D.Rs!   作:マリアナ海溝の住人

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どうも。
西地区編です。
東地区編を読んでいなくても楽しめるようなストーリーになっています。
今後も地区ごとのストーリーをお待ちいただければ幸いです。

さて、西地区のストーリーですが、あまり読みやすい文章ではないかもしれません。
書いていて思いましたが、会話文が異様に多くなりました。(前回もそうでしたが…)
それでもいいよーという方は、是非お楽しみくださいませ。


西地区編 1話

「D.Rs」とは

 

デルトリアの治安を密かに守り続ける秘密組織である。

その構成メンバーは不明であり、誰もその活動を認知したことはない。

そのため、単なる都市伝説ではないか、とも言われる。

 

ーーーーーー

 

デルトリア西地区「ヘリアル」

 

デルトリアで一番人口の多い地区である。

それ故面積も広く、街をぐるっと一周回るには少なくとも2日はかかるだろう。

警察の目が行き届かないところもあり、治安は良いとは言えない。

誘拐などが多く、外で遊ぶ子供たちを見ることは少なくなった。

 

ーーーーーー

 

「せんせー!あそぼ!」

「今行くね!」

 

小さな公園で、保育園の子供たちが遊んでいる。

先生たちは子供たちを見ながらもチラチラと周りを気にしているように見えた。

子供たちは自分たちの上着をマントの様にしながら、滑り台やブランコでヒーローごっこをしていた。

 

「せんせーはてきね!ぼくらがヒーローね!」

「うん、いいよ。さぁ来い!ヒーロー!」

 

一人の子供が「てき」に木の枝を向ける。

小さい木の枝で、刺さりそうなものでもなかったが、妙に手慣れているようだ。

 

「うわぁ!やられたー」

「よし!みんな!てきをやっつけたぞ!」

 

木の枝が体に少し当たると、「てき」は倒れた。

立ち上がり砂埃を払って子供たちを集めると、

 

「皆上手だね。いつもやってるのかな?」

 

子供たちと目線を合わせるためにしゃがみながらそう問いかける。

 

「うん!いっつもやってるよ!ね、みんな!」

 

他の子供たちも次々に同意する。そのとき、女先生の服をひっぱった子がいた。普段しっかりしている女の子だ。

 

「ん?どうしたのかな」

「このまえね!みんなとあそんでたときにね…」

「うん?」

 

やけににこにこしながら話しかける女の子を、女先生は微笑ましく思っていた。

 

「おとなの人がね、わたしのことつれて行こうとしたの」

「!?どういうこと!?大丈夫だった!?」

「うん、こわかったんだけどね、そのときにヒーローがたすけてくれたの!」

「ひ、ヒーロー?」

 

いきなり非現実的なことを言われて、流石の女先生も困惑した。ヒーローなんてこの現実にいるわけがないのだから、警察の間違いだと思った。が、普段しっかりしている女の子がヒーローなんて言わないと考え、女の子にもう一度問いかける。

 

「本当にヒーローだったの?警察じゃなくて?」

「うん!ヒーローだよ!だってみんなマントしてたよ」

「マント…じゃあ警察じゃないか…」

「どうしたんだ?」

「あっ、リンドウ先生」

 

奇抜な髪型が特徴的な男性が話しかける。

どうやら女先生が話している内容が異常に思えていたようだ。

 

「なぁ君、そのヒーロー?はどこで見たんだい?」

「えっとね、お家のちかくだよ」

「あー、そっかそっか。実はあの辺りにね、ヒーローみたいな服を着た人たちが住んでるんだよ」

「え、そうだったんですか?知らなかった…」

「うん。あんまり表には出てこないけれど」

「その人たちね、とってもかっこよかったの!」

 

目をキラキラと輝かせる女の子。

まるで恋でもしているかのように見えた。

 

キーンコーンカーンコーン……

 

「あれ、そろそろ帰る時間だね」

「ほんとだ。みんなー帰りますよー!バスに乗ってください!」

「「「はーい!!」」」

 

このあたりを歩いていたら、子供一人はさらわれる危険があるため、移動はほとんどがバスだ。

子供たちは遊び疲れた様子でぞくぞくとバスに乗る。

 

「じゃあ俺はこれで帰らせてもらうね」

「お疲れさまでした、リンドウ先生」

「うん、おつかれ」

 

リンドウはそういうと、路地の方に消えていく。

 

「…はぁ」

 

女先生はため息をつくと、バスに乗った。

そして…

 

(かっ………こよかったぁぁぁ!なんであんなイケメンがこんなちっちゃい保育園にいるの?ほんと、モデルでも食べていけるでしょあれ!)

 

こう思った。

それは他の先生も例外ではない。

 

バス内に、深い息の音が響いた。

 

ーーーーーー

 

同時刻、西地区某所。

 

「これを…こうしてっと…」

 

やけに豪華な広い部屋で、7歳くらいの少年が、体に似合わぬ大きな服を着て積み木をしていた。

 

カラフルな積み木がだんだんと積まれていく。

子供が作るにしてはやけに立体的なそれは、豪華な城のようだ。

 

少し離れたところに、びしっと決めた執事らしき男性が立っていたが、少し申し訳無さそうに口を開く。

 

「あの…ケルト様?リンドウが来ますので、そろそろお止めになったほうが…」

「んー…ちょっとまて、もうすぐ…」

 

まだ手を止めないケルトを、少し困った表情で見る男性。少しして城は完成し、ケルトと同じくらいの大きさの芸術になった。

 

「できた!よしっ、これを…」

 

ケルトは手をばっと前に出す。

正確には手は服の袖にすっかり隠れていて見えないが。

伸ばした腕の先から、淡い紫色の光が溢れ、またたく間に積み木の城を包み込む。

すると積み木の城は、床を離れて移動し、部屋の端に着くと何事もなかったように床に戻った。

 

「これで片付いたな!いいだろ?ウォルフ!」

「はぁ…ケルト様がいいのならそれでいいです」

 

ウォルフはモノクルをかけ直し、ため息をついた。

 

「それにしても…リンドウ、遅いですね」

「そうだな。なんかあったのかな?」

「どうでしょう…まぁ、トラブルの絶えないココなら何かあっても不思議ではn」

 

ビー!ビー!

 

『全戦闘隊員に告ぐ!西区直轄区域にて魔力反応あり!付近の隊員、又は幹部のうち一人は直ちに出動せよ!』

 

「またか…今週何回目だ?」

「私が確認した限りだと6回目でしょうか…というか、付近の隊員…幹部って、リンドウになりますかね…直轄地域はあいつの仕事場がありますから」

「じゃあまだ来なそうだな。気長に待とう。まぁ…」

「リンドウがいるなら…すぐですかね」

 

ーーーーーー

 

「リンドウさんっ!」

「おう、状況は?」

「それが…かなり酷い有様で…」

 

西地区の端。

小さく破壊音が聞こえてくる。

 

「俺今メガホンしか無いから、力になれないかもな」

「だ、大丈夫…だと思います」

 

リンドウは保育士らしい格好をしているが、話している隊員はまるでヒーローのような格好をしている。

 

「応戦はする。が、あまり頼らないでほしい」

「はいっ!がんばります!」

 

「どけぇっっ!!!俺はもっと強くなるんだぁ!!」

 

「やれやれ…相当ご乱心みたいだな」

「屈強なやつでして…落ち着けようにもうまく行かず…」

「俺の出番って訳か…やってやろうじゃんか」

「全力で守りますっ!」

「頼む」

 

持っていたカバンからメガホンを取り出すと、スイッチを入れて走り出す。

 

(リッ…リンドウさん、走るの速すぎだろ…)

 

隊員が脚力強化シューズを履いても、少し前を走るリンドウ。

全力で走ってようやく、リンドウの隣を走ることができた。

 

「おいっ!!そこをどけぇっっ!!!」

「あいつ…目がイカれてんな」

 

叫ぶ男の目は大きく開き、充血して赤い。

どう見てもおかしい男を、リンドウは真剣な眼差しで見つめる。

いや、他の隊員も同じだろうが。

 

「そこの男!よく聞け!」

 

リンドウがメガホンを口元に持っていき叫ぶ。

メガホン越しにも音は大きくならなかった。

しかし、男はリンドウの方をじっと見て動かない。

 

リンドウはそれを見て説得をしだす。

 

「…おい、後ろにまわるぞ」

「あぁ…慎重に行こう」

 

二人の隊員が小さく話し、素早く男の背後にまわる。

一人の手には手錠が、もう一人は緑色の光を放つ警棒らしきものが握られていた。

 

「ん…?おいっ!!てめぇらぁぁぁ!!」

「まずいっ…!!!」

 

しかし男は二人の気配に気づき、後ろを振り返って殴りかかる。

隊員は二人共倒れ、なんとか立ち上がろうとしている。

が、男はもう一度殴ろうと襲いかかる。

 

「くそっ…!なんてことだ…」

「しかたないか…総員、構えっ!」

 

号令と共に拳銃を構える。

しかしその引き金が引かれることはなかった。

 

「おーおー…なんや随分お困りみたいやねぇ?」

 

不思議な喋り声がする。

リンドウの後ろに、一人の男が立っていた。

警察が被るような帽子を目深に被っていて、顔がよく見えない。

 

「おっ…お前っ!なんで…!」

 

リンドウが驚いたような表情をすると、帽子の男は低く構え、腰にある刀に手を置く。

ダンッと強く踏みこむと、そこにはもう帽子の男の姿は無い。

 

「ぐぁっ…!!!」

 

それと同時に、あの暴れていた男が声をあげ、ばたっと倒れ込んだ。

 

「あ…力加減間違ってしもた……。そこの二人、大丈夫か?」

「あ…はい」

「おいっ、お前!」

「お!久々やなリンドウ。ちょっとまってな……よっと」

 

何やらリンドウを知っている様子の帽子の男は、帽子を軽く被り直した。

今度は顔がよく見える。

黒い長髪を耳の高さで結んでいて太もも辺りまである。

目は細く、所謂糸目というやつだ。

きっちりとした袴の中にスタンドカラーシャツを着ている。

腰には刀を携えていて、動くたびカチャカチャと音がなる。

リンドウとは10数cm程身長の差があり、相当背が高い。

 

「元気やったか?」

「それはこっちのセリフだ。帰ってきてたのか」

「今帰ってきたんや」

「あ、あの…リンドウさん?こちらの方は…」

「ん?あぁ、お前達は会ったことないのか。こいつは…」

「どうもー、皆さん。西地区戦闘部隊長のクロウ・グランチェックですー。よろしゅうねー」

「「「えぇっ!?!?!?!?」」」

 

皆が驚くのも無理はない。

クロウ・グランチェック。

名前は知っていても、姿を知るものは殆どいない。

西地区において、No.2の立場にいる大物だ。

 

「なんや?そんな驚くもん?」

「そりゃそうだろ…お前はあんま人前に出ないし」

「あんまり仕事まわってこうへんからなぁ…知らんのも仕方ないか…」

「す、すげぇっ…!リンドウさん!あのクロウ・グランチェックと知り合いなんて!」

 

隊員たちは目をキラキラとさせてリンドウの方を見る。

 

「今のお前ら、保育園児見てぇだぞ。一応、クロウは目上のやつなんだから挨拶しとけ?」

 

笑いながらそういうと、隊員たちははっとしてクロウに深くお辞儀した。

 

「ご苦労さまです!クロウ様!」

「いやいや、様なんて要らんよー。つけるんやったら「さん」くらいにしてほしいわぁ」

「クロウさーん」

「リンドウがつけると煽ってるようにしか聞こえへんわ!てか、一応てなんや!一応て!」

 

和気あいあいと話しているところに、走ってくる男が一人いた。

 

「おーい!リンドウ…!って!」

「あー!ウォルフ!」

 

髪を乱し、肩で息をするウォルフをクロウが見つけた。

クロウはぶんぶんと左手をふる。

 

「クロウ!そうか、今日はお前が帰ってくる日だったな。おかえり」

「ただいま。相変わらずびしっと決めとんなぁ!」

「それはお前の袴も変わらないだろ…」

 

「ウォルフ、俺になんか用があったのか?」

「リンドウお前…ケルト様がお待ちだぞ」

「あ゛」

 

ーーーーーー

 

「っはぁ…はぁっ…し、失礼します!」

「待ちくたびれたぞリンドウ!全く…あれ?クロウ?」

「ご苦労さまですケルトさん。遅くなりました…」

「お久しぶりですー」

 

ケルトの部屋に、ウォルフ、リンドウ、クロウが集まる。

ケルトはクロウを見て、丸い大きな目をさらに開いていた。

 

「なんで?」

「ケルト様。今日はクロウの研修が終わる日だったんですよ。私もすっかり忘れていまして…」

「あそっか。どうだった?エリートの集まる東地区は」

「いやー、濃い奴ばっかりやったけど、思ったよりええとこでしたわ」

「俺も行きたかったな…東地区。行ける条件は満たしてたが、家族のこととか仕事で長く離れられなかったからな…」

「リンドウは…まぁそうか、また次の機会だな」

 

リンドウが少し悲しそうな表情で呟くと、ウォルフはリンドウの背を軽く叩きながら慰める。

 

「で、今日リンドウに来てもらったのはな、僕から頼みたいことがあるからだ」

「はい…なんでしょう」

「それはな…」

 

リンドウは息を呑む。

ケルトの無茶振りはいつものことだが、今回だけはケルトは真剣な眼差しをしていたからだ。

 

「…絵本」

「「「え?」」」

 

思いもしなかった単語にその場にいた全員が声を出してしまった。

 

「え、絵本ですか?」

「うん」

「はぁ…なんでまた…」

「最近夜寝れないんだ。自分で買った絵本を読んでも寝れなくて……そこで、保育士のリンドウに聞けばいいんじゃないかって思ったんだ」

「ふむふむ…子供向け絵本でいいなら幾つかおすすめがありますよ。今度、一緒に書店にでも行きましょうか」

「ありがとう!リンドウならそう言ってくれると思った!抱っこさせてやる!」

「うわっ!」

 

ケルトは満面の笑みでリンドウに飛びつき、不意打ちを食らったリンドウは少しよろける。

そのときケルトの髪が崩れ、耳が見えた。

ケルトの耳は普通の人間とは違い、尖っていた。

 

「ケルト様…!子供じゃないんですから!」

「まぁまぁ、俺らのところに来たのは最近やろ?なんにでも興味があるのはええことやん」

「だけど…あの人とっくにはっp!?!?」

 

「ウォルフ??なんだって??」

 

ウォルフの口が接着剤でもついたように開かなくなり、喋ることができなくなった。

リンドウの腕の中でケルトがにこにことしていたが目は笑っていなかった。

 

「次そういうこと言ったら…わかるよね」

「…!…!…!!!」

 

ぶんぶんと首を縦に振るウォルフ。その顔は恐怖で青ざめていた。

 

「はっはっは!相変わらず短気な人やなぁ」

「ぷはっ!短気どころじゃないだろ…」

「上司として言ってやってるんだぞ!感謝しろ!」

 

こんなに平和な会話をしているが、この四人は相当な権力者である。

西地区長であるケルムに、区長補佐官のリンドウとウォルフ。

それとほぼ同等、もしくはそれ以上の力を持ち、数百人いる戦闘部隊の隊長をするクロウ。

 

西地区はこの四人が管理していると言っても過言ではないのだ。

 

「そうそう、ケルトさん。ちょっと聞きたいことがあって…」

「なんだ?」

「東区にいたときにも聞いてましたけど、最近西区の治安が悪化してるんちゃうかなって」

「あぁ…まぁそうかもな」

「確かにな。仕事終わりの出動要請が毎日のようにあるからな…正直、疲れる」

「その件で、ケルト様に書類がたくさん来てるんですよ。捌くのが大変でして、あまり渡せていないのですが」

「あー、そのこと、東の区長さんも言ってはったわ。書類が増えて大変だって」

「南の方も言ってるんだ…。あそこは面積が小さいくせに「オベイド」持ちが多いからな…増えると大変だからって、人員要求してた気がする…」

「まぁ俺は、仕事増えるんは嬉しい限りなんやけど」

「俺の仕事持ってってくれよ」

「くれるんやったら素直にもらうで?」

「それがいいかもなぁ…ケルト様…って!?」

「すー…すー…」

 

長々と話しているうちに、ケルトが寝てしまう。

ふと窓の外を見ると、見事な星空がそこにはあった。

 

「解散かな…」

「せやなぁ」

「ウォルフ、ケルト様ベッドに連れてってくれ」 

「了解」

 

ーーーーーー

 

西地区の隊員たちも、敵が力をつけてきていることに気づいている。不安と焦りが、西地区に漂い始めていた。




どうだったでしょう。
西区はとにかくキャラクターが濃いです。
色々と世界観を共有したいので、Twitterの開設を急ぎたいと思います。
さて、キャラクター紹介を簡単にしていきましょう。

ケルト・ケルム・キルントル
年齢:不明
身長:126cm
体重:24kg
西地区長。
御伽噺にも出てくるような種族、エルフの末裔。
小学生のような見た目だが、やけに昔のことに詳しかったりする。
短気で、すぐに魔法でなんとかしようとする。

ウォルフ・テーニーズ
年齢:29
身長:183cm
体重:74kg
西地区長補佐官。
普段からきっちりとした性格で、ケルトの我儘にいつも振り回されている。
抜けているところもあり、よくクロウにいじられる。

リンドウ・ヴィリアース
年齢:28
身長:176cm
体重:69kg
西地区長補佐官。
保育士をしており、周りの先生からの信頼も厚い。
家に子供がおり、帰りが遅いといけないため、残業(補佐官としての仕事)はあまりしたくないと思っている。

クロウ・グランチェック
年齢:29
身長:193cm
体重:79kg
西地区戦闘部隊長。
不思議な雰囲気があり、飄々とした性格。
私生活などに謎が多い人物。
実はウォルフと幼馴染み。

と、こんな感じです。
少し質問なんですが、もしTwitterを開設したときに見た目の絵とかってあったほうがいいですよね?
私、あまり絵が得意ではなく、アナログでしか描けないもので、見づらい絵になってしまう気がするのです。
どうでしょう、下手でもみてくれますかね…?
…そんなこと言ってても絵は上手くならないので練習します。それではまた。
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