トレーナーとウマ娘の徒然ならざる日々 作:Valid Bear
こちらラブコメっぽい何かとなっております。
「トレーナーさん?どうしたんです?こんな所で」
URAファイナルズの決勝を控えたある日。
釣りをするべく海に来た私は、何故か釣竿とクーラーバッグを持ったトレーナーさんを発見しました。
「どうした?って……、見れば分かるだろ?釣りに来たんだよ」
それはまぁそうですが。
どう見ても釣りに来たようにしか見えないですし。
でも。
少し前、トレーナーさんに『トレーナーさんは釣りとかしないんですか?』と聞いた時は確か……。
「トレーナーさん、釣りはしないって言ってませんでしたっけ」
「事ある毎に釣りの良さを説いてきたのはスカイだろ?それにその時も『するつもりが無い』とは言わなかった筈だけどな」
「それはそうですけど……」
なるほど。
いつの間にやら釣りの楽しさが伝わっていたみたいですねぇ。
よきかなよきかな。
「まさか始めるとは思いませんでしたよ」
「お前な……、まぁ良いか。結構楽しみだし」
「折角ですしトレーナーさんも一緒に釣ります?」
「おう」
こうして私は新たな釣り仲間を手に入れたのでした。
釣り糸を垂らす事1時間ほど。
「全っ然釣れねぇ」
早くもトレーナーさんが音を上げましたね。
「この程度まだまだ序の口ですよ、トレーナーさん?」
「って言ったってスカイは何匹だよ」
「2匹ですねー。……いや」
そう答えたタイミングで竿が引かれる。
釣り上げるとそこには3匹目の姿が。
「3匹ですな」
「こっちは食いつきすらしないってのに……」
確かに微動だにしていませんね。
餌の確認した時もそのまま残って……、おや?
「言ってるそばから当たり来てますよ?」
「え?あ、マジじゃねぇか」
お?
釣りを始めたばかりにしては上手ですね。
そんなトレーナーさんの初釣果は──
「……フグですね」
「……嘘だろ」
なんでフグなんて釣ってるんですかこの人は。
その後はトレーナーさんの竿に当たりが来る事はなく。
「晩飯、どうするかな。何も用意してないんだが……」
トレーナーさんは釣れた魚を当てにしていたらしいですけど……。
こうなる可能性は考えなかったんですかね……?
「まぁ……、そんな事もありますって。少し分けてあげますから」
「さんきゅ。……んー、どうする?スカイも食べに来るか?」
「はい?」
食べに来る?……ってトレーナーさんの家に、ですよね?
今から?
夕食を?
……落ち着け私。
ヒトである彼が無理やり何かしようとしても、ウマ娘である私には何も出来ないですし。
私が掛からなければ何も間違いは起きません、よね?
トレーナーさんには普段から料理している気配はありませんから、下手に怪我でもされたらURAファイナルズの決勝に響きますし?
これは仕方ない事ですよね?
「し、仕方ないですね。そこまで言うならお邪魔するとしましょうか」
「ずいぶん考え込んでたが、嫌なら別に無」
「私は無理はしていませんよ。トレーナーさんこそ見られて困る物とか置いてないか心配なんじゃありません?」
「何言ってんだ。毎日のように出入りしてるだろ」
ん?
毎日?
寮以外で毎日出入りしてるのなんて、教室とトレーナー室ぐらいしか……。
……そう言えばトレーナー室にはキッチンもありましたね。
「私の覚悟を返して下さい」
「は?」
「それで、何作るんです?」
「刺身と天ぷらだな」
ほほぅ?
釣りたての魚ならではのセレクトですね。
でも釣った中には平べったいあの魚が居るんですけど……。
「煮付けじゃないんですね」
「確かにカレイは煮付けが定番だが、寮の門限まで時間ないからな。天ぷらでもギリギリだ」
そう言えばそうでした。
もうとっくに日は沈んでますし、確かに煮付けにしている時間は無さそうですね。
「私は何をすれば?」
「冷蔵庫の中に麦茶あるから飲んで座ってろ」
ほぉう……?
私は戦力外と言うわけですか。
……なるほど。
ならばお手並み拝見と行きましょうか。
「ほれ」
言われた通り麦茶を飲みつつ待っていると、トレーナーさんがお皿を持って戻ってきました。
なにげに手料理食べるのって初ですかね?
いつも食べてるのはカップ麺とおにぎりとか、コンビニ弁当2つとかばかりで……。
料理した事すら無いと思ってたんですけど。
「あれ?普通に美味しそうですね」
「普通にってお前な……。あとこれ。オマケのご飯と味噌汁な」
「ありがとうございます。それでは……」
「「いただきます」」
まずはお刺身からいただきますか。
……いやぁ、やっぱり釣りたての魚のお刺身って美味しいですよねー。
さすが私。
そして天ぷらも一口。
「トレーナーさん」
「どうした?」
「天ぷら揚げるの上手ですね。衣サクサクですし、中の魚が固くなってる事もないですし」
「そりゃどうも」
さてと。
お刺身も天ぷらも堪能した事ですし。
トレーナーさんのお味噌汁もいただくとしますか。
これまた美味しそうですね。
なんか料理の腕負けてる気がするんですけど……。
それではお手並み拝見、っと。
「ってうっま!?なんですかこれ!!」
「何ってそりゃ味噌汁だが……」
いや別に料理名を聞いたわけじゃないんですけどね……。
「そりゃ私だってお味噌汁ぐらいは分かりますよ。そうではなくて!トレーナーさん家事力高すぎません!?それなのになんで結婚できないんですか!!」
「……ほっとけ」
スぺちゃんが居たら一瞬で全部食べられてたかも。
でも気付いた時にはお味噌汁はなくなっていて。
「あと1杯だけおかわり貰えます?」
「そのセリフ何回目だ?流石にもうねぇよ。……ってかどんだけ食うんだお前は。太んぞ」
「ちょっ!レディーに対して太るとか!!そういうところですよ!?」
まったく……、デリカシーの欠片も無いんですから。
「それにしても驚きましたよー。まさかこれほどの腕をお持ちだったとは」
「お世辞なんか言ったところでもう何も無いぞ」
「お世辞じゃないですよ?特に味噌汁とかそれこそ毎朝食べたいぐらい美味しかったですし」
「なっ!?ちょ、おま、少しは考えてから言えっての!」
「え?」
考える?
……。
…………。
………………。
「………………あ」
ばかばかばかばかばか!
何を言ってるんですか私は!?
「ち、違くてですね!?いや美味しかったですし食べたいのは確かなんですけど今のアレはなんと言うか言葉のあやと言うか……、ってそれだと逆じゃないですか!?つまりそのえーっと」
「落ち着け!!寮の門限まで時間ねぇんだから!!」
へ?
あ と 1 0 分 じ ゃ な い で す か !
「もっと早く言ってくださいよ!?」
「言ってたっての!スカイが無心で飯食ってただけで!!」
「そんな食いしん坊みたいに言わないでください!!」
「ごはん5合と味噌汁片手鍋1杯分平らげたのはどこの誰だよ」
「むぅ……」
それを言われると確かに……。
「いやウマ娘なら普通ですって!スぺちゃんとか軽く倍は」
「門限」
「あぁもう!!」
荷物を纏めてトレーナー室を後に──
する前に。
「そうだトレーナーさん」
「ん?」
「一応言っておきます。さっきの台詞は忘れてくださいね?」
「おう」
こういうのはちゃんとしておかないとダメですよね。
せっかく決勝の後にとっておきの
1年前に温泉旅行券をゲットしていた模様です
書きたいの思い付いたので2本目書きます(ホープフル書け)