世界の天秤~侯爵家の三男、なぜか侯爵令嬢に転生する 作:梅杉
◇エスメラルド・デュール・ヘリオドール
ヘリオドール王国史に名を残す名君。
四方を呪いの海に囲まれているヘリオドール王国において、初めて人を外海に送るという「蒼穹計画」を成し遂げた事で知られているが、医療施設の拡充や魔獣対策においても様々な功績を残している。
愛妻家としても有名。クリスマスの日に恋人と共に動物のつけ耳を装着して過ごすという風習を生み出したのはこの王だと言われている。
カエルの生態について多数の新発見があった観察誌「エスメラルド記録」の著者でもあるが、そちらはあまり知られていない。
◇リナーリア・ヘリオドール
エスメラルド王の妃。生涯エスメラルド王を支え、王国の平和のために尽くした。
偉大な魔術師でもあり、希少な4重魔術の使い手でもあった。植物系魔術の研究や、超長距離間遠話などの魔導具開発においても有名。
民間では「希望の騎士ミニウム物語」の外伝「青薔薇の王妃」の主人公として親しまれているが、豊穣の女神の妹・筋肉の女神ナーリアのモデルもまた彼女だと言われている。
◇スピネル・ブーランジェ
エスメラルド王の時代に活躍した剣聖で、剣神とも呼ばれた。剣術を修める者ならば彼の名を知らない者はいない。
少年時代はエスメラルド王の従者であり、親友でもあったという。エスメラルド王の右腕として王国の発展と平和を支えたが、一線を退いた後も長くヘリオドール王家の剣術師範を勤めた。
「千里を駆けるミロス」の物語が演じられる際、原作には容姿の描写がないにも関わらず、主人公ミロスと親友セリナントスが金髪と赤髪にされる事が多いのは、それぞれエスメラルド王と剣聖スピネルをイメージしているからだと言われている。
◇セナルモント・ゲルスドルフ
古代神話王国及び火竜・竜人伝説の研究者。優秀な魔術師であり、王妃リナーリアの師でもあった。
探知と封印の魔術においても多大な業績を残しており、特にヘリオドール王国の守護竜ミーティオ復活の最大の功労者でもある。
その著書は現在も多数残されている。
◇スフェン・ミニウム
自身をモデルにした演劇作品及び小説の「希望の騎士ミニウム物語」の作者として知られる女騎士。他にも著作多数。ゲータイト伯爵家の生まれだったが、後に改名した。
演劇を大衆文化として民間に広げた功労者であり、その自由闊達な作品の数々は現在も愛されている。常に男装していた事で有名で、女性の服装文化にも大きな影響を与えた。
高名な剣士でもあり、ツァボラ流剣術から派生したスフェン流剣術の開祖でもある。
王妃リナーリアとは親友であり、長年彼女の護衛騎士を勤めたが、騎士引退後もその交流は続いたと言う。
59歳の時、「新たな冒険に行く」と言ってアズラム王国への門をくぐったが、その後の消息は不明。
◇ヘルビン・ゲータイト
巨大な船によって島外に出て新しい居住地を探すという「蒼穹計画」に参加、その中核を担った騎士。
18年の歳月をかけて大陸を旅し、後のアズラム王国の基礎を築いた。アズラム王国では初代騎士団長の地位に就いたとされている。
前述のスフェン・ミニウムとは姉弟である。
◇ニッケル・ペクロラス
躍動感ある人物と色彩豊かな自然を描く絵画をいくつも残した画家、ペクロラス伯爵。
エスメラルド王とは友人であり、カエル観察誌「エスメラルド記録」の挿絵も描いている。
◇ユークレース・ブロシャン
歴代の王宮魔術師団筆頭の中でも、特に有名な天才魔術師。
風魔術をより効率的に扱うための構成の研究において多大な功績を残した。
幼い頃から神童と呼ばれており、少年時代にはリナーリア王妃と魔術の腕を競い合ったという。
演劇作品「青薔薇の王妃」の中では、リナーリアに敗北してへそを曲げた所を妻カーネリアに叱られる一節が描かれており、尻に敷かれる男の代名詞にもなっている。
◇ミーティオ(流星)
守護神である水霊神の眷属で、ベリル島の守護竜。
古代には人の姿を取って市井の者と交流し、自分との勝負に勝った者の願いを叶えたという逸話がいくつも残っている。「蒼穹計画」のための巨大船アズラム号を作ったのもこの竜である。
長い間封印されていたが、エスメラルド王の時代に復活。海から出てくる魔獣を抑えている。
現在はジャローシス地方にある火竜山に棲んでいるが、ヘリオドール王家及びジャローシス家の者以外の前にはほとんど姿を現さない。
◇ライオス・ストーロス
特に魔獣との戦いにおいて、数々の伝説を残した竜人。
古代神話王国の生まれで、長く眠りにつき人間とは袂を分かっていたが、若き日の王妃リナーリアとの交流によって和解した。
死神の卵事件の中で起きたキマイラ戦での活躍は特に有名。作戦に参加していた多くの兵を救った。
リナーリアの生家ジャローシス侯爵家に身を寄せていたが、後にエスメラルド王とリナーリアの末娘と結婚し、ストーロス侯爵に叙爵された。
二百年に渡りミーティオと共にヘリオドール王国を守護したが、魔獣との戦いで負った怪我が元で命を落としたとも、病死したとも言われている。
◇ギロル・スファレラー
エスメラルド王の時代に活躍した画家、挿絵師。
いくつものペンネームを持ち、幅広い画風を使い分けていたため、未だに発見されていない作品も数多いと推測されている。
筋肉の女神ナーリアを最初に描いた画家として有名だが、彼が描いたのは豊穣の女神であって筋肉の女神ではないという説もある。
春画師としても知れられており、熱心な愛好家が存在する。
◇フロライア・モリブデン
詩人、小説家。父アンドラ・モリブデンと共に、当時第一王子だったエスメラルド王暗殺未遂事件及び死神の卵事件に関与した罪により、終生を修道院の中で過ごした。
死後数十年経ってから、旧モリブデン領民が引き取った遺品の中から詩文をしたためたノートがいくつも発見され、有志によって編纂され出版された。
その静謐かつ繊細な文章は現在も高く評価されている。
これから1~2話完結のショートストーリー中心に不定期で更新するつもりです。どうぞよろしくお願いします。