(前話で寮部屋の話やるのを忘れてた…
模擬戦が決まり、残りの一日が過ぎてゆく。
あの後も、織斑一夏はずっと貸した参考書を読んでいた。遅れたなりに、何とか授業に食らい付こうとしている。そんなことを考えていると、前から手を振って近付いてくる人物が1名。
「ふぅ~、まだ帰ってなくてよかったです。」
「どうかなさいましたか、山田先生」
「織斑くんと大津くんにそれぞれ部屋が用意されました!」
「一人部屋ですか?」
「いえ、急いで部屋割りを調整したので…」
「織斑と同部屋…」
「い、いえ…」
「まさか、女子と同部屋ですか…。まぁ、致し方ありませんね。部屋の鍵、確かに受け取りました。山田先生、ありがとうございます。」
「寮監は織斑先生ですから、くれぐれも問題は起こさないように。」
「もちろん。寮監にかかわらず、ね。」
「それでは、寄り道せずに真っ直ぐ寮に帰ってくださいね」
「えぇ、それでは失礼します。」
荷物は織斑教諭にでも言って取りに行くか。
職員室にいた織斑教諭に話をし、お急ぎで荷物を取りに行く。
と言っても、着替えくらいなもので、そんなに多くはないため、すぐに学園に戻れた。
同部屋相手が女子ということで、しっかりとノックし返答を待つ。
「は、はーい」
「同室の大津という者です。今大丈夫でしょうか?」
「う、うん。どうぞ…」
しっかり確認を取ったので、ようやくノブに手を掛けドアを開ける。
「改めて、大津魁人です。もしかしたら、部屋替えがあるかもしれませんが、それまでよろしくお願いします。」
「あ、さ、更識簪です。よ、よろしく。」
「更識さん、ですね。ベッドは奥側?それとも手前?」
部屋は高級ホテルのような感じで、ベッドの間には仕切りがある。
「えっと、奥の方に…」
「なら、手前を」
場所の確認をし、荷物を置きササッとラフな恰好に着替える。鞄からややくたびれたメモ帳を取り出し、周りに聞こえないように、書いてある文言を読み始めた。
更識さんが仕切りから顔を出し、何か言いたそうな顔でこちらを見ていた。
「すまない、うるさかったか?」
「い、いや…その…き、聞き覚えのある言葉が聞こえたから…。ウーザ・ドーザ・ウル・ザンガって…ウルカイザーの…」
俺はその言葉を聞き、メモ帳を閉じベッドから降り、更識さんに近づく。
「……更識さん、マジレンジャー知ってるの?」
「う、うん。ま、マイナーだけど…私は好き」
俺はこの世界で目覚める前の記憶がほとんどない。だが、唯一魔法戦隊マジレンジャーに関する記憶だけは思い出せる。アレは大手の会社が作った作品で、とてもマイナーなモノではないのだが…
「そうか。なら、うちの模擬戦を見に来るといい。面白いものが見れるぞ…」
そう言い残して、俺はベッドに潜った。
日付も変わり、織斑一夏の専用機が届いた。即ち、模擬戦の日である。
俺は第3アリーナのピットで織斑がISを纏っているのを見ていた。
専用ISの使用には、フィッティング(初期化)と最適化(パーソナライズ)を行い、
「じゃあ、先に行くぜ魁人!」
と、一次移行前の機体でアリーナに飛び出していった。
「あのバカ。何故しっかり説明を聞かない…」
「ロボは男の憧れともいえる。興奮冷めぬ前に…まぁ鉄は熱いうちに打て、と言いますし。」
「そうだな…、ところで大津。お前の機体、デフォルトでは飛べないと…」
「ええ。まぁ、デフォルトで飛べないだけですから…。」
「そうか。貴様がどんな戦いをするのかじっくり見せてもらおう。」
「…それはそうと、どうやら試合に進展があったみたいですよ。」
試合を中継しているモニターに目を向ける。どうやら一次移行が終わったようだ。
「さて、弟さんも本領発揮ですかね…。」
「どうだろうな。アイツは調子に乗る可能性もある…それにアイツの剣アレは…」
「現役時代の教諭の武器と酷似してますね…」
モニター横に出ている情報を見ると[雪片弐型]と出ている。
「どうやら、私の雪片の後継のようだ。それに、どうやら…」
織斑が何やら金色の気のようなものを纏っている。あの現象は聞いたことがある。
「
「あぁ、私と同じ【
「つまり、エネルギーに直接ダメージを与えられ、エネルギー残量勝負のISでの戦いでは必殺の一撃に…」
「そういうことだ。だが…」
試合終了のブザーが鳴り、勝利者の名を告げる。
『シールドエネルギーエンプティ!勝者、セシリア・オルコット!!』
「シールドエネルギーをしっかり管理し、確実に攻撃できれば…の話だったな。」
やや呆れたように、だが予想できていたようにも聞こえた。
「さて、オルコットのエネルギー補給が済んだら、出番が来るぞ。」
「ええ、準備はできています。」
左胸のあたりに銀色の[W]があしらわれた紫がかったローブを纏っていた。
「では、先にアリーナで待つとしよう」
俺は、アリーナへと飛び降りた…
本作3話ををお読みくださりありがとうございます。
うp主の酒飲みでございます。
前書きでも言いましたが、本来今話で
魁人の戦闘を描く予定でしたが寮のお話を
差し込んだため、次話に回させていただきます
ほどほどにお楽しみに(笑