俺は生まれつき変なものが視えた。半透明の色?のような物が。人の周りに浮かんで視える。
物心つく頃には、ON OFFすら可能になっていた。そんな俺は今死にかけている。
俺の家庭は…いやあれを家庭とは呼べないだろう。
学校へ行かせてもらえず。四六時中、親?から殴る蹴るの暴行。
そんな俺の唯一の楽しみは、親?が見ているテレビを見る事だけだった。
そんな生活を送って12年目
「おまえもそろそろ働けるな。てか働け。明日からここに行け。私の知り合いがいるから。」
そう言われて渡された紙には、
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と書かれていたが、学校に行ってない俺には全く読めなかった。自慢じゃないが、平仮名すら読めない。カタカナの存在は知っている。漢字は存在すら怪しい。
「おい、こんなもん渡されても読めねーぞ。」
「あ?っち、碌に学校行ってねーからこんな時ガチで使えないな。まぁいい、今から連れて行ってやる。ああ、後その家に入ったらこう言いなさい。[お父さんただいま]って。そうすればごはんがたべれるかもよ?」
その言葉が何を意味するのかわからない。しかし、貴重な食事が得られる。それが何より嬉しかった。
しかし、いや案の定っと言った方がいいな。
そこで俺を待ち構えていたのは、今まで以上の地獄だった。殴る蹴るは当たり前だし。
極め付けは手足を縛られ口の中には布を詰められ声も出せない状態で、瓶に入った薬品を塗られた。
何かと思ったら次の瞬間焼けるような痛みが塗られた部分に駆け巡る。そう皮膚が溶けているのだ。身体にはその時出来た痣が大量にある。
「今日はこのぐらいにしとくか。死んじまったら勿体ねぇし。」
そう言ってソイツは封筒とパンを地面に置くと、俺を解放した。俺はその二つを持って逃げるようにその家を出た。
「ふーん。まぁ上等ね。これから毎日あそこに行きなさい。分かったわね?」
毎日続く地獄の日々。殴られ蹴られ、時には皮膚を焼かれ、溶かされる。そんな日々が4年続いた。
16歳になったらしい。
どーでもいい。今の俺は何も無い。感情も学も名前も忘れた。五感すらまともに機能していない。
そんなある日俺は解放された。
なんでも俺を苦しめていたクソ野郎と親?が黒い服の男たちに連れて行かれた。なんでもシャッキン?というものが払えなくなったらしい。
「あいつを好きにしていいから!それでチャラってことで!」
「あ?こんな薄汚いガキがなんで1000万の代わりになるんだ?頭湧いてんのか。お前の方はいい臓物してんだろ。」
そう言って男たちは帰って行った。
残り少ない体力で俺は手影で狗を作る。そして一言
「おいでよ、[玉露]俺を外に運べ。」
そこで俺は意識を手放した。
???side
私は買い出しに行った帰りに、雨に降られ公園で雨宿りをしていた。
「雨中々止まないな。傘持ってくれはよかった。」
すると、ズルズルとなにかを引きずる音が聞こえる。
振り向くとそこには、黒い狗に引きずられている少年がいた。髪は白くボサボサで着ている服もボロボロだ。とても生きている様には見えなかった。
「だ、大丈夫ですか?」
「んん、ああ、此処は?外か、雨降ってるし。ん?ああ、大丈夫かって聞いたの君?」
「あ、はい。何故か狗に引きずられて来たので。」
「へー、見えるんだ君。こいつは俺の家族になるのかな?玉露っていう名前なんだ。」
何でお茶の名前なんだろ?それに見える?それってどういう事?
「何でお茶って思ったでしょ?」
「え!声に出てた?」
「いや、見えるだけだよ。」
見える?顔に書いてたとかの比喩かな?
じゃなくて!
「それより大丈夫ですか?ビショビショですし。」
「んー何を持って大丈夫というかによるかな?現状は、家無し、知識無し、親無し、名無しかな?」
「いや、どう考えても大丈夫じゃ無いですよ。」
名無し?名前すら覚えてないの?
いや、口ぶりからするに本当に無いのかな?
「救わなきゃ…」
「え?なんて?」
救わなきゃ。そんな気持ちで身体がこころがいっぱいになった。
「家来ない?部屋なら余ってますし、それに、」
「ちょっと待って、俺自分で言うのも何ですが何も出来ませんよ?そんな俺を住まわせる意味が何処にあるのですか?」
「意味は……救うかな?それだけじゃ不満?」
「救う、ですか。信じても大丈夫かな?」
彼は狗を撫でながら問うと、玉露は気持ちよさそうに、
「クゥ」
と一言?一鳴?
「てか、俺が君に危害を加えるような危ない奴かもよ?」
「それは…そうだけど。私は私を信じてる。」
そうだ、私は私を信じる。
「それならこれからお世話になります。えっと…お名前は?」
「宵崎奏、あなたは、って名前無いんだっけ?」
「そうですね。無いですよ。まぁ、テキトーに呼んでください。」
「じゃあとりあえず、家に案内するね。」
無side
歩くこと10分ほど、宵崎奏さんの家に着いた。
奏「えっと、引かないでね。」
そう言ってドアを開ける。
するとそこには、
無「宵崎奏さん?」
奏「……」メソラシ
大量の缶詰類やカップ麺の空き容量がある。
しかしこの時の俺はそんな知識ないので。
無「入らないの?」
奏「え?引かないの?」
無「え?引かないでって言ったから引いてないけど?ドアもちゃんと押したし。」
奏「ああ、そのレベルで何も知らないんだね。」
そう言って中に入っていく。
無「いつもこんな感じな生活を?」
奏「う、普段は家事代行の人を呼んでるんだけど、数日経つとこの様で。」
なるほど、ならば俺がやる事は決まった。
奏「とりあえず、シャワー浴びてきて。」
そういってお風呂に案内して、
奏「服、これならはいるでしょ。前にサイズ違いで届いたジャージ。お風呂使い方分かる?」
無「大丈夫です。というか、お湯なんて貴重なもの、こんな贅沢に使っていいんですか?」
奏「えっと、気にしないでしっかり温めてから出ておいで。タオル置いとくから。」
お湯が貴重か…彼がどんな生活を送ってきたか少しずつ確認していくことになるのかな。