青い悪魔と吸血姫   作:mutu

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12話 教師

     

 

 

      3-A 、教室前

 

 

 

 

タカミチに案内されて教室の前まで来たバージル。

教室ないは、授業中なのか静かだ。

 

「それじゃあ、ちょっと待っててね。」

 

そう言ってタカミチは、教室のドアをコンコンとノックした。

 

すると中から「は~い」と幼い声が聞こえてくる……

 

バージルは、(……まさか)と頭の中でこれから出て来る人物の歳を予想した。

 

そして教室のドアがガラガラっと開いた。

 

「あ!タカミチどうしたの?」

 

中から出てきたのは、スーツを着た赤い髪の子供だった。

 

また教室内から女子生徒の「え!?タカミチ先生!?」と驚いている声も聞こえてきた。

 

それにしても子供が教師、そう子供……

 

(……やはりか)とバージル。

 

バージルの予想は、見事的中していた。

 

「ネギ君、新しい先生を連れてきたよ」

 

「?……あ!?そっか今日新しい副担任の先生が来るって学園長が言ってたんだっけ!?…えっと…初めまして!!。ネギ・スプリングフィールドです!!…バージルさんですよね?」

 

ネギは、バージルへと顔を向け笑顔で自己紹介をした。

 

「ああ、これから宜しく頼む。ネギ先生」

 

バージルは、ネギのその問いにたいして無表情で返し手を差し出した。

 

「はい!!此方こそ宜しくお願いします。バージル先生!」

 

そんなバージルの素っ気ないともとれる返しにネギは、気にした様子もなく笑顔でバージルと握手をした。

 

「じゃあ僕の役目は、これで終わりだね。じゃあね、ネギ君。それと、バージル君頑張ってね」

 

そんな二人にタカミチは、顔に微笑みを浮かべていた。

 

「またね!タカミチ」

 

「ああ」

 

ネギとバージルは、タカミチの言葉に反応した。

 

「それじゃ」

 

そう言ってタカミチは、廊下の先に歩いて言った。

 

 

 

「それじゃあバージル先生クラスの皆に説明して来ますので少し待っていてください。説明が終わったら呼びますので」

 

「ああ……ちょっといいか?」

 

「はい?」

 

「俺は、こんな格好のままで大丈夫なのか?」

 

バージルの今の格好は、青いコートに中に黒いシャツを着てる状態だ。

 

勿論刀は、刀袋に入れて持ち歩いている。

 

「初日ですんで大丈夫ですよ!!……後事情があることを学園長から聞いていますんで」

 

「そうか、呼び止めてすまないな」

 

「いえ、気にしないでください!それじゃ少し待っていてくださいね」

 

「ああ」

 

そうしてネギは、教室に入って行く。

 

ネギが教室に戻り教壇に立つ。

教室内は、生徒達がザワザワしていた。

 

「なんやろね?」

 

「さぁ~?…あ!!そうだ!朝倉何か聞いてないの?」

 

「いや、それが全く情報がないんだよ。…麻帆良の新聞部の私がなんたる不覚!!」

 

ザワザワザワザワ

 

「皆さ~~ん静かにしてくださ~~い」アセアセ

 

パンパン)

 

「皆さん!ネギ先生が困っているでは、有りませんか!静かになさい!……さ、ネギ先生どうぞ」

 

「あ、ありがとうございます!雪広さん!……えっとここで皆さんに報告があります。えっと急遽、源先生に変わって新しい副担任の先生が我がクラスに配属になりました」

 

「「「「「おおーーー!!」」」」」

 

「それでは、お呼びしますね…どうぞ入って来て下さい」

 

呼ばれたバージルは、教室のドアを開け教室に入る。すると後ろの席の方で「ブフォッ!!」とどこかで聞いた事のある声が聞こえた。

バージルは、ネギに「自己紹介をお願いします」と言われ教壇の真ん中に立つ。

 

「新しく副担任になったバージルだ。教える教科は、英語だ。ネギ先生の輔佐としてな。短い間だがよろしく頼む」

 

自己紹介を終えると教室内は、シ~ンと静まり返った。 

 

バージルは、(何か間違えたか?)と頭に疑問符を浮かべる。

 

だがそれは、杞憂に終わる。

 

「「「「カ…カッコイイィィィィ~!!!!」」」」

 

いきなりの第絶叫である。

そして。

 

「どっから来たんですか!?!?」、「趣味は何ですか!?!?」、「好きな人は、居ますか!?!?」、「何かすごく強そうアル!!勝負するアル~!!」、「フム、強そうな、御仁でござるな。ニンニン」と等々質問攻めに合う、バージルであった。

 

……あと質問とは、関係ない事まで聞こえるのは、気のせいか? 

すると一人の女子生徒が、

 

「皆ストップ!!!ここは、新聞部の朝倉に任せなさい!!……コホン…バージル先生幾つか質問良いかな?」

 

バージルは、ネギの方を見て。

 

「良いのか?」

 

「えっと…はい!!!大丈夫です。今日の範囲は、終わってますので!!」

 

「わかった…で、質問とは、何だ?」

 

「では、まず、出身は?」

 

「イタリアの片田舎だ」

 

「なるほどなるほど。年齢は?」

 

「21だ」

 

バージルが、年齢を言った途端、バージル以外のほぼ全員が(ある二人を除いて)が。

 

「「「「…………えええぇぇぇーーーーー!!!!!!!!!」」」」の大合唱であった。

 

 

前から二列目、バージルから見て左から二番目の席に座る生徒は、「すいませんすいません!!」とブツブツ呟いていた。

 

刹那であった。

 

まぁ刹那が居ると言うことは、必然的にエヴァンジェリンと茶々丸も居ることになる。

 

それから年齢を聞いた生徒プラス担任は、口々に、「嘘でしょ!?」「……絶対30以上だと…」や「見掛けより若いんやな~~」…と失礼な言葉の連続であった。

 

「?」

 

だが当のバージル本人は、何時もの無表情に疑問符を浮かべていた。

 

そして朝倉がもう一度同じ質問をする。

 

「ほ、本当に21なの?」

 

「?ああ…何か可笑しいか?」

 

「あッ!?いえいえ、そんな事は、ありませんッ!……コ、こほん。では、気を取り直して……バージル先生ってスゴく大きいですよね?身長は、何センチなんですか?」

 

「190だ」

 

「なるほどなるほど、……このクラスで一番大きいと(メモメモ)……次に、趣味と特技?」

 

「ふむ……趣味は、読書と料理だ」

 

バージルが趣味は、料理と言った途端座っていたエヴァンジェリンが「貴様!?それは、本当か!?」と聞いてきた。

 

それにバージル、「ああ…嗜む程度にな」とだけ返した。

 

それを聞いたエヴァンジェリンは、「……ま、また負けた」と席に項垂れた。

 

隣の席に座っている茶々丸に「ドンマイです。マスター」と背中をよしよしされていた。

 

 

その一連のやり取りを聞いた。朝倉は目を光らせ

 

「エヴァちゃんと知り合い何ですか?」と質問してきた。

 

その質問にバージルは、咄嗟に

 

「ああ、エヴァとは、昔からの知り合いでな。今は、エヴァの家に住んでいる」

 

「えッ!?それはそれは」ニヤニヤ

 

「…何を勘違いしているか知らんが。俺とエヴァは、恋仲では、ないぞ?、ただ今、教員寮の空きがないらしく、それで昔からの知り合いのエヴァの所に厄介になっているだけだ」

 

「……な~んだ…そうなんですか」朝倉は、残念そうに項垂れる。

 

「次は、特技だったな?」

 

「あ、はい、そうです」

 

「特技は、武術と剣術だ」

 

バージルが武術と言った時にまた一人の生徒がガタッと立ち上がり突然笑顔で「やっぱり強そうアル~!勝負アル~!!」と勢いよく言ってきたのである。

 

「……確かお前は、…出席番号12番のクーフェイだな?」

 

バージルは、自分の持っている出席名簿を見ずにクーフェイの出席番号と名前を言ったのであった。

 

バージルは、さっきタカミチから出席名簿を渡されていた。

 

渡された時に流し見しそれだけで名簿内にある生徒全員の出席番号と名前を覚えたのである。

 

「アレ?どっかで会ったアルカ?」

 

当然クーフェイは、まだ名前を言った覚えがないのに、自分の名前を当てられた事に疑問符を浮かべた。

 

「いや、会った事は、ない。たださっき渡された名簿を見て覚えただけだ」

 

バージルは、さも当たり前のようにそう答えた。

その事を聞いていた、生徒達とネギは、驚きの表情を浮かべる。

 

誰でも驚いて当然である……

 

「ソナコトどでもいいヨ!勝負するアル~!」

 

クーフェイにとってそんな事は、二の次であった。

クーフェイは、強い人と戦うのが好きなのであるのだから。

 

「…ネギ先生どうすればいい?」

 

クーフェイの対応にどうすればいいか迷ったバージルは、担任のネギに聞いてみた。

 

「…え!?え~と?と、取り敢えずクーフェイさん。せ、席に座ってください~」アセアセ

 

「むりヨ!」バッサリである。

 

ラチが、明かないとバージルは、さっさと終わらせるためにクーフェイに提案をする。

 

「…わかった。勝負してやろう」

 

「じゃあさっそく!「しかし」?」

 

「条件付きだ。俺は、動かないからお前は、全力で自分の最大の技を俺に撃ってこい。それを当てられたらお前の勝ち、防がれたら俺の勝ちだ。勝っても負けても席に着くのなら、勝負を受けてやる。どうだ?」

 

バージルの発言に皆が押し黙る。

 

クーフェイは、これでも麻帆良で開かれる武道大会での優勝者だ。

 

バージルのことを知っているエヴァンジェリンと茶々丸は、何の心配もしてないが。

 

その他は、別だ。

 

朝倉は、バージルを心配して「…せ、先生?危ないよ?」

 

「小娘に負けるほど柔な鍛え方は、していない」

 

クーフェイは、小娘発言にカチんときた。

 

そして……

 

「……わかたヨ…その条件でいヨ…怪我してモ。知らないアルヨ?」

 

「ご託は、いい。さっさとしろ」

 

生徒達は、こう言うのを見慣れているのか。

テンションを上げだし。

 

机や椅子を端に寄せ始める。

 

それから口々に「クーフェイに食券三枚!」、「じゃあ私は、バージル先生に食券一枚」と何やら賭けを始める始末だった……

 

中には、常識ある何人かの生徒がバージルに「危ないですよ?」と言いに来たが、バージルは、「心配ない」と何時もの無表情でそう言っていた。

 

刹那は、この勝負でバージルの強さを確認できると。

 

静かに二人を見つめていた。

 

そしてエヴァンジェリンも記憶の中でバージルの戦いは、見ていたがこうしてバージルが間近で闘うのは、初めてであるため興味深そうに二人を見つめていた。

 

担任のネギは、終始ワタワタしていたが……

 

 

教室の真ん中に移動した二人は向き合う。

 

そうして向き合っている二人に茶々丸が近付き。

ふとバージルに

 

「刀、お持ちいたしましょうか??」と言ってきた。

 

「ああ頼む」

 

「かしこまりました」

 

そう言って茶々丸は、バージルの刀を持って下がって行く。

 

「いつでもいいぞ」

 

「…行くアル!」

 

バージルの言葉でクーフェイは、左半身になり左腕と左足を前に出し右腕を腰に置き。

そして右足に重心を預け勢いよく地面を蹴りその反動を使い瞬時に左半身から右半身に切り替え、前に飛ぶそして腰を捻る反動を使い一気に右拳を前につき出す。

 

狙いは、鳩尾…

今クーフェイが出せる最高の突き。

中国拳法、ポン拳である。

クーフェイの突きは、早かった。

到底一般人には、見極めることの不可能な動きだ。

 

 

 

 

 

しかし……

 

 

 

 

 

 

 

バージルは、クーフェイの腕を左手で掴んでいた。

 

 

「ッ!?!?」

 

クーフェイは、驚愕した。

自分は、全力を出した。

クーフェイは、そこら辺の男より倍以上の力を持っている。

 

その力で全力の突きを放てばいくら男と言えど避けるしか手段は、残っていない(クーフェイの動きを見えてるのが前提だが)

 

 

その突きをバージルは、いつもの無表情を崩さず、顔色さえ変えなかった。

クーフェイの惨敗である。

バージルは、掴んでいた腕を離した。

 

「アイヤ~~……まさか左手一本で止められるとは、思わなかたヨ…私の負けアル…まだまだ修業がたりなかたヨ……しかし先生強いアルナ!!また強くなって出直して来るアル!!」

 

「…わかったからさっさと机を戻して席に着け」

 

勝負が終わりクーフェイは、落ち込んだと思ったらすぐに元気になりバージルに再戦を要求していた。 

 

 

二人の戦いを見ていた生徒達とネギは、大歓声を二人に上げていた。

 

 

二人の勝負を見ていたエヴァンジェリンは、(…流石に勝負ならないか)と思い。

 

逆に刹那の方は、(……やはりバージルさんは、すごい…私も全力で手合わせに望まなくては)と今日学校終わりにあるバージルとの手合わせに対して燃える刹那であった。

 

バージルとクーフェイの勝負が終わって少ししたら授業の終わりを知らせるチャイムが鳴り出した。

 

    


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