をする羽目になった。
そのせいで正月休みが取れなかったので、家族への埋め合わせのため近々まとまった休暇を取る予定。
ついでに妻へ何かプレゼントでもしたいと思っているが、リナーリアからプレゼント選びを手伝いたいと申し出られていて、かなり不安がある。
実は結構暑がりで、夏にローブの下はパンツ一丁だった事があり、上司から激しく怒られた。
◇テノーレン
将来を期待されている若き王宮魔術師。戦闘や護衛がメイン。
秘宝事件の際はひそかに活躍し、評価を上げている。
空気が乾燥して火魔術を使いやすくなるので冬は好き。
◇レグランド・ブーランジェ
ブーランジェ公爵家次男。女たらしのイケメン近衛騎士。
弟のスピネルに対し、好き好んで貧乏くじを引いていると呆れていたが、近頃ではあいつはあれで良いんだろうなあと思うようになっている。
女性に対しては「僕寒がりなんだ」と言うが、男性に対しては「暑苦しいのは嫌いなんだ」と言い放つ男。
◇ペントランド
剣聖と呼ばれる剣の達人。エスメラルドとスピネルの剣の師匠であり、近衛騎士団の剣術顧問もしている。
エスメラルドがまた一段と腕を上げた事を喜んでいるが、後ろから飛んできた剣を掴み取ったという件に関しては「儂もそのくらいできますぞ」と大人げない発言をした。
◇アメシスト
筆頭魔術師として王宮魔術師団をまとめている老人。風魔術を中心に幅広い魔術に造詣が深い。
ペントランドとは同期で親友だが、自分の方が老けていて年上に見られる事を非常に苦々しく思っている。
ブロシャン公爵から息子のユークレースを頼むと言われているが、なかなかのわがまま小僧ぶりに少々手を焼いており、早く誰か適当な師匠を充てがいたい。
大変な酒豪だが、親友はほとんど酒が飲めないのが昔からとても残念。
◇スタナム
近衛騎士団長。元は伯爵家の出身で、リーダーシップと真面目で落ち着いた性格を買われ若くして出世した。
かなりのロマンチストで趣味は読書。英雄譚が好きだが恋物語も好き。
奥さんにプロポーズする際に有名な恋物語から台詞を引用したが、その事をからかわれると烈火の如く怒るらしい。
◇カーフォル
元はタルノウィッツ領の騎士だったが、禁術を使った人体実験に利用されていたところをリナーリアたちに助けられた。
その後は甥のアイキンと共に王都に移住。王宮の護衛兵に採用されたが、秘宝事件に巻き込まれてしまった。数ヶ月の減給となったが、命があっただけマシだと自分を慰めている。
意外と教養があり、小説好き。走れ○ロスがお気に入り。
事件後は趣味が合うと思ったらしいスタナムから親しげに声をかけられるようになり、恐縮している。
◇フェルグソン・ヘリオドール
現国王の兄。既に王位継承権は持っていない。騎士至上主義者。
クーデターを企み数年前から密かにその準備を進めていたが、焦って計画を早めようとし秘宝を盗んだ結果、全てが明るみに出て失敗。今は裁きを待つ身となっている。
息子に愛情が無い訳ではないが、自分が権力を取り戻すための駒として見ている側面が大きかった。
■魔術学院の人々■
◇フロライア・モリブデン(17)
モリブデン侯爵家の娘である貴族令嬢。主人公と同年でクラスメイト。
前世ではエスメラルドの婚約者だった謎多き美人。誰にでも別け隔てなく接するが、本当に親しい者はいない。
◇カーネリア・ブーランジェ(17)
ブーランジェ公爵家の末妹。
周囲にカップルが増えてきたため、自分もそろそろ恋人が欲しいと思い始めている。
ユークレースの事を若干意識し始めたが、一方で「旦那にしたら面倒くさそう」という非常に現実的な感想も抱いており、自分からどうこうする気は今の所ない。
暑いのも寒いのも苦手で、夏はすぐ薄着になりたがるが、冬はもこもこに丸くなっている。
◇スフェン・ゲータイト(18)
女騎士を目指しつつ劇作家も志す男装女子。
リナーリアの秘密を唯一知っており、友人としてその幸せを願っている。
自分自身は一生恋愛しないつもりだが、他人の恋路は素直に応援しており、自分のファンの女の子たちがあまり道を踏み外さないようさりげなく後押ししている。
綺麗好きで、「寒いのは我慢できるが汗は止められない」という理由で夏より冬が好き。
◇ヘルビン・ゲータイト(17)
主人公の同級生。スフェンの弟で、前世ではエスメラルドと親しかった。今世でもニッケルを通じて仲良くなっている。
最近知り合った下級生の女子をちょっといいなと思っているが、その事を早速姉に嗅ぎつけられたので恐れ慄いた。
◇ユークレース・ブロシャン(15)
ブロシャン公爵家の次男。主人公の2歳年下だが、飛び級で学院に入学してきた天才少年魔術師。
王都に来てから色々と学ぶ事が多く、充実した日々を送っている。特に魔術師修業が楽しい。
クラスの女子の一人から言い寄られていて、同級生男子から「あの子とカーネリア嬢どっちが本命なんだ」と尋ねられたが、「それより今はリナーリアに魔術で勝ちたい」と答えてそこら中の顰蹙を買った。しかし、そのおかげで少しだけ魔術師友達ができた。
◇ヴァレリー・ブロシャン(16)
ブロシャン公爵家の長女で、ユークレースの姉。学院でモテまくっているが、今の所全て上手にあしらっている。
リナーリア経由で知り合いになったミメットから「腹黒」と罵られ、笑顔で「引きこもり」と言い返してすったもんだの喧嘩になったが、その後ちょっと仲良くなったらしい。
◇ペタラ・サマルスキー(17)
リナーリアのクラスメイト。
読書好きで気弱な性格だが、恋人ができて少し積極的な性格になった。
カーネリアとユークレースの仲に興味津々だが、おせっかいを焼くのはぐっと我慢して見守っている。
◇アーゲン・パイロープ(17)
主人公の同級生でパイロープ公爵家の嫡男。黒髪に青い目の貴公子。
スポーツにハマったおかげで腹黒貴公子から爽やか貴公子にジョブチェンジした。しかしますます厄介で食えない性格になってきたと一部からは評されている。
◇ニッケル・ペクロラス(17)
クラスメイト。絵を描くのが特技。
見た目は冴えないが、その素朴な性格と、エスメラルドの友人である点、伯爵家の跡継ぎである事などから密かに女子人気が上昇している。本人は自分を理解してくれる女性と付き合いたいらしい。
外に写生に行くのが密かな趣味のため、暖かい季節の方が好き。
◇クリード(17)
クラスメイト。お調子者でクラスのムードメーカー的な存在。
ようやく彼女が出来たと思ったらあっという間に振られ、親友のスパーに泣きついた。
◇オットレ・ファイ・ヘリオドール(18)
王兄フェルグソンの息子で、エスメラルドの従兄弟。高い王位継承権を持っていた。
傲慢かつ僻みっぽい性格。
母は幼い頃に死んでおり、父からは王位を継げなかった恨みつらみを聞かされて育った。
秘宝事件の主犯の一人として、現在は指名手配中。
◇ミメット・コーリンガ(16)
主人公より1学年下。コーリンガ公爵の年の離れた妹で、前世では主人公の婚約者だった。
人見知りでツンデレ。
側近のレヴィナ以外で初めてできた友人であるリナーリアの事を内心では強く慕っているが、なかなか素直になれない。
どちらかというと寒がりだが、夏でも厚着しているのはただのファッションで本当はやせ我慢をしている。
■その他■
◇フランケ
フェルグソンの腹心で、元々は従者だった。
昔からフェルグソンの女癖の悪さには手を焼いていたが、「身籠らせてしまった令嬢を疎んじ、階段から突き落として殺した」という噂については強く否定していた。
妻子がいるが、クーデター計画については一切話していなかった。
◇ゲルマン
老いた王宮魔術師。結界魔術が得意で、本も出版している。
かつてはアメシストと筆頭魔術師の座を争っていたが敗北。その事について、「結界術よりも攻撃魔術が評価される世の中なのだ」と不満を漏らしていたらしい。
◇デーナ
オレラシア城に囚われたリナーリアの世話をしていたメイド。30代前半。
かつて唯一の身寄りである母と共にオレラシア城に身を寄せ、住み込みで働き始めた。
言葉が話せないという障害を持っているため、母が死んだ後は孤独な人生を送っていた。
恩を感じたリナーリアの配慮により、今後は王宮で下働きをする予定。
◇ミーティオ(流星)
ベリル島の守護神の一人、水霊神によって創られた代理の守護者。人の願いを叶え、人を守る時にその力を最大限に発揮する。
その正体は黒い鱗と赤い瞳を持つ大きな竜だが、肉体は封印され火竜山の底で眠っている。魂は現在生霊と化してスピネルに宿っている。
間近で成長を見守ってきたスピネルに対しては息子のような感情を抱いているが、本人からは鬱陶しがられていてちょっと寂しい。
リナーリアに対しても娘のように思っているが、口に出したら「キモい」とかスピネルに罵られそうなので我慢している。
◇セレナ
はるか昔、古代神話王国の時代に生きていた女性。
ミーティオの恋人であり、リナーリアの祖先でもある。
聡明かつ自由闊達な性格だった。趣味はチェスと読書。
◇ライオス
角と翼を持ち、褐色の肌をしている竜人。ミーティオが作った竜の宝玉を所持している。
その正体は古代神話王国の研究者たちによって造り出された、人と竜を合わせた生命体。
かつては魔獣から人を守るために戦っていたが、今は人を嫌っている模様。
普段は山の中に身を隠している。好物は飴。