オルコットとの模擬戦にケリを着け、魔方陣を通過し生身の状態で傍に寄る。
「先の戦いの反省が活かされた良い戦いだった。」
俺は、地に座っているオルコットに手を差し出し、彼女はその手を取った。
「今回は負けましたが、次は負けませんわ!」
「うむ、まだまだ伸びしろはある。ビット兵器と自身の同時移動、戦略面、それから…接近戦も訓練するといいだろう。精進しろ、青の狙撃手よ」
「はい!」
オルコットの瞳は死んでいない。しっかり鍛錬を積んでいけば、いずれ優秀な操縦者になるだろう。さて…
「問題は次か…」
俺はピットを仰いだ…
俺はウーザフォンからバリキオンを呼び、一度ピットに戻り、
反対側のピットには次の相手である織斑一夏とブリュンヒルデ。
「何らかのアドバイス・対策はあると考えておく方が良いか…」
俺は姿を変えた状態でアリーナに降り立った。
アリーナ中央からは離れた位置で織斑一夏が現れるのを待つ。
「魁人、待たせたな。さぁ、始めようぜ!」
「来い!」
俺はウルサーベルを抜刀し、空中に居る織斑一夏へゆっくりと切っ先を向けた。
試合開始のブザーと同時に突っ込んでくる。俺はできる限りそれを引き付けた上で、最低限の動きで避ける。大ぶりの攻撃だったことあり、俺に背を向ける形になったので、横斬撃を流れの中最低限の動きで叩き込む。
直撃を受けた織斑はバランスを崩したが、スラスターで体制を整え空中へと距離を取った。
それを見た俺はサーベルを盾に納めた。
「どうした、その程度か?」
「まだまだぁ!!」
その後の織斑の攻撃は単調なものだった。空中から突っ込んできては避けられの繰り返し。全てを紙一重で避けつづけ、一見攻めているように見える織斑だけが疲労を露わにしていく。
しばらくはその状態だったが、エネルギー残量か、または織斑自身の体力の問題なのか、攻撃が止まった。
「はぁ…はぁ、どうして攻撃してこない!」
「するまでもないからだ!…ブリュンヒルデの弟だからと期待したのだが…、所詮この程度か。」
嘲笑うように、吐き捨てる。言うまでもないが、本心ではない…するまでもないのは事実だが…。
「貴様がこの程度なら、織斑千冬の実力もそこが知れるな!!」
「千冬姉を…バカにすんじゃねぇ!!」
織斑が金色のオーラを纏いだし、雪片弐型から光の刃が生成された。
「零落白夜……単一仕様か…。貴様にそれが扱い切れるのか!!」
「黙れぇ!!」
先程までと同様の単調な突進攻撃。俺はそれを避けずに、更に盾も捨てた。
「くらえぇ!!」
光の刃が俺を切り裂く。だが、鎧には一片の傷さえも付くことがなかった。
「能力頼りの戦い方など、俺には通用しない。」
必殺の一撃であった零落白夜が通用せず、動揺している。俺は、シールドからサーベルを抜き、織斑を蹴り飛ばす。
ISでの戦闘中に徒手空拳系攻撃が来ると思っていなかったのか、そのままアリーナ壁面にめり込み、地べたに座り込む織斑に向けゆっくりと喉元に、切っ先を近づける。
「貴様は先の戦いからまるで成長していない。あの単調な攻撃、相手の間合いや戦法戦術を見向きもしない戦い方、通じない戦法を柔軟に変化させず、無駄に消費するエネルギー。そのうえ更にエネルギー消費の激しい能力の使用…。貴様では、俺にダメージの一つも負わせられん…、さっさと降参するんだな。」
俺は織斑に背を向けアリーナ中央へと歩いてゆく。ジャガンシールドを回収し、サーベルを納め、バリキオンで戻ろうとしたその時だった…。
後ろから高速で接近する織斑が居た。やぶれかぶれのその剣筋に俺は剣を抜くことさえもせず、鳩尾目掛けカウンターブロウでとどめを刺した。
「シールドエネルギーエンプティ!勝者大津魁人!」
アリーナには、無機質なアナウンスだけが響いた。
本作5話ををお読みくださりありがとうございます。
うp主の酒飲みでございます。
さて、ややアンチ・ヘイト気味でしたが
代表候補生として努力しベースがあるオルコットと
ズブのど素人…とまではいきませんが、通常戦闘経験がない一夏
この二人の差、そもそもの剣士としての実力の差を描ければと…
私の文章センスで伝わるかわからず、ここで補足する…うーん、何たる愚行(笑
そんな言い訳をしつつ最後に、皆様…闇の帝王の登場は
一体いつになるのか…お楽しみに(笑