ロスサントスで暮らす人の日常    作:両津

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とあるバス運転手の日常

 

 

私の名前はブラウン・デービス。30歳のヒスパニック系アメリカ人だ。

わたしはここロスサントスでバスの運転手をしている。

だがこんな地獄をかき集めたような街でバスの運転手をしているのが運のつきだ。

この町でありとあらゆる自動車、飛行機、ボートなどの乗り物が物理法則を無視して挙動不審な動きをしながら光速で走り回り

路上はおろか空中を光速で飛び交い激突しては爆発四散するのは知っているだろう?

 

高速バスでもない普通のバスが、そんな地獄の街中を運転したらどうなると思う?

当然。巻き込まれて上空に吹っ飛ばされる。

更に飛んでいる以上地面に叩きつけられて爆発している乗り物の一つに仲間入りさ。

よくて一日に4~5回はWASTEDになり。悪くて10回以上はWASTEDになるね。

 

バスの運転手である以上。お客様を乗せなきゃならんのはみんな知っているだろうが。

お客様は全員バスの外に放りだされてWASTEDになっちまうよ。

そうやってバスから放り出された乗客はもう二度と乗ってこない。

だってそうだろ?バスは自動車に比べれば図体もデカイ。

動きも鈍い。ぶつかれば他の乗り物のように吹っ飛ばされる。

そんな危険なリスクがありすぎるバスに誰が乗ると思う?

少なくとも、私の周囲ではバスに乗る人は運転手以外はあまりいないね。

いたとしても、すぐにWASTEDになるのがオチさ。

これが地獄のようなロスサントスでは当たり前なんだ。

 

そして今日もまた。私はバスを走らせていた。

「またか……」

いつものように上空には大量のメテオが降り注ぎ

あらゆる自動車、飛行機、ボートなどの乗り物が挙動不審な動きをしながら光速で走り回り、路上はおろか空中を飛び交い激突しては爆発四散していた。

地獄絵図のような光景だが、私はいつもの事だと思ってバスを待っているお客様へ走らせた。

これが私の仕事だからな。

 

だが今日も運転席の右から街中を見渡せば

あらゆる重火器で重武装した住民達が人や建物や車体に所構わず撃ち続けてるという狂気に満ち溢れた光景。

左の方を見れば本来なら治安を守るべき警察官も市民と同じようにしている。

そして鳴りやまない爆発音は、ここは戦場かと錯覚させるには十分だった。

 

私自身も重火器で重武装した住民達の一人になっているんだ。とは言っても他の住民のようにはしてない。

そう。運転席の足元には、ドットサイトとフォアグリップとサプレッサーを装着したAR-15、そして腰にあるホルスターに入ったM1911拳銃が入っている。

全ては生き残るためだ。この狂った街から生き残るためにはこれくらいしないと駄目だ。

 

とは言っても死んでもすぐにリスポーンできるから、死んだときの心配は無用だが…

それにしても、こんな地獄をかき集めたような街でも人々は生きているんだよな。

私がバスのハンドルを握っている間にも、様々な人々がバスに乗り込んでくる。

 

一秒でも停車していたら超光速で突っ込んでくる乗り物に突っ込まれてWASTEDになりかねないが

それでもお客様のために停車せざるを得ない。

家族連れ。カップル。老夫婦。若者グループ。

彼らは皆、この地獄のロスサントスに住んでいる住民だが。平然とした様子だった。

だが中には例外もいた。

「ひぃいいいっ!!助けてくれぇえ!!」

悲鳴を上げながら停車している私のバスに乗り込んでくるお客さんもいた。

 

 

彼のようなお客さんには私は無料で乗せている。

WASTEDになれば目的地から遠い場所でリスポーンされるかもしれないからだ。

見た目は40代半ばの男性で、やせ形の男のようだ。

しかも白髪で顔色も悪く、見るからに体調の悪そうな男性だった。

そんな彼は、恐怖で顔を歪ませてバスに飛び乗ってきたのだ。

「た、頼む!乗せてくれ!」

その男性は開口一番。私に懇願してきた。

当然だ。こんな地獄のような街に徒歩でいればどうなるか分かっているはずだ。

だから私はその男を乗せた。

「あぁ。ありがとうございます!!あなたは命の恩人です!!」

「いえ。困っている人を見かけたら助けるのは当たり前ですよ」

すると男は地図を見せて私に尋ねてきた。

「すいません。このバスってここに行きますか?どうしても行きたくて……」

男が指差したのは、ここからバスで10分ほどかかる程度の距離の場所だった。

「この場所なら通りますよ。」

「本当ですか!」

 

とはいえ、この地獄のロスサントスで10分かかるという事は、そこにたどり着くまでに何回WASTEDになるかという事だ。

私は迷わず。男に言った。

「ですがすみません。私はこの地獄のロスサントスでバスを運転していますが。10分以上かかるかもしれません。

 その場所に行くまで何回かWASTEDになる覚悟はしておいてください。」

「は、はい……。構いません。近くに行ければ良いんです。どうかお願いします!」

男は必死に私に頼み込んだ。

仕方ない。これも仕事だ。

私は男を乗せて再びアクセルを踏み込んだ。

 

 

今日もまた、地獄の一日が始まる。

何回WASTEDになることやら…

だが、それでも私はバスの運転手を続けるしかないのだ。

 

この地獄の街、ロスサントスの住民であり続ける以上は…

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