赤宮結華は勇者である   作:三坂

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(こちらは赤宮結華は勇者である 前章~選ばれし勇者達と自衛隊共同戦記~のリメイク作品になります。ところどころまえの作品と被るところがありますがご了承ください。)


赤宮結華の章
第一話 7・30天災


2015年7月30日

天災発生直後

栃木県さくら市

住宅街にて  

 

 

「びっくりしたぁ‥‥」

 

 

ある家の中、地震によって多少散乱している物をかき分けつつ黒髪ロングで赤メガネをかけた大人しそうな少女、赤宮結華(小学5年生)がゆっくりと顔を出す。

 

 

「けっこう大きな揺れだったね‥‥よっと‥‥」

 

 

物を踏まないために元あった場所へと戻していると玄関が勢いよく開く音が聞こえて、近所に住む彼女の友達、貴島明日香が慌てるように駆け込んでくる。

 

 

「結華ちゃん!大丈夫だった!?」

 

 

「こっちはなんとかね〜‥(汗)物は多少散乱しちゃったけど‥‥プラモデルは無事だったし〜‥」

 

 

「良かった〜‥‥、にしてもプラモデル無事で良かったね〜。あれ作るの時間かかってたみたいだし」

 

 

そういって視線を向けた先には、しっかりと厳重に保管されている組み立てられた艦船のプラモデルが何個が棚に置かれていた。あれだけの揺れに襲われたのにも関わらず結華がしっかりと固定していたためか多少部品が取れているだけですぐに修復できそうな程度に収まっていた。

 

 

「本当だよ〜‥‥、もし壊れていたら意気消沈する自信があるよ〜‥‥。っとそういえば‥!羽南さんは大丈夫かな?」

 

 

プラモデルの話にそれかけていた結華であったが、親友である焔羽南のことを思い出して明日香に安否を確認する。

 

 

「焔ちゃんなら大丈夫〜、さっき会ってきたんだけど元気そうだったよ〜?今は家の片付けしてるって〜」

 

 

「こんな時でも手際がいいねぇ‥‥(汗)」

 

 

こんな状況下でもブレない元気さに思わず苦笑いの表情を浮かべる結華。ふと外に視線を移すと先程から緊急車両が忙しく行ったり来たりしているのが確認できた。

 

 

「とりあえずこれからどうしよっか‥‥」

 

 

「家を出る前に確認したけど‥まだ正式な発表がないし‥、避難指示の有無がわかるまでここにいるよ‥」

 

 

「うぅん‥、それなら羽南さんの家に行ってみよっか?」

 

 

「だね、なんかあったときのために固まって行動してたほうがいいし」

 

 

まだ県から正式な発表がないため、ひとまずはその指示が出されるまで待機することにした二人。その際、結華からの提案で焔の家に向かうことにしたため支度をすることに。

 

 

 

ー数分後ー

 

 

 

「終わった〜?」

 

 

「うん、終わったよ〜」

 

 

家の整理が終わり、災害用リュックサックを背負った結華が入口で待っていた明日香の元へ駆け寄っていく。

 

 

「それじゃ行こっか〜」

 

 

「うん」

 

 

準備ができたことを確認すると二人は焔の元へ向かうために少し急ぎ足で向かうのであった。

 

 

 

ー焔宅にてー

 

 

「ふぅ‥‥こんなものかな‥?」

 

 

散乱していた部屋の清掃があらかた終わり、茶髪のショートで後ろに括っている少女焔羽南は部屋の中を一通り見渡す。

 

 

「しっかしけっこう激しい揺れだったね‥‥結華は大丈夫かな「羽南さん〜!」ってその心配はなさそう‥♪」

 

 

親友の結華を心配していたようだが、聞き慣れた声が聞こえたことで少し笑みを浮かべて玄関へ駆け足で向かう。

 

 

「良かった〜♪結華ちゃん無事だったんだ♪」

 

 

「そっちこそ♪無事で良かったです♪」

 

 

「明日香ちゃんもありがとうね♪」

 

 

「えっへん♪そりゃ親友のためですから♪」

 

 

再開できたことで少し表情にゆとりができた三人。経緯を聞くとどうやら親は仕事中で一人家で留守番しているところに地震におわれたそうだ。

 

 

「にしてもあの数分でここまで片付けるとは‥‥流石羽南ちゃん(汗)」

 

 

「ふっふっ♪これくらい私にかかれば朝飯前だよ♪」ドヤ

 

 

最初来たときはまだまだだったのに結華を呼びに行っていた数分間の間にここまで進んでいることに驚きを隠せない明日香。そんな彼女を見つつドヤ顔を羽南はかましている。

 

 

「羽南ちゃんらしいといえばらしい‥(汗)‥にしてもけっこう揺れたねぇ‥‥」

 

 

「だねぇ‥‥こんな揺れ経験したの初めてかも‥‥」

 

 

「なんかさっきスマホでSNS観てたんだけど‥‥全国でも同じような地震が起こってるみたい‥‥」

 

 

そう言いつつ結華が二人にスマホの画面を見せるように差し出す。そこには様々な記事や速報が次々と飛び込んできた。

 

 

ー全国各地で震源地不明の地震が発生ー

 

 

ー政府、災害対策本部を設置。被害状況の確認と対応を急ぎ協議するとのことー

 

 

ー同時刻、政府は全国一律の緊急災害宣言を布告

自衛隊に災害派遣要請に備え待機命令を発令ー

 

 

ー世界各地でも同様の地震が発生、国連は緊急会合を開き各国代表と今後について協議ー

 

 

ー全国一律の緊急災害宣言を受けて各県知事が県内に避難指示を発令、詳しくは各県の災害放送を確認ー

 

 

「日本だけじゃないのか‥‥」

 

 

「ねぇ‥?これって世界が突然滅ぶとかじゃないよね‥‥」

 

 

「怖いこと言わないでよぉ‥‥」

 

 

明らかに普通の地震ではないのはわかりきっていること。そのためか、再び少し不安な表情に包まれてしまう三人。少しでも気を紛らわすために外へと視線を移すと先程からひっきりなしに警察や消防、救急や自衛隊の車両が忙しく往来していた。

 

 

「やっぱり今日は賑やかになりそう‥(ベランダから往来する緊急車両を見つつ)」

 

 

「だね…ってなに…あれ(空を見上げながら)」

 

 

羽南につられるように外を見ていた明日香であったがふと空を見上げた途端にあ然とした表情になる。

 

 

「ん?どうしたのさ〜、地震で鳥でも‥え‥?」

 

 

「なに‥あれ」

 

 

二人も釣られるように空へと視線を移し、唖然となる。それもそのはず、上空には今まで見たことがないような化物が飛び回っているのだ。

 

 

「わたし‥夢でも見てるのかな?」

 

 

「奇遇ね‥私もよ‥」

 

 

「ん~(ほっぺを引っ張る)イタタ‥‥」

 

 

一瞬夢ではないかと疑う三人。しかし明日香がほっぺをつねるが景色は変わらずあの化け物が飛び回っていた。

 

 

「やっぱ夢じゃない‥」

 

 

「‥SNSでもおんなじのが上がってる‥」

 

 

スマホに視線を戻すと先程の地震情報にくわえて、あの白い化け物の目撃情報があとを絶えず飛び込んでいた。

 

 

『なにあれ?生き物?』

 

 

『なんか不気味な顔してるぜ‥‥何なんだよコイツら‥‥』

 

 

『地震が起こってから現れたってことは‥なんか関係あるのかな?』 

 

 

「ね、ねぇ早くここから逃げようよ…」

 

 

相次いて起こる異変になにか胸騒ぎがしたのか明日香が二人に逃げようと促す。

 

 

「逃げると言っても‥どこに‥」

 

 

しかし、あの化け物は空のあちこちを飛び回っており、明らかに逃げれるような感じではなかった。するとそんな二人を見つつ、羽南が置くの居間に置かれていた刀と災害用避難マップを持ってくる。

 

 

「とりあえず避難所に向かおう‥(形見の剣を取りに行き)」

 

 

「ま、まさか羽南ちゃん…戦うつもりじゃ…ないよね?」

 

 

刀を取ってきた羽南を見てまさかあの化け物と戦うつもりなのかと明日香が恐る恐る尋ねる。

 

 

「護身用さ‥通用するかはわからないけど‥」

 

 

「そういえば‥!羽南さんは剣道やっていましたからね〜」

 

 

焔の持っている刀を見て思い出したかのように顔をあげる結華。彼女の言うとおり焔は小さい頃から剣道を習っており、その腕は一流。全国大会で優勝するほどの実力だ。

 

 

「そっそうだけど‥‥っ!ねぇ‥二人共‥‥あの化け物‥‥こ、こっち向いてる…」

 

 

しかしそんな話もつかの間、明日香の震え声とともに二人は慌てて視線を空へ戻す。するとそこにはこちらを見つめる一匹の化け物が‥‥

 

 

「っ!早く逃げよう!」

 

 

「わかってる!」

 

 

なにか嫌な予感を感じ取ったのか三人は慌てるように家を飛び出していく。その直後、先程までこちらを見ていた化け物が勢いよく突っ込んできた。

 

 

ズドーン!

 

 

化け物はそのまま測度を全く落とさずに焔の家に突進、家は衝突の衝撃で粉々に吹き飛んでしまったが三人はなんとかその前に脱出することに成功したのであった。

 

 

「けっこう‥危なかったね‥‥」

 

 

「えぇ‥‥まさに‥危機一髪って言葉がお似合いかも‥‥」

 

 

「ひとまず‥アイツが気づく前にここから逃げよ‥?」

 

 

ひとまずあの化け物が追ってくる前にここから逃げることにした三人は安全そうな避難場所に指定されているところに向かうことにしたのであった‥‥。

 

 

 

 

 

同時刻

ー宇都宮市内・栃木県庁ー

緊急対策会議室

 

 

外から絶えず鳴り響くサイレン音‥‥、それに耳を傾けつつ栃木県の知事である旭川騰(40歳)は集って席に座っている各役職の人間を見たわしてから口を開く。

 

 

「ひとまず、状況説明を頼む」

 

 

「わかりました」

 

 

すると集まった人間の中で唯一迷彩柄‥自衛隊を示す服を来た茶髪の女性、陸上自衛隊北宇都宮駐屯地に勤務していて現在はここ栃木県の臨時指揮を任された姉川渉二尉(35歳)が席を立ち説明を始める。

 

 

「姉川二尉か‥‥忙しい中呼び出してすまないな」

 

 

「いえ‥、ほとんどは準備できていますし優秀な部下がいますから‥‥(コホン)では現状を説明いたします。」

 

 

そういって手元のパソコンを操作するとスクリーンに映像が映し出されて栃木県内の地図が表示される。 

 

 

「ご存知かと思われますが、世界各国に出現した正体不明生物は突如として侵攻を開始。人間であれば誰と構わず襲う習性があるのが確認されています。」

 

 

「それと同様に我々の日本でもこの正体不明生物の襲撃を受けています。ここ栃木県も例外ではなく、最初に出現した栃木県北部から、現在大田原市を南下中とのことです。」

 

 

「原因不明の地震‥‥おまけにそれに合わせるかのようなタイミングで現れた不明生物‥‥‥。科学的には証明ができんな‥‥」

 

 

「栃木県内に展開している自衛隊の状況は?」

 

 

ある議員が自衛隊の展開状況を尋ねると、姉川が再びパソコンを操作して映像を栃木県全土から鬼怒川周辺へと変更しつつ解説を続ける。

 

 

「現在、宇都宮駐屯地に所属している特科・普通科及び訓練で来ていた戦車小隊を始めとした部隊はここ鬼怒川を主軸とした防衛ラインで展開中です。空自もこちらに来ているためあと5分もすれば配置完了するかと」

 

 

「栃木県警は現在民間人の避難誘導を実施、消防も同じく避難誘導をしていますが‥‥なにせ災害時の避難所では全く役に立ちません‥‥。それに北部近辺で避難誘導をしていた警官がかなりその不明生物に殺られたみたいで‥‥」

 

 

警察官の服装をした栃木県警本部長がかなり疲れ切った状態で補足の説明を行う。なにせここに来るまでずっと働きっぱなしであったためどうやら休む余裕がなかったようだ。

 

 

そんな本部長をチラリと見つつ再び姉川へと視線を戻す。するとどこかと連絡していた彼の秘書が血相を変えて駆け寄ってくる。そして小声で旭川にあることを伝えると彼の表情が険しくなる。

 

 

「どうされましたか‥‥?知事‥」

 

 

心配になったのか、隣りにいた副知事が声をかける。しかし最初は無言のまま考えていた彼であったが静かに顔をあげ‥少しして口を開く。

 

 

「アメリカ軍がアラスカで奴らを仕留めるために核を使用したらしいが‥‥‥失敗したそうだ。」

 

 

「「‥‥っ!!?!」」ザワザワ

 

 

知事からとんでもない発言を受けて会議室にいた人たちは驚愕の表情でざわつき始める。しかしそうなるのも無理はない。なにせ人類上の兵器で最強の威力を誇る核弾頭の攻撃が失敗したのだ。しかもあの世界最強とうたわれるアメリカ軍が‥‥

 

 

「アメリカ軍が‥‥失敗した‥‥!?」

 

 

「どうゆうことだよ‥‥!」

 

 

「俺に聞かれても知るか‥!?」

 

 

「‥‥‥」

 

 

驚きを隠せずにいる人達であったが、その中で姉川は一人冷静さを保ちつつ防衛省から送られてきた不明生物についての情報を静かに目を通していた。

 

 

「‥‥やはり‥ね‥‥」

 

 

「やはりってどうゆう‥‥」

 

 

「不明生物に関してですよ‥‥我々‥いや人類の切り札である兵器の攻撃が通用しないとの報告が既に国内でも確認されています」

 

 

「なっ‥‥!?」

 

 

「兵器の攻撃が‥通用しない‥‥か‥‥」

 

 

「ここもいずれは落とされるでしょう‥‥皆さんは今のうちに後方へ待避してください‥」カタ

 

 

席を立ちつつ机の上に置かれていた帽子を手にとって静かにかぶりつつ立ち去ろうとする。

 

 

「まっまて‥‥!君たちはどうするんだ‥!」

 

 

「決まってるじゃないですか‥‥私達自衛隊は民間人などの待避を支援するために遅滞戦闘を行います‥。通用しなくても足止めぐらいにはなるでしょう‥‥」

 

 

「仮に遅滞戦闘が成功したとしてもその後はどうするんだ‥‥!攻撃が通用しないとなると君たちは一方的に蹂躪されることに‥‥」

 

 

本部長の男性の言うとおり、仮に遅滞戦闘が成功したとしても撃破できないとなるといずれジリ貧に追い込まれ一方的に殺られるという展開になるのは誰でもわかりきっていることだ。

 

 

「‥‥確かにそうです‥‥我々の攻撃が通じないとなれば確実に殺られるでしょうね‥‥」

 

 

「なっなら‥‥」

 

 

一瞬それを認めた姉川であったが、次の瞬間に発した言葉で会議室内の空気が一変する。

 

 

「ですが我々は国民を守る自衛隊です‥‥!!たとえ相手が正体不明の化け物であったとしても‥‥決して引きません‥!!最後の最後まで責務を全うさせていただきます‥」クル

 

 

 

 

ー私は‥‥生きている中でこれ以上にない覚悟を見た気がした‥‥ー

 

 

 

 

鬼怒川上部にかかる橋一つ

阿久津大橋にて

 

「ここを渡れば‥!」(橋を渡る

 

 

あれから他の逃げている人と駆け足で向かうこと数分後、鬼怒川を跨ぐ橋の一つ阿久津大橋へたどり着くことに成功する。陸橋には未確認生物から逃げる市民や車が渡っており、それを警察が誘導していた。

 

 

「あんまりモタモタしてると奴らがくる!早く行こう!!」ダッ

 

 

「っ!危ない!結華ちゃん(結華の背中をおもいっきり押す)」

 

 

「!?(飛ばされる)」

 

 

羽南に続くように駆け出そうとした結華であったが突然後ろから声が聞こえるとともに明日香が彼女を勢いよく突き飛ばす。一瞬何が起こったのかわからなかったがそれは次の瞬間嫌でも理解できた。

 

 

グシャァァ‥‥!!!

 

 

「ガハッ…」

 

 

生なましい音とともに突き飛ばした明日香に化け物が迷いもなく襲いかかり左肩を引きちぎる。その際彼女は顔をしかめ、飛び散った血が結華の顔にかかる。

 

 

「ひっ‥‥(ひきつる)」

 

 

「こいつ!」

 

 

それは普通に過ごしていた人間からすればかなりショッキングな出来事であろう。体が動かない結華に変わって羽南が刀で振り払う。振り払われた化け物は食い千切った左肩を加えたままその場を離れる。

 

 

「……(左から多量の出血)」

 

 

「明日香‥‥さん‥‥!」

 

 

震える声をなんとか抑えつつ駆け寄ろうとする。しかしそんな彼女をあざ笑うかのようにあの白い化け物が今度は数匹現れる。

 

 

「そん‥な‥‥」

 

 

「に‥げて‥‥私は‥‥いい‥から‥‥」

 

 

さらに絶望に包まれる結華、しかし明日香は自分のことはいいから早く逃げろと最後の力を振り絞って訴える。

 

 

「で‥も‥!」

 

 

「い‥い‥か‥」

 

 

「‥‥ごめん!」ダッ

 

 

親友をおいて逃げれないと言う気持ちは羽南も同じであったが対抗手段がない以上どうすることもできない。覚悟を決めた表情で結華の手を引いてその場をあとにする。

 

 

「よ‥か‥っ‥‥」グシャァァピチャァ

 

 

二人が無事で良かったことを安堵した直後、囲んでいた化け物が明日香を無造作に食い散らかしていく。

 

 

ー明日香‥さん‥ごめん‥!私を‥‥守ってくれて‥‥ー

 

 

羽南に手を引かれつつ逃げている結華は心のなかで謝罪と感謝の思いを綴っていた。あらかた食い終わると今度は逃げ惑う人々に狙いを定める化け物。

 

 

 

ヒュン!!

 

 

ゴォォォォン!!!

 

 

しかし突如としてどこからか砲撃やミサイル、機関銃弾が飛んできて化け物へと次々と命中していく。攻撃を食らった化け物はあっという間に爆炎に包まれる。

 

 

「相手に反撃の隙を与えないで!!そして民間人にこれ以上手出しさせるな!!」

 

 

砲撃に負けない姉川のマイク音が響きた渡ると同時に土手を乗り越えるように陸上自衛隊の10式戦車、そして駐屯地で記念戦車として眠っていたのを引っ張り出れた74式や61式が姿を現すとともにそれに釣られるように装甲車やりゅう弾砲を載せた車両が相次いて現れる。

 

 

「てぇぇぇぇ!!」

 

 

すると姉川の号令で再び各車一斉に発砲。無数の砲弾や榴弾・機関銃弾、おまけに歩兵からも対戦車誘導弾が放たれて再び化け物に着弾する。即席部隊のため合計で30両にも満たない車両数であるが足止めをするには充分と言わんばかりに射撃を続ける。

 

 

「本部に報告!!目標にダメージなし!!」

 

 

「了解!!ダメージなし!!」

 

 

しかし攻撃が通じないことを確認すると直ちにある隊員が通信員に報告して、それを本部へと報告する。そんな状況をチラリと見つつ姉川が再度指示を出す。

 

 

「よぉし!みんなよく聞いて!!民間人が安全に避難できるように奴らを引きつけるわよ!!」

 

 

「二尉もけっこう大胆にいきますね!!」

 

 

「そんな私についてきたあなた達も大概じゃないでしょ!」

 

 

「そりゃ!国民を守るのが我々自衛隊ですから!」

 

 

 

 

 

「とりあえず‥!なんとかあの攻撃で足が止まってるみたい‥‥これなら‥!」

 

 

「‥うん!明日香さんの為にも‥生きなきゃ!」

 

 

自衛隊の攻撃で動きが鈍ったことをチャンスに結華達や逃げてきた人達は警官や自衛官の誘導で次々と橋を渡り切る。

 

 

「落ち着いて!!焦らず行動してください!!」

 

 

「押し合わないように!!お願いします!」

 

 

誘導を受けてなんとか逃げることができそうだと安堵している人達、だがそんな余裕も次の瞬間一瞬で変わってしまう。

 

 

「ねぇ‥?ママ‥あれなに?」

 

 

それは一人の男の子が発した言葉、釣られるように親や周辺の人達が視線を空に向けるとなにやら化け物が一つの場所に集まって融合しているように見える。

 

 

「なに‥‥あれ‥‥」

 

 

結華や羽南も驚愕の表情を浮かべる。しかし化け物はそんなことを知ったことはないと言わんばかりに融合してゆき少し立つと先程の化け物とは比べ物にならないほどの化け物が誕生する。

 

 

「融合‥‥した‥‥どうゆう‥‥っ!?」

 

 

一体どうゆうことなのか‥‥、そんなことを考えていた羽南であったが何か感じたのか護身用の刀の持ち手に手をのばす。

 

 

「不味い‥‥」

 

 

その先、化け物が口を大きく開き、なにやら大きな針をチャージしているように見えた。もちろん一部の人達も気づいていたため慌てるように周囲に声をかける。

 

 

「攻撃が来るぞ!!早く逃げろ!!」

 

 

「早く早く!!!モタモタしてるとやられるぞ!!」

 

 

声掛けを聞いたことで他の民間人も慌てる様に逃げ出す。だが丁度固まっていたため思うように動けずその間に化け物が巨大な針を放ってくる。

 

 

「っ‥‥‥!」

 

 

殺られる、直感的にそう感じた結華な反射的に目を瞑るが‥次の瞬間。

 

 

「とりゃぁぁぁ!!!!」ガギィィィンン

 

 

鈍い音ともに間に割って入った羽南が炎に包まれた刀で巨大な針を力技でなんとか弾き飛ばす、飛ばされた針は運悪く星屑の塊に命中してしまい吹き飛んでしまうのであった。

 

 

「皆さん!!ここは私が受け持ちます!!だから早く!!」

 

 

「はっ羽南さん!?それは一体‥」

 

 

「わからない‥けど!なんかやれそうな気が来たから‥結華ちゃんはみんなの避難誘導お願い!」

 

 

「うっうん!わかった‥気をつけて!」

 

 

羽南の指示を受けた結華は何が起こったのかわからない民間人に視線を向けて大きな声で呼びかける。

 

 

「みなさん!!今のうちに!!早くにげてください!!」

 

 

戸惑いを隠せずにいた人達であったが、不思議と結華の指示に従うように立ち上がり走り出していく。

 

 

「‥‥‥ん?」

 

 

民間人の避難誘導をしている最中、地面に腕に装着できるサイズの変わった模様をした盾が転がってることに気づいた結華はふと手にとってみる。

 

 

ブゥン

 

 

「‥‥!?(なんか‥生きてるみたい‥)」

 

 

手に取ってると見ると不思議な力が彼女の体全身に伝わってくる。そして指示された訳でもないのに自然と左の腕に盾を装着する結華。

 

 

「なんか‥よくわからないけど‥‥これなら‥‥!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おらぁぁ!!」ガギィィィンン

 

 

その間にも羽南は第2射、第3射と飛んでくる針を弾き飛ばしまくり民間人の避難を援護していた。可能なら直接接近して攻撃を加えたいが相手が遠距離型のためチャンスを掴めずにいた。

 

 

「こっちは中近距離‥‥相手は遠距離型か‥‥やりづらい‥!」

 

 

接近しようとすれば針が再び飛んできてそれをふせぐのに精一杯のようだ。そのためジリジリと押されていく。

 

 

「くっ‥!?」カキィン

 

 

最初はなんとか堪えていた羽南であったが徐々に疲労が蓄積してゆき最終的には針の攻撃に耐えきれず弾き飛ばされてしまう。

 

 

「いってて‥‥なっ!?しま‥」

 

 

なんとか体制を立て直そうとしたが、時すでに遅し。既に化け物が放った針が迷いもなく彼女へと飛んでゆく、‥反射的に目を瞑る羽南、回避は間に合わない‥万事休すかと思われた‥‥

 

 

ゴォォォォォンンン!!!

 

 

「へ‥?」

 

 

だが突然針は鈍い音ともにあらぬ方向へ飛んでいく。恐る恐る目を開けると目の前には青色の壁‥‥まるでシールドのような感じのやつが広がっていた。視線を下に向けるとそこには見慣れた少女の背中が‥‥

 

 

「羽南さん‥!大丈夫ですか!?」クル

 

 

「結華ちゃん!?どっどうしたのそれ!?」

 

 

一体何が起こっているか理解できていない羽南であったが再び化け物が攻撃体制に入ったことで聞く余裕がないことを悟る。

 

 

「‥って‥それを聞く余裕はないか‥」ニヤ

 

 

「うん‥!私がひきつけて置くから‥お願い!」

 

 

「任せなさい♪近距離となればこっちのもんよ!」

 

 

結華のお陰で体制を立て直せた羽南は再び刀を構えて弾かれたように飛び出していく。もちろん化け物もそれを見逃すはずがなく狙いを定めて攻撃しようとする。

 

 

ドゴォォォォォォ!!!

 

 

だがどこからか飛んできたミサイルの束状の攻撃を受けて思わず怯んでしまう。ミサイルの飛んできた先には空対空ミサイルの発射台を展開している結華の姿が‥

 

 

「悪いですが‥これ以上は好きにやらせません!!」

 

 

 

 

 

「二尉!!あれを!」

 

 

化け物と激戦を繰り広げていた鬼怒川防衛戦であったがあることに気づいた部下が指をさす。

 

 

「なによあれ‥!?」

 

 

視線を向けた先、そこには先程まで全く攻撃が通じていなかった化け物達が次々と擱座していく様子だった。他の隊員達も何が起こったのか理解が追いついていない様子だ。

 

 

「姉川さん!これを見てください!」

 

 

姉川率いる栃木防衛戦の副隊長を務める湯月雪曹長(30歳)が肩までかかる髪を揺らしつつ別の場所を指差す。そちらに視線を移すと、あの化け物の集合き猛攻撃を加えている二人の少女の姿が‥‥

 

 

「一体何がどうなってるの‥‥」

 

 

「私にもわかりません‥‥先程までや報告ではこちらの攻撃が通じないはずなのに‥‥ですが‥おそらくあの少女達が現れたタイミングで‥‥」

 

 

「それなら‥!!」

 

 

雪の仮説を聞いた姉川は慌てる様に無線のインカムに飛びついて鬼怒川防衛をしている全隊員に指示を出す。

 

 

「あらたなる目標!!2時の集合体の化け物!あの子達を支援するわ!!攻撃開始ィィィ!!!」

 

 

姉川の号令とともに再び各隊が射撃を開始、更には報告を受けた航空自衛隊のF-2戦闘機隊が増援の2機を含む合計4機で加勢。ピンポイントで化け物に対して500ポンド(224㌔)爆弾を投下して命中させていく。

 

 

ー!!!!!ー

 

 

あまりにも激しい攻撃のため思わず体をねじさせつつ声にならない悲鳴をあげる化け物。あれだけの一斉攻撃で流石の化け物のダメージがかなり蓄積されて隙だらけだ。

 

 

「羽南さん!今です!」

 

 

「うん!」

 

 

結華の合図を受けて化け物の懐へ一気に滑り込む。化け物もそれに気づいてはいたがダメージが蓄積していたせいで思うように動けない。その間にも羽南は刀を構えて勢いをつける。

 

 

「これでぇぇ!!トドメだぁァァァ!!!」

 

 

ズバァァン!!

 

 

炎をまとった刀に斬りつけられた化け物は真っ二つにおれて炎に包まれる。その後なにやら無数の光を放ちつつ消えていくのであった。  

 

 

残った星屑は集合体がやられたことで怖気づいたのかそのまま逃げるように立ち去っていくのであった。

 

 

「はぁ‥‥はぁ‥‥」

 

 

「羽南さん!!」ギュ

 

 

息を切らしつつ刀を収めると結華が駆け足でやってきて勢いよく飛びつく。

 

 

「うぅ‥‥怖かった‥‥」ギュ

 

 

「私もよ‥‥」ナデナデ

 

 

目元に涙を浮かべつつ抱きついている結華を撫でつつ自身の頬から涙を溢していた。いくら彼らと戦う力をてにいれたとしても‥

 

 

「‥‥」

 

 

そんな二人を少し離れたところから静かに見つめていた姉川の元へ雪が駆け寄ってくる。

 

 

「姉川さん、部隊の弾薬補給が終わりました。防衛線の被害状況は軽微‥民間人は多少ばかりか犠牲になってしましましたが‥‥」

 

 

「むしろ‥これだけの被害‥軽微で済んだことを喜ぶべきのかどうなのか‥‥」ハァ‥

 

 

そんことをつぶやきつつ視線を仰きつつため息をついてしまう姉川。そんな彼女を見つつ雪はふとあることを口に溢す。

 

 

「一体‥‥私達はどうなるのでしょうね‥‥」

 

 

「‥‥‥」

 

 

その答えに対して‥‥姉川は答えることができなかった‥‥‥いや‥‥誰であっても答えることができないであろう‥。そして‥彼女達‥‥いや人類は知る由もなかっただろう‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

この悪夢は終わりなき果てしない戦いになること‥‥そして滅びのカウントダウンの序章に過ぎないことも‥‥

 

 

 

 

 

 

 

ー赤宮結華は勇者であるー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物

 

赤宮結華

モデルキャラ:暁美ほむら 

年齢:10歳(小学5年生)

出身:栃木県

CV:斎藤千和 

性別:女性 

身長:149cm

誕生日:西暦2005年5月6日

趣味:プラモデル製作

血液型:O型

好きな食べ物:イチゴ

大切なもの:親友

 

プロフィール:赤宮結華は勇者であるの主人公。気弱でおとなし目の性格だがいざというときの行動力は計り知れない。天災直後、避難誘導の最中に見つけた盾を拾ったことで勇者として戦うことに。趣味はプラモデルの製作で家でよく作っているとのこと。

 

 

焔羽南

モデルキャラ:八千代命(リリースザスパイス)

年齢:10歳(小学5年生)

出身:栃木県

CV:本渡楓

性別:女性

身長:150cm

誕生日:西暦2005年6月25日

趣味:剣道

血液型:B型

好きな食べ物:カレー

大切なもの:仲間、家族、親友 

 

プロフィール:赤宮結華は勇者であるの登場人物の一人。結華とは正反対で違い明るくて活発で元気な女の子、運動神経も抜群で体育系の成績は毎回トップを取るほど。親友の結華とは大の仲良しでよく一緒に行動している。天災発生時に後に命名されたサジタリウス・バーテックスと交戦、その際に人類初のバーテックスを倒した勇者となる。元々親が剣道をやっていた影響で自身も剣道をするようになり、過去には全国大会で優勝するほどの実力を持っている。

 

 

貴島明日香

モデルキャラ:沖田桜(戦翼のシグルドリーヴァ)

年齢:10歳(小学5年生)

出身:栃木県

CV:宮川 若菜

性別:女性

身長:150cm

誕生日:西暦2005年4月13日

趣味:漫画

血液型:B型

好きな食べ物:蕎麦

大切なもの:仲間、親友、家族

 

プロフィール:結華や羽南のクラスメイトで親友。二人を足して割ったような性格で落ち着きがありつつ判断が早い。よく学校で漫画などのことを話していたようだ。天災発生時には二人の安否確認に向かうなど友達思い、逃げる際に結華を庇って星屑に襲われて食い散らかされるという無残な亡くなり方をしてしまった…。しかし身を挺したことで結華を守ることには成功した。

 

 

姉川渉

モデルキャラ:古庄薫(はいふり)

年齢:35歳

出身:栃木県

CV:豊口めぐみ

性別:女性

身長:167cm

誕生日:西暦1980年5月4日

趣味:映画鑑賞

血液型:O型

好きな食べ物:いちご

階級:二尉

大切なもの:部下

 

プロフィール:陸上自衛隊に所属している女性自衛官で宇都宮駐屯地に勤務していた。天災発生時、司令官が不在だっため次に位が高かった彼女が栃木防衛戦を指揮することになったが、のちに鬼怒川の奇跡ともいえる戦闘で功績を残すことに。まだ未成年の少女達を前線に出さざる終えない現状にいい顔をしていない。

 

 

湯月雪

モデルキャラ:宗谷真霜(はいふり)

年齢:30歳

出身:群馬県

CV:中原麻衣

性別:女性

身長:165cm

誕生日:西暦1985年6月12日

趣味:音楽鑑賞

血液型:B型

好きな食べ物:おつまみ、お酒

大切なもの:年下

階級:曹長

 

 

陸上自衛隊所属の女性自衛官。彼女とはここ宇都宮駐屯地で出会った以来の上司と部下関係。渉のことを信頼しており憧れを抱いている。天災発生直後では渉が県庁にいっている間の指揮を任されるほど、実力は確かのようだ。

 

 

(設定はのちに増やしていきます)




第二話 二人の勇者
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