僕は逆走してアスカを救う! ~シト逆転~ リバース・オブ・エヴァンゲリオン The 3rd 作:朝陽晴空
第三新東京市を取り囲む戦略自衛隊の軍隊を見て、僕は体中から汗が噴き出すのを感じた。
あの時ネルフ本部の中に侵入してきた戦略自衛隊の兵士達。
戦う力を持たない普通の職員の人も撃ち殺して、子供の僕にも銃を向けた。
無気力になっていた僕は、甘んじて死を受け入れようとしていた。
でもそんな僕を、ミサトさんは自分の命の危険を顧みずに助けてくれたんだ。
《自分勝手に死ぬ事なんて、あたしは許さない。あなたには、まだできることがあるはずよ》
ミサトさんはそう言って、僕の手を強引に引っ張って立たせた。
そして戦略自衛隊の兵士から僕を守りながら初号機ケージへと向かった。
何人もの戦略自衛隊の兵士たちをミサトさんが銃で撃ち殺したり、手投げ弾で爆殺するのを見た。
降りかかる火の粉は払わなければならない。
そうミサトさんは言っていたけど、僕は人が人を殺すのを初めて間近で見てショックを受けた。
「アタシの場合、ドイツは他の国と地続きで国境を接している。だから国同士の紛争解決に弐号機が駆り出された事もあったわ」
アスカの話によると、バレンタイン休戦条約で世界大戦は終わったけど、紛争はゼロになったわけではないようだった。
セカンドインパクトによる気候変動で、食料や資源を巡って、各地で小競り合いがあった。
僕はアスカのように人の乗って居る戦略自衛隊の戦艦や戦車と戦う事は出来ないと思った。
「シンジも追い詰められて、生きたいと思うようになったら死に物狂いで抵抗するわよ」
ミサトさんと二人で初号機ケージに向かう途中で、発令所のマヤさんから連絡があった。
それで弐号機に乗ったアスカが、地上で包囲している戦略自衛隊の部隊と戦い始めたって知ったんだ。
「アタシもね、使徒に負けてからはシンジと同じで無気力になっていたのよ」
ベッドで抜け殻のようになっていたアスカ。
僕もそんなアスカにすがり付いて泣いていた。
そのことがバレてしまったと焦ったけど、アスカは黙っていた。
もしかして許してくれたのかもしれない。
「戦自が攻めて来て弐号機に乗せられた時、不思議なことが起きたの。幻かもしれないけど、アタシは弐号機の中で昔のママに再会したわ」
僕は初号機の中で母さんと再会したことはない。
だけど、エヴァ量産機みたいな顔をした不気味な者に抱き付かれたことはある。
怖がって叫んでしまったけど、あれが母さんだったのかもしれない。
「ママに抱かれた気持ちになったアタシは元気を取り戻すことができたの。エヴァは人形じゃない、魂が宿っているってファーストが前に話していた通りだったわ」
「綾波が……?」
きっとアスカにその話をしたのは使徒に自爆攻撃を仕掛けた綾波。
リツコさんが二人目のレイと呼んでいた僕たちと長く一緒に居た綾波だろう。
「今アタシ達が乗って居る新しいエヴァにも、きっとシンジとアタシのママの魂が宿っていて、見守っていてくれているのよ」
「うん、きっとそうだね……」
僕はあの世界で出会った、幻影のような母さんの姿を思い出した。
父さんが隣に立っていたってことは、きっと母さんに会いたいっていう父さんの願いは叶ったんだろうな。
でも時間を巻き戻したのだからまた二人を引き離してしまった。
「仕方がなかったじゃない。シンジの愛したこのアタシを助けるにはそれしか方法が無かったんでしょ?」
「うん、僕が愛しているのは、今のアスカだ」
「ま、また探せば良いじゃない、シンジのパパとママが再会できる方法をさ」
「そ、そうだね」
差し迫った緊急事態なのに、僕たちは二人してのろけてしまった。
「そ、それでシンジの方はそれからどうだったのよ?」
ミサトさんと初号機のケージに通じるエレベータの前に着いた後か……。
しまった、思い出してはいけない気がする。
《大人のキスよ……帰ったら続きをしましょう》
「どうしてミサトとキスしたのよ! この浮気者!」
さっきまでのラブラブな雰囲気は吹き飛んでしまった。
アスカとフュージョンしているこの状態で無かったら、ボコボコにされているに違いない。
「ミサトさんは、僕とアスカがまたキスをしても失敗しないように教えてくれたんだよ!」
「そんなにいうならミサトから伝授された大人のキスをアタシにもしてくれたら勘弁してあげるわ」
僕が必死に謝ると、アスカは矛を引っ込めた。
まさかアスカと大人のキスをする約束をしてしまうなんて。
今の第三新東京市には、トウジやケンスケ、委員長、一般の人がたくさん居る。
そんな状況でネルフ本部に武力侵攻しようとするなんて、悪魔の所業だ。
「どうして、戦略自衛隊の人たちはネルフを攻めようとするんだろう?」
「きっと、ネルフがエヴァを使って世界を滅ぼそうとするとか、プロパガンダに操られているのよ」
プロパ・ガンダ?
聞いたことのない人の名前だけど、そいつが黒幕なんだ。
「じゃあ、そのプロパガンダを倒せば良いんだね!」
「バカッ、偽情報って意味よ!」
大きな声でアスカに怒られて、僕は両手で耳を塞いだ。
意味がないとわかっていながらもついやってしまう仕草。
エヴァは使徒を倒すために造られたものだと僕が真実を訴えかけても、戦略自衛隊の部隊が引き揚げてくれるとは思えない。
このまま戦争が始まって、死んだ人が出れば、お互いに恨みが残ってしまう。
何とか誤解を解いて、皆の心を一つにする方法は無いんだろうか。
今の僕とアスカみたいに愛し合う事が出来れば……。
「アンタねぇ、アタシをドキッとさせるようなことを言わないでよ、バカシンジ!」
「ごめん。でもこのままだと、悲劇が起きちゃうよ。どうしよう、アスカ?」
いくらエヴァが強いとはいっても、戦略自衛隊の人たちも一人も殺したくは無かった。
もちろん、第三新東京市が戦場になって被害が出るなんて耐えがたい事だ。
「シンジは優しすぎるのよ。アタシなら、妙な動きを見せたらエヴァのA.T.フィールドを飛ばして基地を破壊してやる! って宣言するわね」
「それって、核ミサイルを撃つぞ! って脅しているようなものじゃないか」
アスカらしい考えだとは思ったけど、その案には賛成できなかった。
それは一時しのぎの手段にしか過ぎないし、エヴァがもっと危険な兵器だと恐れられたら、さらに状況が悪くなる。
A.T.フィールドを攻撃手段として使えるとアスカに教えてもらった僕の頭に、ある考えが浮かんだ。
「そうだ、A.T.フィールドを防御に使えないかな?」
「そんなの今までアタシ達がやってたじゃない」
どうやら僕の考えが直ぐにアスカに伝わらないこともあるようだ。
「第三新東京市全体をA.T.フィールドで覆うんだよ!」
「アンタバカァ!?」
僕の提案に、アスカは度肝を抜かれたようだった。
「第三新東京市って、かなりの広さがあるわよ」
「この合体した新しいエヴァンゲリオンなら、きっとできるはずだよ」
多分アスカにもかなりの負担をかけてしまうことだろう。
ワガママだといわれても、僕はその方法でみんなを守りたい。
だから心の底からアスカに協力をお願いした。
「アンタには借りがあるからね、やってあげるわよ!」
アスカの賛同を得られたから、エヴァを第三新東京市の中心、ネルフ本部の直上へと走らせた。
到着すると背中に出現した羽根を広げて、天高く飛び上がり、A.T.フィールドをドーム状に発生させて第三新東京市を覆った。
「何でエヴァが飛べるようになっているのよ!?」
「どうしてかはわからないけど、背中から光る翼が生えてきたんだ」
その後エヴァを巨大なATフィールドのドームの頂点に軟着陸させた。
「ふう、さすがに疲れた気がする」
「休めばまた元気になるわよ」
休憩を取るように座り込みながら、第三新東京市を包囲する戦略自衛隊の部隊の様子を眺めた。
突然現れたオレンジ色に光輝くA.T.フィールドの壁に、大混乱を起こしているようだった。
「戦略自衛隊の人達が、A.T.フィールドに通常兵器は効かないって解かってくれればいいんだけど」
「それは期待できないわね。多分、実際のA.T.フィールドを見るのは初めてだと思うわ」
とりあえず第三新東京市を守ることができた安心感。
落ち着いたところで、あの白いウナギのような顔をしたエヴァたちの正体が気になった。
何処の誰が作ったのだろう。
戦略自衛隊がエヴァを作れるとは思えないし、日本だけで9体ものエヴァを作れるとは思えない。
「シンジも気が付いた? 外国のネルフ支部が造ったエヴァが日本のネルフ本部に攻めてきたのよ」
「どうして? 同じネルフなのに」
さっきと同じようにアスカの考えがダイレクトに伝わってはこなかった。
「碇司令が人類補完計画を企んでいるのはシンジも知ってるでしょ? それを阻止しようとしているヤツらがいるのよ。戦略自衛隊を統括している日本政府にプロパガンダを流しているのもソイツらかもしれないわ」
確かにアスカの言う通りだ。
前の世界では敵のエヴァの強さに圧されて精一杯だった。
黒幕がネルフ支部に居るかもしれないなんて考えもしなかった。
「じれったいわね。山でも壊してA.T.フィールドの破壊力を見せつけてやるのが手っ取り早いわよ」
「山に人が居ないとは限らないじゃないか! それに山の動物や植物を傷つけたくないよ」
「まったく底なしの甘ちゃんなんだから」
そうぼやくアスカの声はどことなく嬉しそうだった。
凄まじい轟音と共に、戦略自衛隊の一斉砲撃が始まった。
戦車や戦艦の砲塔から雨のように弾が発射され、戦闘機やミサイルが飛び交う。
でも全部A.T.フィールドに防がれ、第三新東京市は無傷だ。
しばらくすると、戦略自衛隊の砲撃は止み、辺りは静まり返った。
「諦めてくれたのかな?」
「それならにらみ合いを続けずに後退するはずよ。……そっか! アイツらはエヴァの内部電源が切れるのを待っているのよ!」
前の世界での弐号機だったならば、その戦法は通じたかもしれない。
だけど僕達の乗るエヴァのエネルギーは、2人の愛と同じように無限大だ。
「だ~か~ら! アタシの顔を真っ赤にさせるようなことを考えるなっての!」
「真っ赤になったアスカの顔を見れなくて残念だよ」
軽口を叩く余裕もあった。
A.T.フィールドが無かったら、第三新東京市では多くの命が奪われて破壊されていた。
ネルフの方からもA.T.フィールドがあって反撃できないから、双方に被害はない。
大丈夫、まだお互いの誤解を解いてやり直す余地は残されている。
「でもこのままじゃ、日本政府とネルフ本部のにらみ合いが延々と続くだけよ。長引けば、このエヴァもどうなるか分からないし、ネルフや第三新東京市の人達の食料がもたなくなってくるわ」
「それでも僕は、エヴァで脅すなんてできないよ」
アスカの主張はもっともだけど、このまま我慢比べをするしかないと思った。
ネルフ本部が白旗をあげて降伏するか。
日本政府がプロパガンダだと気が付いて、戦略自衛隊に攻撃中止命令を出すか。
無血で決着を付けるにはその二択だとは思うけど……。
でも父さんが人類補完計画を企んでいたとしても、ネルフ本部が降伏するのはマズいと思う。
「心配はいらないよ。日本政府へのプロパガンダはすぐに消えるはずさ。僕がゼーレのキール議長を暗殺したからね」
「カヲル君!?」
声のした方を見ると、第三新東京市を覆うA.T.フィールドのドームの内側。
第三新東京市の高層ビルの屋上に制服を着たカヲル君が立っていた。
「おや、どうして僕の名前まで知っているのかな? 僕は君とは会ってはいないはずだけど」
「それは……」
カヲル君はまだ敵か味方かどうかも分からない。
自分が世界を逆走してきた存在だと明かすのはマズいと思った。
「僕は碇シンジ君という少年に会うために生まれてきたんだ」
「気持ち悪っ! 誰よアイツ!?」
カヲル君の事を知らないアスカの驚きの声が頭に響いた。
僕の外見はアスカが混じっている。
逆走していないカヲル君ならば、僕が碇シンジだとは断定できないだろう。
「君は興味深い存在だね。僕はシンジ君を探さなくてはいけない。これで失礼するよ」
ビルから飛び降りてカヲル君は姿を消した。
その直後から僕はアスカへの説明に追われることになった。
「結局アイツはストーカーって訳ね。元の姿に戻った時、寝取られないように要注意だわ……」
「えっ!? そこまではないと思うけど……」
「ベッドで寝ていたアタシ相手にナニしていたアンタはガチホモじゃないってのは分かるけどさ……」
ああ、やっぱり伝わってしまっていたんだ。
病室で寝ているアスカを相手にシてしまったことを。
「最低だよね、僕って」
アスカに嫌われたと落ち込んだ僕に、アスカが囁くように声を掛けた。
「そりゃあ、シンジも健全な男なんだし、体を持て余したりするのは分かるわよ。だから今は無理でも、これからずっと先もアタシがシンジの事が好きだったら……考えてあげない事もないわ」
きっとアスカは今までにないほど顔を真っ赤にしていると思う。
期待に胸を膨らませ過ぎた僕は、体の他の部分もムクムクとしてしまった。
「アソコを立たせるな!今のアタシ達は14歳なんだから、キスまでが限界よ!」
「う、うん、分かったよ」
「右手くらいは許してあげるけど、アタシで抜きなさい! 他の女で妄想したりしたら許さないからね!」
さっきから戦場の真ん中で、何とも緊張感の無い話をしているのだろうと、今更ながらに気が付いた。
戦略自衛隊の部隊は依然と動きを止めている。
蟻1匹通さないほどATフィールドで第三新東京市を隔離しているから、歩兵の人達も何も出来ないはずだ。
「それで、いつまでこうしていれば良いわけ?」
「カヲル君はすぐだって言っていたけど……」
欠伸が出そうになった頃、第三新東京市を包囲している戦略自衛隊の部隊の動きが慌ただしくなった。
戦闘機が編隊を組んで離脱し、戦車部隊も隊列を組んで道路を後退した。
「やった、これで戦争は回避出来たんだ!」
「油断は禁物よ。フェイントかもしれないわ」
僕は素直に手を打って喜んだけど、アスカは警戒を解いていない。
「大型破壊兵器を使うから、部隊を退避させたのかもしれないわ。シンジも覚えているでしょ? N2兵器」
N2兵器の威力はA.T.フィールドで防ぐ事は出来る。
でもそれはフィールドで覆われた第三新東京市の内側だけの話だ。
フィールドの外周は街1つ分ほど破壊されてしまうだろう。
だからN2兵器が使われたら、別にA.T.フィールドを使って抑え込むしかないと思った。
「N2兵器の使用は、その破壊力よりも深刻な事態を引き起こすわ」
「うん、そうだね……」
N2爆弾を落とすという事は、他の国に核爆弾を落とすようなものだ。
戦車の砲撃とは意味が違ってくる。
今度はネルフの方が、N2兵器を使用した戦略自衛隊を絶対に許さなくなるだろう。
だけど、心配したN2爆弾を搭載した爆撃機がやってくることはなかった。
その代わりにやって来たのは、白旗を掲げた日本政府の高級車の車列だった。
白旗はエヴァに乗っている僕へのメッセージだとも感じた。
エヴァを動かしたりしたら、車列は逃げ出してしまうと思った僕は、じっと耐えた。
車列から高そうなスーツを着た人達がぞろぞろと降りてくると、車のライトを不規則に点滅させた。
「あれは、モールス信号ね。近寄りたくないから、あれで合図を送っているのよ」
アスカの言う通り、ネルフ本部の方からも光の点滅が送られて来た。
モールス信号の応酬はしばらくの間続いた。
刺激してはいけないと、石像のようにエヴァの動きを止めていたら疲れてしまった。
「アスカはお互いに何を話しているかわかるの?」
「話の内容までは分からないわね。アタシもSOSくらいしか習ってないし」
停戦協議がまとまったのか。
降りて来ていた人達は乗ってきた車へと乗り込む。
そして車列は帰っていった。
「その赤紫色のエバーに乗っているのは誰?」
A.T.フィールドを解除すると、ミサトさんの声がモニター越しに聞こえた。
エヴァの合体の影響か。
音声が乱れ、モニターは映らないようだ。
僕は死んでしまったミサトさんの声がまた聞けて涙ぐんだ。
この合体した姿を見られなかったのはとりあえず幸運だったかもしれない。
「僕は初号機パイロット、碇シンジです!」
嬉しさのあまり僕は答えてしまっていた。
逆走前の世界から来た僕は、この世界ではイレギュラーな存在になっているはずだ。
「あなたが碇シンジ君? 弐号機で戦っていたアスカはどうなったの?」
「アタシはここにいるわよ!」
アスカの声が頭に響くけど、ミサトさん達には聞こえないようだった。
今のアスカは僕の中だけの存在だ。
「……さらっと、とんでもないこと言わないでくれる?」
「ごめん、ちょっとはしゃぎ過ぎたね」
早く合体を解いてアスカを自由の身にしてあげないと。
アスカの意思では体を指一本動かせないのだから。
でも、その前にネルフの安全を確認しておかなければならない。
「あの……攻めて来た軍隊の人達はどうしたんですか?」
「彼らの方から停戦を持ち掛けて来たわ。だけど、ネルフが使徒の襲来に備えて作られた組織だと、完全には納得はしてくれないみたい。現実問題として、使徒は現れていないしね」
僕の質問にミサトさんはそう答えてくれた。
停戦という事は、A.T.フィールドを解除したままじゃダメなのかな?
「そんな事は無いわ。戦略自衛隊の部隊は遠くに離れているし、アタシとシンジがずっと近くに居ていざって時に合体すればいいのよ!」
「そんなに上手く行くかな……」
だけどずっとこのままアスカと融合しているわけにもいかない。
特に精神体のような存在になっているアスカにこれ以上我慢をさせたくない。
初号機と弐号機の合体の解除はすんなりと上手くいった。
「また合体したい時は、アスカとキ、キス、すればいいんだよね」
「そ、そうね、今度はエヴァに乗る前にしたいものだわ」
都合よくエヴァが合体してくれるか怪しいものだけど。
あのゴツゴツとしたキスの感触はできることなら味わいたくない。
「あ、あの、大人のキスのことだけど……」
「分かってるわよ! ミサトたちと話す方が先よ!」
口直しのキスをすることもゆるされず、初号機と弐号機でネルフ本部に向かう。
「見つけたよ、シンジ君」
ビルの谷間に踊る影に僕は気が付いたけど、悪寒を感じて無視して進んだ……。
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