鬼のいる世界で死神を気取る   作:りんごあめ

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いつの間にかお気に入り件数が300を越えておりました。読んでくださる皆様ほんとありがとござます。

熱にうなされながら書いていたお話です。対戦よろしくお願いします。


8.やべーやつ、襲来。

「はじめまして!わたくし護廷十三朗の妹、護廷織姫と申します!!」

 

「は、え……えーと、すみません。誰の妹とおっしゃいました?」

 

「護廷十三朗の妹です!」

 

「へー…ゴテイジューザブロサンのイモート…」

 

「ちょっ、大丈夫かしのぶちゃん、めちゃくちゃ片言になってるよ!?」

 

 目をぱちくりいわせて固まったしのぶちゃんに俺の声は届いていなようであった。

 

 

 

 

 

 

「兄が大変お世話になっております。皆さん日頃から兄には手を焼いていらっしゃるだろうと思いまして、お詫びの品をお持ちしました。こちら外国で作られた菓子でございます」

 

「ハッ、そんな俺を厄介者みたいに言いやがって失礼なヤツだな」

 

「「はい、それはもう毎日大変手を焼いております」」

「ちょっ、しのぶちゃんアオイちゃん!?」

 

 失礼だなと鼻で笑っていると、しのぶちゃんとアオイちゃんが間髪入れずに首を縦に振り苦い顔をしていた。あれれ〜おかしいぞ〜?

 

 そんな二人とは打って変わり、わざわざどうもと笑いながら洋菓子を受け取ったカナエさんはゆっくりこちらに視線を向けると、うんうんと頷く。

 

「うん、たしかに二人隣に並んでもらうとよく似て──」

「「似てない!全っっ然似てない!!」」

 

 カナエさんがニッコリ笑って言いかけたそれに被せるようにしのぶちゃんとアオイちゃんが声を裏返した。

 

「あははっよく言われます〜!ねっ、お兄ちゃん?」

「……。」

 

 そんなしのぶちゃん達の言葉に朗らかに笑ってこちらを見てくるお客人。そしてそれを無視して肘を枕に寝転びながらせんべいをバリバリ音を立てて頬張る俺。

 この様子を見たしのぶちゃんが更に声を荒げる。

 

「ほらっ、もう!態度が全然違うじゃない!人当たりのいい可愛らしい姿のお嬢さんと人様ん家でまるで我が家のようにふてぶてしくくつろぐこの男!この二人が兄妹なワケないわ!?

 外見だって髪の色が全然違うし!」

 

「まぁまぁ、そんな騒がないの。それで実際のところどうなの?護廷くんの口からはまだ何も言及がないのだけれど……」

 

 しのぶちゃんを窘めながらカナエさんが首を傾げてくる。……まぁ仕方ないか。

 

「まぁ……ホントっすよ。こいつは織姫、正真正銘俺の妹です」

 

 俺がそう答えるとしのぶちゃんとアオイちゃんが口をあんぐり開けて震えだした。ものすっごい口空いてるけどそれ顎外れてない?大丈夫??

 

 

 

 護廷織姫。

 俺より2歳下のこいつは見た目は完全にBLEACHのヒロイン、井上織姫と瓜二つなのである。それだけなら何もなく、ただ喜んでもいいところなのだが。このパチモンが混じった世界、やはりというべきかそう簡単にいくワケはなく……。

 

「今日突然お邪魔したのは両親からのお達しでして。正月以外家へ帰ってくることなく、稀に叔父に手紙を寄こすだけの息子はちゃんとしているのだろうかと父も母も心配しているんです」

 

「あらあら〜優しいご両親ね。でも凄いわね、だからといって十一歳の娘を一人で行かせるなんて。私だったらそっちのほうが心配だわ」

 

 織姫の話を聞いたカナエさんが頬に手を当て言う。それに関しては俺も同意だ、流石に一人で行かせるのは危険だろうよ。夜には鬼だって出るんだし。

 

「それならご心配なく、鬼道衆次期当主としての実力を試す試験も兼ねていますので!」

「ちょっと待ていまなんつった」

 

 ぼっーと話を聞いていた俺はガバッと飛び起きてとうとう妹と口を利いてしまう。そんな俺に織姫はにっこり笑い、

 

「だから〜へっぽこ兄貴に変わって私が当主になるためのちょっとした力試しをしてるんです♪」

 

 さあ本性を現してきましたよ〜?

 

 

 

 

 

「えーと鬼道衆、というのは?」

 

 カナエさんがこてんと首を傾げる。

 

「あら、兄から聞いてませんか?護廷家は古くから鬼道という目には見えぬ闘気を力とする不思議な術を使って偉い人の用心棒をしたり、逆にぶっ殺したりするちょっとした裏稼業をやって大きな富を築いてきた家なんですよ」

 

「「「ぶ、ぶっころ……??」」」

 

 満面の笑みから繰り出された物騒な言葉に困惑する蝶屋敷の皆さん。妹よ悪いことは言わん、もう喋るな。

 

「あ〜そういえばだいぶ前に言ってましたね、鬼道かなんかって。忘れてましたが……」

 

「言われてみれば私もそんな気がするわ、まぁすっかり忘れてたのだけれど……」

 

「というか護廷さんっておぼっちゃまだったんですか!?」

 

「そうだよアオイちゃん、おぼっちゃんな気品溢れる立ち振る舞いは普段から垣間見えてたじゃないか」

 

「いえ、まったく」

 

「……。」

 

 そんな即答しなくたっていいじゃないかアオイちゃん。

 

「てかカナエさんもしのぶちゃんも酷くない?鬼道なんて普段聞かないものの話を普通忘れるかね!?」

 

 気を取り直し今度はカナエさん達に目を移す。すると二人はパチパチと瞬きしてから見つめ合う。

 

「それは、ねぇ?」

 

「そうよ、だって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「あなたそんなモノ一度も使ったことないじゃない」」

「うわああああん胡蝶姉妹のいじわるぅぅー!!」

 

 その言葉を聞き俺は膝をつき項垂れた。

 

 

 

 

「仕方ないだろ!?こっちだってほんとは使いたいんだよ!頑張ったんだよでも出来なかったんだよ!?そんな俺にそんなこと言うのはあんまりだろ!?!?」

 

「あぁ……なんか、すみません……というかなんで私達怒られてるんだろう」

 

「こういうのを逆ギレ、と言うらしいですよ!」

 

 見事な逆ギレをかます俺を見ながら織姫がそう笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「えー改めてだけどつまり、長男である護廷くんに鬼道を使う才がなく、加えて鬼殺隊で家を常に空けているから妹で鬼道の才のある織姫ちゃんが当主になる予定ってことね?」

 

「そうなんです!鬼道に関してはクソ雑魚以下な兄なので私が繰り上げでって感じです!」

 

「お前ケンカ売ってんな?はっ倒すぞコラ」

 

 失礼極まりないことをほざいている妹にピキピキしながらそう言うと、妹はにっこりしたまま首を傾げ口を開く。

 

「そんなことないよ〜?まぁ別にケンカするとしても……」

 

「……ンがっ!?」

 

「「「ひいっ!」」」

 

「私が勝っちゃうもんね〜縛道の六十一・六杖光牢

 

 ただの兄妹喧嘩で躊躇いなく鬼道をぶっ放してくるうちの妹はマジでやべーやつだと思う。

 

 

 

 

 

「あ、あの織姫ちゃん、それは……?」

 

「これが鬼道ですよ〜ちなみに鬼道には相手を攻撃する破道と相手の動きを封じたり攻撃を防ぐ縛道の二種類があります」

 

 六枚の光に拘束された俺にギョッとしたカナエさんに織姫がそう説明をする。

 

「鬼道で拘束されたら自力での脱出はほぼ不可能なんですけどね?兄の場合は……」

 

「ふっ、よっ……ソオオイ!!」

 

「このように平気で拘束をぶち破ってしまいます。鬼道の才がない代わりに鬼道へのとんでもない耐性を持っていやがるみたいなんですよね〜!ほ〜んと意味わかんないですっ、あはは!」

 

「なんなのこの兄妹……」

 

 海賊王に俺はなる!的なポーズをして光の板を粉々に粉砕した俺を見たしのぶちゃんが眉をヒクヒクいわせながらそう呟いた。

 

 

 

 うちの妹、織姫は色々とおかしな娘である。

 せっかくなのでまとめて紹介しよう。

 

 まずちょいちょい口が悪い。

 基本的には敬語で話しているのだがその中に物騒な言葉が混じる。例えば家での食事中。

 

「お兄ちゃんナス嫌いでしょ?私が食べてさしあげるのでとっとと寄越しやがれー♪」

 

 そして鬼道の上達しない俺を見て、

 

「ざーこざーこ、妹に一瞬で追い抜かされてどんな気持ちぃ〜?」

 

 なんてクソガキムーブをかましてきたこともあった。そして当時七歳だった俺はブチ切れ、取っ組み合いの喧嘩をしかけて見事に返り討ちにされた。

 

 という感じである。

 

 次に鬼道の才能が天才級……らしい。

 

 俺が鬼道を学び始めた頃、当時五歳だった妹は俺が訓練している様子を眺め、見よう見まねで言霊を唱えた結果。見事に指先から雷をぶっ放し倉庫にそれはもう綺麗な穴を空けてしまった。

 

 その時の家族や屋敷の人に与えた衝撃は恐らく某組織のトリオン怪獣(モンスター)といい勝負ができるくらいだと思う。俺もめっちゃビビった。

 

 

 それからというもの鬼道はめきめきと上達していき、詠唱破棄で使用できる鬼道もどんどん増えていった。

 時折手紙のやり取りをしている鉄斎さんによると最近ではみんな大好き破道の九十を詠唱破棄で撃てるとかなんとか。

 流石にこの話を聞いたときは俺もドン引きした。どこのヨン様だよ。

 

 ちなみに俺はというとさっき織姫が言ったとおり、鬼道が使えない代わりに鬼道がほとんど効かない無駄に高い耐性を持つ身体になっていた。縛道の一など序盤のものならくらったところで何の問題もなく動き回れるほどである。

 伸びる方向を間違えてるぞと何度自分に言い聞かせ涙を飲んだことか。

 

 

 そして最後にもう一つ。

 喧嘩を仕掛けて返り討ちに遭ったという話にも繋がるのだが、

 

「私、腕っぷしにも自信がありまして。お兄ちゃん久しぶりに腕相撲しましょ」

 

「鬼狩りの仕事舐めんなよ?もう昔のようにはいかねぇかんな」

 

「ハイハイ強い強い、それじゃーよ〜い……始め!」

「ふっ、これはイケ──うぎゃぁぁああああ!!!」

 

 

「とまぁこんな感じで鬼道なんてなくても兄なんておちゃのこさいさいなんです!」

 

 バチィィンン!!と凄まじい勢いで俺の腕は机に叩きつけられた。

 あのやろう、一瞬手ぇ抜いてやがった……!

 

 織姫は力が強い、というか強すぎる。

 昔からりんごなんかはニコニコ笑いながら片手で軽々と握り潰すし、正拳突きで木をへし折ったこともあった。

 ふんにゅうう~!!とか力を入れてるようなかけ声もなく、さも当たり前のようにとてつもない怪力を発揮するその姿には狂気を感じずにはいられないほどである。

 

 口は悪く鬼道という術を使い、更には人間離れした怪力の持ち主。ん〜〜うちの妹、鬼かな?

 現時点でもこれだけやべーのにまだまだこれからも伸びる成長過程……妹よ、人間をやめるのをやめてください。

 

 まぁそんな感じで軽く人間をやめかけてるうちの妹、怖いとかバケモンだとか腫れ物扱いするやつがいてもおかしくないといままで誰にも妹の存在を告げずにいたのだ。だというのに自分からこっちに来ちゃったんだよな、仕方ないから紹介するしかなかったじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず今日はうちに泊まっていくといいわ。護廷くんの小さい頃の話とかも聞いてみたいし〜」

 

「わぁーいいんですか!じゃあお言葉に甘えさせていただきます」

 

「じゃあご飯も一人分追加になるわね、私ちょっと買い物行ってくるわ」

 

「あっ、しのぶ様私も行きます!」

 

 

 でもよくよく考えたらこの屋敷の人達ならそんな心配必要なかったよな。もうすっかり打ち解けてるし。

 

 笑顔を見せながら話す織姫やカナエさん達の姿を見て小さく笑った俺は、ずっと静かに正座したままのカナヲちゃんに織姫の持ってきたクッキーを食べていいよと差し出した。

 クッキーが気に入ったのかリスのように小さな口で高速でカリカリと頬張るカナヲちゃんはとっても可愛らしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「んぅ〜!カナエさん達のお料理とっても美味しいですね!何もお手伝いしなかったのが申し訳なくなってきました、私食材を切り刻むのはすごく得意なんですよー」

 

「うふふ、いいのよ織姫ちゃんはお客さんなんだから。料理喜んでもらえて嬉しいわ」

 

 その日の夜。食卓を囲みながら織姫がカナエさん達の手料理に舌鼓を打った織姫が目を輝かせていた。

 

「あ、みんなメシあるうちに自分の食べる分確保しといたほういいよ。こいつめちゃくちゃ食うから気づいた時には無くなってるからね〜」

 

「もぉー失礼だなぁお兄ちゃんは。そんなに食べないよ私」

「すでにおかずの半分を一人で平らげといて何言ってんだ。ほとんどおめぇの腹ン中に吸い込まれてったんだが?」

 

「いいのよ織姫ちゃん、たくさん食べてもらえて私も嬉しいし〜」

 

 そんなこと言うとほんとに全て食べ尽くしちゃうからね?うちの妹。暴食の織姫だからね?

 結局、その日の晩飯は織姫の胃というブラックホールに吸いこまれていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜喉かわいた、ちょっと水飲んでこよ」

 

 皆が寝静まった頃、ふと目が覚めてあくびまじりに部屋を出て台所に向かう。飯食った後もみんな楽しそうにしてたなぁなんて思い出しながら居間のほうを見やる。

 

 織姫は普段家で何やってんのかとかお互いに得意な料理の話とか。そんな感じでガールズトークに花咲かせてたのに一番盛り上がったのが俺の小さい頃の話ってのはどうも納得いかないが。

 

 俺の寝相が悪くて朝には部屋を飛び出し庭で寝ていたとか、絶対にナスを食べたくない俺と絶対にナスを食べさせたい母親との仁義なき戦いとか。

 近所のガキンチョと取っ組み合いのケンカして負かされて帰ってきた話とか。

 

 ……よくよく考えたら山爺のとこで鍛えてた俺を負かすって近所の子供達ケンカ強すぎないか?なんで俺がボコボコにされてたんだろう。

 

 

 なんて頭を巡らせていると縁側に人の気配を感じた。部屋からひょっこり顔を出して覗いてみるとそこには。

 

 

「おいおい、夜更かしはお肌に悪いんだぜ?シワ増えんぞ」

 

「あはは、シワ一つないお肌なのでご心配なく。お兄ちゃんこそ早く寝なよ、毛穴開き散らかしちゃうよ?いま以上に」

 

「開くどころか引き締まってますぅ!どんだけケンカ売りゃ気が済むんだよおめぇは」

 

 眉間に皺を寄せまくりながら俺は縁側に座る織姫に詰め寄った。

 

 

 

 

「いやぁ私は安心したよ」

 

「俺がますますカッコよくなってて?」

 

「ふふっ、寝言は寝てから言いやがれ〜」

 

 急に毒吐かれたよ、相変わらず容赦ないなぁ。

 

「お兄ちゃんが楽しそうに生きてるってのがわかったからだよー」

 

 空に白く輝く月を見上げながら兄妹で縁側に座り話す。こうやってコイツと話すのはいつぶりだろうか。正月に家に帰っても二人きりで話すことなんて全然なかったし。

 

「カナエさんやしのぶさん達と話してお兄ちゃんが仲良くここで暮らせてるのが知れてよかったよ。お兄ちゃん帰ってきても全然そういうこと話さないじゃん」

 

「あぁ〜そだな。とりあえず鬼切り刻んでるってしか言ってなかったな」

 

「お父さんもお母さんも心配してるんだよ?まぁ一番心配してるのは鉄斎さんだけど……」

 

「はっ、あの人俺のこと好き過ぎないか?しょっちゅう手紙送ってくるし」

 

 軽く笑いながら鉄斎さんの顔を思い浮かべる。俺のことが心配で一日一回は泣いてるとか手紙に書いてたけど恥ずかしいからやめていただきたい。

 

「まっ、とりあえずお兄ちゃんは予想以上にヘラヘラ楽しそうにしてたよってみんなには言っとくから安心してね!」

 

「いや、それだけだと逆に心配されそうじゃない?なんであんな殺伐した仕事の中でヘラヘラしてんだって息子のこと余計心配しちゃうって」

 

「うーんそっかぁ、じゃあ仲間達と楽しくやってたって言っておくかなー」

 

「そうそう、そんな感じで頼むわ。というかそうやって息子を心配するのに娘には裏稼業を継がせようとしてんのかよ」

 

 織姫の言うことに苦笑しながら頷く。そんな俺の言葉に織姫はまぁねと笑う。

 

「いいんだよ、私も別にイヤじゃないし。それにせっかく才能があるんだし活かさなきゃもったいないじゃん。お兄ちゃんも剣の腕があったから鬼狩りになったんだし同じだよ。あんまり公にできない仕事ってとこも一緒だし流石は兄妹、って感じだね!」

 

 そう言って顔をほころばせるのを見て俺は小さくため息をつく。

 

「まぁそうかもしんないけどさ。兄としては複雑だね、妹が裏で人を殺めようと暗躍してるってのは」

 

「いまの鬼道衆の仕事はそうだけどさ、私が当主になったらもっとたくさんの人が幸せになれるための仕事ができるように改革しちゃおうかなって。具体的にはまだ考えてないけどね〜」

 

 へぇ〜と思わず口をぽかんと開けてしまう。妹も意外とちゃんとしたこと考えているんだなと思ってしまった。ちょっと前までは鼻歌交じりにニコニコと怪力や鬼道を振り回す暴君だったのに。

 

 

 

 

「あれれ〜なんかとっても失礼なこと考えてない?お兄ちゃん」

 

「いやいやそんなわけ……肩思いきり鷲掴むのやめてくれない?りんごみたいに粉砕されるって、ちょっ、おまっ!…………暴君とか思ってごめんなさい!」

 

 当たり前のように肩をメキメキいわせる妹に謝る兄、いやぁ我ながら情けないね。穴があったら埋まりたい!

 

「お前がそんなまじめなこと考えてるとは思わなかったよ、まぁそういうことなら頑張れよ。変な道を選んじまった者同士、応援してやんよ」

 

 肩をさすりながら立ち上がり織姫を見る。俺の言葉を聞いてうん。と力強く笑顔で頷いた妹の顔は、月の光に照らされ白く美しく輝いているようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 カナエさんほどじゃないけどうちの妹も黙ってれば美人なんだよなぁ。黙ってれば。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「皆さんお世話になりました!とっても楽しかったです!」

 

「こちらこそ妹が増えたみたいですごく楽しかったわ〜またいつでも遊びにおいで、歓迎するわ!」

 

「もう来ちゃダメですよ〜」

 

「居候が余計なこと言わないでください!織姫ちゃん、ほんとにいつでも遊びに来てください、同じ護廷でも織姫ちゃんなら大歓迎ですから!」

 

「え、サラっと酷いこと言うじゃん。まだ朝だよ?朝から俺の体力0にする気?倒れるよ俺、いいの?」

 

「どうぞその辺で寝そべっててください、そのうち土に還って楽になれますよ」

 

「まさか遠回しにくだばれと申しておるのか……!?」

 

「あははっ、ありがとうございます。ぜひまた伺わせていただきますね!」

 

 翌朝、織姫がもう帰るとのことで、それをみんなで屋敷の前で見送ろうとしていた。俺の様子を確認できたし目的は果たしたから、とのこと。

 

「アオイちゃん、次は一緒にお菓子作りしようね!カナヲちゃんも今度はたくさんおしゃべりしようね!」

 

「はいっ!またお会いしましょう織姫さん!!」

「……。」コクッ

 

 アオイちゃんとカナヲちゃんの手を握りブンブン振る織姫。アオイちゃんはもちろんのこと、全然口を開かなかったカナヲちゃんとも一応仲良くなれたらしい。目を見開かせてちょっと驚きながらも首を縦に振っている。

 

「それじゃあ皆様、兄のことよろしくお願いいたします。面倒な時は力でねじ伏せやがれーって感じで雑に扱っても構いませんので!」

 

「「任せてください!!」」

 

「ちょっと二人ともなんでそんな元気に頷いてんの!?」

 

 織姫の物騒な言い分になぜか満面の笑みで頷いているしのぶちゃんとアオイちゃんに俺は声を裏返す。

 こういう時は優しく指導してあげますっ♡とか言ってくれていいとこじゃないだろうか。

 

 

「じゃあほんともう行くから、頑張ってねお兄ちゃん。死なないことと、蝶屋敷の皆様に迷惑かけんじゃねぇぞバカヤロー、だよっ」

 

「ハッ、心配すんなよ。俺ぁ死なねぇしみんなに迷惑なんざ全然かけてな──」

 

「「え??」」

「……ちょっとはかけてるからそれはまぁ、徐々に改善しようと心がけようと思います」

 

 しのぶちゃんとアオイちゃんのまたもや息のあった一声にゾクリとして慌てて訂正する。二人して笑ってんのに目が笑ってないんだよなぁ。

 女子の放つ圧力って時折凶器に変わるよね、転生前もよくあったんだよなぁ。アレ一人でもなかなかキツイけど集団で放ってくるから一瞬にして戦意喪失しちゃうんだよね。

 やはり女の子は怖い生き物である。

 

「はいよくできました。またねお兄ちゃん、蝶屋敷の皆さん!」

 

「おう、お前も死なねぇ程度に頑張れよ」

 

「任せてよ、私もまだくたばって骨になる気はないからさ!」

 

 そう言って手を振りながら織姫は駆け出していく。

 

 カナエさん達も手を振りながらまた来てねなんて言って笑う。

 妹に恐らく初めて友達ができたことに喜びながら俺は長い髪を風になびかせ走る織姫を見えなくなるまで眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、織姫ちゃんもうあんなに小さくなったわ」

 

「あそこまでそれなりに距離あるはずよね……え、もうあんなとこまで走り抜けたってこと!?」

 

「うちの妹はどうやらほんとに人間をやめようとしてるみたいだな……」

 

 一分も経たずに姿が小さく見えるまで遠くに走っていった織姫の姿に俺達は、遠い目をしながらぼんやり呟いた。

 




いやぁおかしいな。最初は鬼道が使えて毒舌な妹という予定だったんだけど気づけば毒舌鬼道ぶっ放し怪力暴食娘に生まれ変わってた。熱にうなされてたらいつの間にかこんなお話が出来上がってました…。

・不定期開催!大正コソコソ噂話・
織姫は鬼道が使えることや持ち前の怪力から近所の子供達からは気味悪がられて友達がいませんでした。
だから蝶屋敷にきてカナエさんやしのぶちゃん達が織姫の初めての友達ということになったみたいですよ。

護廷「パワーッッ!!」

よくある主人公の設定集みたいなのあった方よろしい?プロフィールやら技の設定的なのを書く感じになると思われ

  • 当たり前やろ書けや
  • いらんわそんなのよりはよ続き書けや
  • とりあえずカナエさんは今日も美しい
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