今、この男なんと言ったんだ……「……魔剣士スパーダ」確かにそう言った。
エヴァンジェリンは、ベッドに横たわっている男、バージルの目を嘘を吐いていないか確認の為に注意深く見つめた。(…………嘘では、ないのか。)
エヴァンジェリンは、今日何回目の驚きだったのだろうか……
(知っている、私はその名前を、伝説の英雄スパーダ……)
エヴァンジェリンは、昔自分がまだ吸血鬼にされる前に何度も使用人に読んでもらった本。
題名を人間を救った悪魔。
この話が小さい頃のエヴァンジェリンは大好きだった。
人間の味方をする魔剣士スパーダ。
そして人間達と一緒に魔界から来た悪魔達と勇敢に戦いそして人間達を勝利に導いた英雄スパーダ。
本の終わり方はスパーダが旅に出て終わる。
エヴァンジェリンは、驚きと懐かしさが込み上げてきた。
「……お前が魔剣士スパーダの息子か、何とも懐かしい名前が出てきたものだな。なるほどお前の魔力が高いのはそう言う事か。」
「マスター、失礼ですが魔剣士スパーダとは、私のプログラムにも載っていない人物なのですがどういった方なのですか?」
「まぁ、茶々丸。お前が知らなくても当然か……何せもう1000年も前の話だからな。そうだな簡単に説明すると魔界から進行してきた悪魔達を人間達と一緒になって戦った。人間界の英雄様だよ。」
「そのお方のご子息様がバージルさん何ですね?」
「そうゆう事だ」
「ですが何故私のプログラムの中には、その英雄の話が入っていなかったのでしょうか?その様な話なら本になって残っていてもおかしい事は、ないんでは、ないでしょうか??」
「なに、もう2000年も前の話だからな。しかもそんな話、普通は、お伽噺だとおもってしまうから、誰も信じないだろう。600年前でさえ私が読んでもらっていた本だって、ボロボロの状態だったんだ残って無くてもまぁ不思議では、ないだろう。この話を知っている奴なんてこの辺だったらクソジジイ位だろうよ。何にせよ、バージル貴様はやはりおもしろい奴だな……今の私は、すごく気分がいい、もし行く当てがないのならこの家に好きなだけ泊まっていけ。私が許可してやる。」
「アーハッハハハ!!!」とエヴァンジェリンは、ものすごい高笑いを始める。
そしてその事を聞いたバージルは、それも有りかもなと思い始めた。
バージルは、まだどう人間達と接していいかと、そしてダンテに会うのを渋っているのだ。
バージルのプライドは、まぁバージルの言動を聞けば分かるとうり、もすごく高い方だろ。
多分エヴァンジェリンといい勝負かもしれない(/ー ̄;)
そんなバージルが今すぐイタリアに帰ってダンテに謝るなど、悪いことをしたとはいえプライドが高い、そして兄バージルとしては、到底無理な話なのである。
それにバージルは、ここを拠点に人間の事を知ることもいいんじゃないかと考え始めている。
「ならその言葉に甘えさてもらう、俺の目的のためにな。」
と言ったバージルにエヴァンジェリンは、「目的?」と聞いた。
エヴァンジェリンは、バージルが英雄の息子とわかった時点から出てきた新しい疑問。
それは、バージルがどうやってここに来たことと、誰がバージルにこれ程の傷を負わせたのか。
エヴァンジェリンは、バージルが強いことなどバージルと話始めたときから気づいていた。
エヴァンジェリンは、睨まれた時に心の中で(……今の状態のこいつと戦っても確実に負けるだろう。だがもし私の魔力が戻ったとして、そしてこいつの傷が治って戦うことになったら、負けるのは、どちらだろうな……)と内心で楽しそうに笑みを浮かべていた。
話は、戻り
「目的とは、何だ?」
「人間の事を知ることだ」
「人間の事を知る?何故だ?」
エヴァンジェリンは、疑問符を浮かべた。
バージル程の人物に人間ごときが太刀打ち出来るはずがないと思っていたエヴァンジェリンは、更に興味を示す。
そしてエヴァンジェリンは、「まさか人間に負けたから、人間の事を知りたいんじゃないんだろうな?」と顔をニヤつかせ、挑発気味にバージルに言った。
「……半分は正解だな。」
「半分?」
「このキズは弟に負けて付けられたものだからだ。」
「弟!?貴様弟がいるのか!?」とエヴァンジェリンは、今日何回目かわからない程の驚きを示した。
(……こんなバグがもう一人居るとは、世界も案外広いものだな。此れほどの奴なんて魔法世界の英雄赤き翼の中でもナギやラカンと言ったやつでもない限り釣り合わないだろうな……まぁナギやラカンでもこいつに勝つのは、厳しいと思うがな……)
エヴァンジェリンは、唐突にこんなことを切り出した。
「貴様の記憶を覗かせてくれないか?」
「……何故?」
「…なにこれも興味本意だ。貴様ほどの奴を倒した相手を見てみたいと思ったから、話を聞くより見たほうが早い、とな。なに別に全ての記憶を見るなんて事は、絶対にしないから安心しろ。」
上から目線全開のエヴァンジェリン。
そんなエヴァンジェリンの発言に、バージルは、内心で(……相談できる相手を見つけろか。母さんは、この小娘の事を言っていたのだろうか。確かに話すより見せる方が信憑性も上がる……この小娘が俺がやった行いに対して誰かに告げ口したりしないのは、さっき目を見て確信したところだ。まぁ誰かに言われた言われたらで、逃げるのは、本意ではないが目的のためには、仕方ない事だな…)とバージルは、思う。
辛い道、前を向いて歩く、母、エヴァの言葉、ダンテの言葉、父スパーダの言葉を心情にバージルの、力こそ全てと言った思いは、間違えであると段々と気づき始めていた。
だからバージルは、人間の事を知りそして極力人間を殺さないこと(状況によるが)を家族の言葉に誓いをたてていた。
バージルは、エヴァンジェリン対して「…好きにしろ」とぶっきらぼうに答えた。
バージルの記憶
エヴァンジェリンは、早速魔法で、バージルの記憶を見ている。
エヴァンジェリンは、それは、もう驚きまくっていた。
スキンヘッドの司祭、塔、大量の悪魔、白い二足歩行で歩く十メートル位の獣型の巨大な悪魔、強大な魔力を発するこれまた巨大な青いうねうねした化け物、そして……
バージルと同じ顔で真っ赤なコートを着た大男…………
(……凄まじいな…それに、バージルの力は、ここまでものだったとはな…)
エヴァンジェリンは、バージルと弟(ダンテ)の戦いを見て面食らう。
それは、そうだろうここまでは、説明しなかったがバージルとダンテは、人間の姿の他にもう1つ、悪魔に変身できる能力を持っている。
姿は、バージルの方がコートをそのまま青い外装の甲羅のように、そしてバージルの人間の時と変わらない大きさ。
ダンテの方も赤いコートを外装にしたバージルと色違い(所々は、微妙に違うが)
の姿、この姿の事をバージルとダンテは、魔人化と言っている。
この魔人化かは、凄く魔力を使ってしまうので余り長い時間は変身できない。
だが、人間の姿のときより身体能力や攻撃力が凄まじい程に上がる。
これは言うなれば切り札と言ったところだろうか。
そして場面は、人間界と魔界の狭間、バージルとダンテの最後の戦いの時……
エヴァンジェリンは、その戦いの光景を目に焼き付けていた。
お互い人間の姿で凄まじい速度で大剣、刀をふるう。
時より離れダンテは、腰の二丁の45口径のハンドガン(大きさ的には、ハンドガンではないが)で、あり得ない連写速度でバージルに向かって撃つ。
そんな銃撃をバージルは、刀を手首で回す運動で目の前で回し始める。
エヴァンジェリンは、(そんなことで銃弾を防げるか!!!!!)と内心でツッコミを入れる。
だがそんなエヴァンジェリンの思惑は、当たらない。
銃弾は面白いようにバージルの刀に防がれていた。
だがどっかに銃弾を弾いてるのではなく刀の遠心力をうまく使い刀に銃弾を張り付かせている。
イメージ的には、水の入ったバケツを振り回す感じだろうか?そして一頻り撃ったダンテは、撃つのをやめた。
無駄だと感じたんだろう。
それを見たバージルは、刀を回すのをやめ刀の側面を上に向けた。
(なッ!)とエヴァンジェリンは、驚愕した何故なら、ダンテが撃った七発の銃弾が綺麗に刀の側面に並んでいたからだ。
バージルは、刀を真横に下げピッと地面なぞるように刀を引いた。
そして面白いように銃弾がバージルの横にたて一列に並んだのだ。
ダンテは、ニヤりと笑い次に来るバージルの攻撃を予測した。
バージルは、相も変わらず無表情のまま一列に並べた銃弾を刀でダンテに向かって飛ばした。
銃弾の速度は、ダンテの銃と同じ速度でダンテに飛んでいった。
それを見たダンテは、背中の大剣を抜き放ち銃弾が縦に並んだ瞬間を見極め、大剣を縦一閃。
銃弾は、すべて綺麗に切れダンテの両サイドに別れて飛んでいった。
ここまでの戦いを見せられたエヴァンジェリンは、一瞬息を吸うのを忘れてしまっていた。
そして戦いは最後の時を迎える……
バージルが崖から体を投げエヴァンジェリンが見ていた景色が真っ暗になる。
(……これて終わりか…)とエヴァンジェリンは、バージルの記憶から抜け出そうとしたとき不意に後ろから声が聞こえた……
「お前がエヴァンジェリンだな。」と……