緋弾のアリア GuiltySniper 作:TaMaNeGi
〇課からの任務はドラッグと銃器の取引現場の検挙だった。俺に与えられたのは両組織のリーダーの無力化。遠距離から一発で仕留めるというもの。スポッターにはよく組まされる〇課所属の岸田と言うやつだ。
「さてと、奴さんのお出ましだ。」
配置につき取引が行われるであろう倉庫街を監視していると岸田から声がかけられる。
「両方の顔は把握してるな?」
「もちろんだ。お前と一緒にするな。」
M24を構えスコープを覗いたまま答える。
「あのなぁ、もうちょっと愛想よくしたらどうだ?腕は確かなんだからよ。」
――余計なお世話だ。
「ハァ・・・。 ――出てきたぞ。」
無言で返すとそれ以上突っ込んでくることは無かった。
何やら話しているが大方互いの積荷の確認でもしているのだろう。
部下と思われる人間が確認しに行っている。
「さて、距離は867m、右に微風。まぁお前さんなら問題無いだろ。」
つくづくコイツはやる気があるのかと思ってしまう。
まあここに居るってことは曲者なのだろうけれど・・・。
「――タイミングは?」
レティクルを合わせつつ聞く。
「こっちから指示する。」
それに軽くうなずき集中しようと試みる、が。
――人殺し、か――
流石に面と向かって言われると堪えるな。
何も今日じゃなくたって良かったのによ・・・。
小早川に無理に話し振っちまったが、上手くやってくれただろうか。
「おい、準備はいいか?」
危ない、集中しろ。
気を取り直してレティクルを合わせる。
大丈夫だ、今日も当たる。
「あぁ、いつでも行ける。」
「OK、んじゃ3カウントだ。私抉るなよ。――3・・・2・・・1・・・0」
――バシュゥッ――
「ヒット、次ッ!」
直ぐ様リロードし二射目を放つ――。
「ヒット、目標沈黙。――流石だな。」
それと同時に〇課の部隊が現場を制圧していく。
「現場は滞り無く検挙したらしい。つうコトで俺達の役目は終了だ。どうだ、このあと一杯?」
「断る。というかアンタ未成年に酒勧めんのかよ。おっさん。」
「硬ぇこと言うなって。俺とお前の仲じゃねぇかよ。つうかおっさんとは失礼だな、おにーさんだ。」
「何が俺とお前の中だ、ただ単に良く組まされるってだけだろ。それにそういうのがおっさんなんだよ。」
「つれねぇな。――それはそうとお前さん、この間手ひどくやられたらしいな。」
チィ、やっぱり知れ渡ってるか。
めんどくせぇな。
「――――悪いがもう帰らせてもらう。今日はルームメイトに連絡入れ忘れたんだ。早く戻らねぇとうるさいんだよ。」
そう言って銃をケースに入れてその場を後にする。
時計で時間を確認すると
――本格的にマズイかも。――
キンジから不在着信も入ってる。
さっさと帰るかね。
「遅い!!」
「うるさいぞアリア。何回目だよそれ。」
「奴隷の分際で連絡なしとはいい度胸ねタケ・・・!!」
「ハァ・・・。」
いつも通り放課後に見舞いに行ってやったらまさかの退院。
しかもその後の足取りは掴めず唯一装備科で目撃情報があったきり。
全く何処ほっつき歩いてんだアイツは。
早く帰ってきてくれ。
アリアがお冠だぞ。
「ただいまぁ。」
やっとか!
何事もなかったかのように平然と部屋に入ってきたタケ。
これからのことを考えると、ご愁傷さまだな。
「遅っい!! 今まで何処で何やってたのよ!!」
タケが部屋に入ってくるやいなや甲高い声で怒鳴りつけるアリア。
まあ怒りは最もだがもう少しトーンを落としてくれ。
「うるさい・・・。ちょっと野暮用だ。こっちにも予定ってもんがある。」
しかしどこ吹く風のようにダルそうに答える。
けどその言い方はちょっとどうかと思うぞ。
「確かにタケの都合もあるだろうけど連絡の一つくらいくれたって良いだろ?」
「それについちゃ、俺も悪かったとは思ってるさ。今度からは気をつけるよ。」
申し訳なさそうに頭を掻きながらそういう。
そう言われては仕方ないので俺はそこで追求をやめる。
「ホントに分かってるんでしょうね?」
「ああ大丈夫だ。――と言うかアリア、お前自分の寮に戻ったんじゃなかったのかよ?」
その疑問はもっともだろうなぁ。
まぁそれを含めて今日用事があってアリアはここにいるんだけどな。
「そのことだけど、――アンタ“魔剣”って聞き覚えない?」
その言葉でタケが一気に真面目な目つきになる。
「魔剣、デュランダルか?」
「そうよ。その反応だとあるみたいね。」
マジかよ。
眉唾ものじゃなかったのか・・・?
「まぁ半分既に都市伝説化してる感もあるが、――超偵ばかりを狙う奴だろ?」
「そうよ。何処まで知ってる?」
「そうだな、さっきも言ったが標的は基本的に超能力者で犯行前に必ずといっていいほど予告メールを出す。ってことくらいだ。魔剣自身謎が多すぎる。」
タケが割りと真面目に話してるってことは本気で実在すんのかよ、そんなヤツが。
「確実に居る、と断言できるわけじゃないが火の無い所に煙は立たないって言うだろ?」
――確かにな。
「それでソイツがどうしたんだ?まさか捕まえるとかそういうんじゃ――。」
「そのまさかよ。」
タケが言い切る前にアリアが被せる。
「――マジか?」
信じられないと言う感じの顔でこっちに聞いてくる。
「ああ、今日の昼間教務科から白雪が狙われてるってな。」
「――成る程、星伽が。確かにアイツはハイレベルの超偵だったな。」
「それで護衛を付けるって話になったんだが正直突拍子がなさ過ぎてさ、俺がアリアにお前の意見も聞いてみようって言ったんだ。」
「ふむ、向こうからのコンタクトは既に?」
「まだね、ただ諜報科とSSRのレポートで狙われる可能性が高いって話よ。」
「諜報科とSSRか・・・。正直あそこはなぁ。」
信用ならない。
そう顔に出てるな。
まぁムリもないか。
「んで俺は流石に眉唾ものじゃないのかってことで一旦保留にして聞いてみたんだ。」
「魔剣はいるわ!確実にね!!」
といってアリアは引かないし。
タケにどうするという意味合いの目線を投げる。
「ただ教務科が動いたってのは大きいな。」
確かに基本的に放任な教務科がってのはアレか。
「用心するに越したことは無い、ってか?」
「そういうことだな。取り敢えずは当分様子見にはなるとは思うが護衛を付けておいて損はないだろうさ。」
その言葉を聞きアリアは上機嫌になっていた。
「わかってるじゃない。そうと決まればアンタも協力しなさいよね。」
「俺もか?てっきり俺はお前さんらとのパーティからは外されてると思ってたんだが。」
「?? 何言ってんのよ。戦力は多いに越したことはないでしょうが。それにアンタみたいなタイプは珍しいから手放したら勿体ないわ。」
「そうかい。そりゃ光栄だね。」
「とにかく護衛はアタシたちで受けるわ。コレは決定事項! 詳しいことは明日白雪を含めて打ち合わせするからそのつもりで準備しておきなさい。」
と言って自室に戻っていくアリア。
いつもいつも騒がしいやつだ。
「それにしたって本気か?そもそも魔剣の存在だって怪しいんだぞ?」
「確かにキンジの言いたいこともわかる。俺だって確信なんて出来ねぇよ。でも現にそういう情報が入ってきてるってのは事実だ。」
「そりゃそうだけどな・・・。」
「それに超偵ばかり狙うってことはそいつ自身何らかの超能力持ちと考えるのが妥当だろう。」
確かにな。
「じゃぁ逆に聞くが、いないって証拠も無いだろ?現に超偵が失踪したって事件は過去に起きたしな。ようはそういうことさ。」
んじゃシャワー浴びて寝るわ。
と行ってしまった。
確かにそうだがイマイチまだ納得出来ない。が、タケもああ言ってるってことは少なからず可能性はあるってことか。
“魔剣”か、調べてみたほうがいいかもな。