青い悪魔と吸血姫   作:mutu

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9話 出会いの予兆

 

 

 

バージルがエヴァンジェリン達に拾われてから3日がたった。

 

ふと昨日の事を思い返すバージル。

 

昨日は、体を休めるために大半は、ベットで横たわっていた。

 

エヴァンジェリンや茶々丸は、学校に行っていると茶々丸に聞いたバージルは、少し驚いていた。

 

何せ600年も生きているエヴァンジェリンが今更学校に行っていると聞いたからだ。

 

話を聞いてみれば、ナギと言う奴と戦いそして負けて、負けた代償として登校地獄と言うふざけた名前の魔法を掛けられてしまい15年も学校に通う羽目になってしまったらしい。

 

その説明をしていたエヴァンジェリンは、終始「私はッ!これっぽっちも負けたなんて思ってないからなッ!」と息巻いていた。

 

落とし穴に落とされ自分の嫌いなものを穴に入れられ降参、(……何ともふざけた戦いだ)、とバージルは、心の中で呟いた。

 

そしてその事で息巻いているエヴァンジェリンに哀れみの目を向けるバージルであった。

 

エヴァンジェリンと茶々丸が学校に行っている間は、エヴァンジェリンがバージルの寝ている寝室にチャチャゼロを持ってきて「こいつと話でもしていろ」と、チャチャゼロをバージルの枕元に置いた……絶対に嫌がらせである。

 

しかしエヴァンジェリンの思惑は、また外れる事になる。

 

なぜかと言うとバージルとチャチャゼロは、刃物談義で盛り上がっていたからだ。

 

あーでもないこーでもないと終始盛り上がっていたと言う。

 

そしてエヴァンジェリンと茶々丸が帰って来てエヴァンジェリンは、すぐにバージルの部屋に向かう。

 

内心笑いを堪えながら……

 

だが蓋を開けてみれば盛り上がっているバージルとチャチャゼロ。

 

エヴァンジェリンは、鳩が豆鉄砲を食らったような顔になる。

 

そして止めにバージルと、チャチャゼロから「有意義な時間を過ごせた。礼を言う」、チャチャゼロも「オレモ楽シカッタゼ。アンガトナ、ゴ主人」とお礼まで言われてしまう始末だった。

 

哀れエヴァンジェリン……

 

エヴァンジェリンがバージルの部屋に来てから少しして今度は、茶々丸が部屋に訪れた。

 

放心状態のエヴァンジェリンを見た茶々丸は、「……大丈夫ですか?マスター?…」と心配していた。

 

それに対してエヴァンジェリンは、[……大丈夫だ。……気にするな]

 

とテンションガタ落ち状態で返事をした。

 

その返事に対し茶々丸は、「そうですが」とあっさりッとした感じで返事を返した。

 

 

「何か用か?」とバージル

 

「はい。バージルさん、採寸をさせていただいてよろしいですか?」

 

「…何故だ?」

 

「はい、バージルさんは、服を1着しか持っておられないので採寸して服を買いに行こうかと思いまして」

 

「……そんなことまでしてもらわなくてもいい…」

 

「気にしないでください。マスターの許可は、先ほど取っていますので、それにバージルさんは、まだ寝てないといけませんから。何かと替えの服を持っていた方がいいと思いまして。」

 

「……わかった。だが金は、必ず返す。」

 

「はい、それでは、申し訳ありませんが少しの間立っていただいても構いませんか?」

 

「わかった。」

 

採寸終わって。 

 

「それでは、マスター、姉さん、バージルさん、行ってきます」ペコリ

 

「……ああ」

 

「オウ、行ッテコイ」

 

「ああ」

 

上から、エヴァンジェリン

チャチャゼロ

バージル

 

こうして買い物に出掛けた茶々丸だった。

 

部屋に残されたバージル達。

 

「…………で貴様らは、何の話をしていたんだ?」

 

ふと、エヴァンジェリンがそんなことを聞いてきた。

 

余程バージルとチャチャゼロが仲良く話しているのが予想外だったらしい。

 

その質問に対してチャチャゼロは、「始メハ、バージルノ刀ノ事ダッタナ」とバージルの方を向いて言うチャチャゼロ

 

「そう言えばそうだったな」

 

[あの刀についてか…]

そう聞いたエヴァンジェリンは、バージルの記憶を思い出す。

「確か斬撃を飛ばしたり複数の奴に対して真空状態の斬撃を叩き込んだりとむちゃくちゃな刀だったな…、あれは、空間も一緒に切っていなかったか?」

 

「ああ。あの刀の名は、閻魔刀、親父が作りそして親父の形見でもある」

 

「サッキモ、言ッテイタナ、確カアノ刀ハ、次元ヲ切ル刀ッテ言ッテタヨナ?」

 

「…じ、次元を切る?……なんて出鱈目な…」

 

「ああ、チャチャゼロが言うように、確かに閻魔刀は、次元や空間、結界の類いを切るのに最適な武器であるが、結局それは、最適な、と言うだけであって刀を扱う奴の技量がなければ普通の日本刀と変わらんがな……それにあの技は、一定以上の魔力がなければできん技でもあるから、……まぁ要は、鍛練しだい…と言うことになる」

 

「……それにイメージも含まれる……では、ないか?」

 

「ほう…良くわかったな、マクダウェ」

 

「ふふん♪それくらいの事容易にわかるぞ」

 

予想が当たって上機嫌なエヴァンジェリンである。

 

「そう、マク「エヴァ」??」

 

「エヴァでいい、マクダウェルだと長いだろう?」

 

「フッ、エヴァの言うとうり、あの技、名は、次元斬りは、イメージも必要だ。斬る対象物、何処を斬りたいかどう斬りたいかなどをイメージしなければならい」

 

「何度聞イテモメンドイ技ダナ」

 

「……驚くべきは、それを戦いの時に瞬時にやってしまう、お前何だがな、バージル」

 

「さっきも言ったが、鍛練しだいでどうとでもなる」

 

「…それも生半可な鍛練では、身に付かない…か?」ニヤリ

 

「ああ、……それに他の刀でもやろうと思えば出来たりするんだがな、只威力は、格段に落ちるだろうが。」

 

「なるほどな。だがこれじゃ神鳴流の奴等は、形無しだな、我流の奴にここまでやられてしまえば。」

 

「神鳴流?何だ?それは?」

 

「ああ、お前は知らくて当然だな、京都発祥の退魔特化の剣術を得意とする。奴等ことだよ。」

 

「…そんな流派があるのか…興味深いな。」

 

「ここの学園にもその使い手は、いるぞ。」

 

「…ほう。」

 

「学園の教師、葛葉刀子、そして私と同じクラスの桜咲刹那、……女の使い手二人がな。」

 

「どんな技か一度手合わせしたいものだな。」

 

「オレモ誰カト斬リ合イタイゾ、オ…ソウダゴ主人」

 

「何だ?チャチャゼロ?」

 

「バージルノ奴ニ、別荘をヲ使ワセテヤラナイカ?」

 

「ふむ…それは、面白いな(ニヤリ)バージルと戦いたい…と言いたいんだな。」

 

「ケケケ、アア」

 

「バージルは、構わないか?勿論私も参加するぞ?チャチャゼロは、私の従者だからな。」

 

「?別荘とは、何かわらんが…ああ、手合わせぐらいなら構わん。俺もお前らがどのくらいやるのか興味がある。」ニヤリ

 

「じゃあ……決まりだな。」ニヤリ

 

こうしてエヴァンジェリン、チャチャゼロ、バージルの手合わせが決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バージルは、朝早くに起きている。

 

時間で言うと朝方4時。

 

昨日茶々丸に買ってきてもらった運動用の上下黒のジャージに着替る。

 

そして手を握ったり開いたりして体の調子を調べる。

 

「…もう大丈夫だな。」と完治したことを確認したバージルは、買ってきてもらった刀袋に刀をいれ一階に降りこれまた買ってきてもらった運動靴を履いて玄関から外にでる。

 

「バージルさんおはようございます。」

 

と茶々丸が玄関前の掃除をしていた。

 

「ああ…おはよう。」と返事を返すバージル、内心で(……フッ俺が、またあいさつ何ぞとはな。)と9年間、1人で生きていたバージルにとっては、少し照れ臭い事なのである。

 

「もう体は、大丈夫なのですか?」

 

「ああ、もう心配ない、世話になったな。」

 

「いえ、気にしないでください。それにこれからは、一緒に暮らしていく仲です。助け合いは、基本ですよ。」

 

バージルは、本当にロボットなのか?と思ってしまうほどに茶々丸は、人間臭かった。

 

「……フッ、それもそうだな、それと1つ聞きたいんだが、どこか人目につかない広い場所はないか?」

 

「そうですね…この時間帯ですと、世界樹広場がよろしいかと思われます。」

 

「世界樹?」

 

「はい、あちらに見えますのがそうです。」

 

と言って指を何処に指す茶々丸、その指を目で追っていくバージル。

 

「……あれか。」

 

バージルが見た先には、ここから少し遠くにあるにも関わらず、その樹の存在感は、すごいものだった。バージルは、(…推定300メートルくらいか。)と樹の大きさを推測していた。

 

「はい、あちらの樹の根本の近くが、広場になっております。」

 

「そうか、すまない、助かった。」

 

と言って世界樹広場に行こうとするバージルに、茶々丸が「食事の時間は、7時位になります、行ってらっしゃいませ。」と一礼をした。

 

バージルは、「……行ってくる。」と返事を返した。

 

バージルは、いい意味で変わってきているみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          世界樹広場

 

 

バージルは、ものすごいスピードで人目につかないように走り、あっという間に世界樹広場に来ていた。

 

そして早速刀袋から刀を出し、居合いの構えをとるバージル。

 

そしてキンッと鍔なりの音が聞こえる。

 

端から見ればバージルの手は、動いてないように見えるだろう。

 

バージルの居合いは、まさに神速。

 

もし本気の居合いを上位クラス以外の奴でもなければ鍔なりの音が聞こえた時点でもうこの世には、いないだろう、それほどバージルの居合いは、速かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          刹那サイド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……これでは、ダメだッ…」

 

バージルのところから少し離れた場所に背の小さい女の子が自分の身長くらいある長い刀、野大刀(のだち)を振るい鍛練をしていた。

 

彼女の名は、桜咲刹那、神鳴流の剣士だ。

刹那は、同じクラスの関西呪術協会、長の娘、近衛このかの護衛を任されている。

 

そんな彼女は、上手く鍛練ができず悩んでいた。

 

 

「…お嬢様を守るためには、これでは、ダメだ。もっと力をつけなくてわ……」

 

刹那は、焦っていた。

 

何故かと言うと後1ヶ月以内に修学旅行があるからだ。

 

場所は、京都。

 

何故、自分の故郷に里帰りするのに焦っているかと言うと、刹那の所属する関西呪術協会には、2つの派閥がある。

 

1つは、西洋魔術、関東魔術協会と仲良くやっていこうと主張し、長を中心とする穏健派(刹那は、穏健派)、もう1つは、日本から西洋魔術を追い出さそうとする、過激派、この2つの派閥は、今一触即発の状態だ。

 

こんな状態の組織がある、場所に長の娘、このかを連れていけば人質にしてくださいと言っているようなものだ。

 

しかも、このかには、あの英雄ナギの息子、ネギよりも、魔力をその体に多く持ち合わせている。

 

確実にこのかを過激派が何かしら利用するのが見て取れる状態だ。

 

だから刹那は、焦っていた……

 

 

 

「…どうすれば…」と悩んでいた刹那の耳にキンッと音が聞こえた。

 

「!?……この音は、鍔なり?何処からだ?…」

 

と辺りを見渡す刹那、そしてまたキンッ

と聞こえ、その音のほうに向かい歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半人半魔と半妖、この出会いがどう二人の運命を動かすのか……

 

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