緋弾のアリア GuiltySniper   作:TaMaNeGi

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Side Story 2

午前の授業が終わり昼、俺はライカに用があって一年の校舎に来ていた…のだが。

 

 ――視線がなぁ――

 

別段上級生が下級生の校舎に行くということは珍しいものでもない。それこそ戦弟・戦妹制度があるしな。

ただ俺の場合いつかのアリアとの模擬戦以降妙な二つ名がついてしまった訳で、お陰でこうして悪目立ちしちまってるんだな。

 

「ライカぁ、居るか?」

 

取り敢えずさっさとこの息苦しい空間を脱するためにライカを呼ぶ。

 

「ちょッ、センパイ!?」

 

まさか俺本人がクラスまで来て呼び出すなんて思ってもいなかったようで俺に気付き焦ったように返事をする。

 

「わりぃな、いきなり押しかけてよ。今日の午後空いてっか?」

「えっと、…大丈夫ですけど?」

「ならちょっと付き合え、お前さんに渡すもんがある。」

「渡すもの…? なんですかそれ?」

「行ってからのお楽しみってな。」

 

そう言って俺はライカを連れ出した。

 

 

 

 

 

 

「こっちって車輌科のある方ですよね?」

「まぁな。してライカよ、お前免許取れたんだって?」

「あ、ハイ。なんとか。」

「そいつは良かった。取り敢えずはおめでとう。」

「ありがとうございます?」

「――なんで疑問形なの?」

「いや、なんていうか状況がいまいちつかめなくて…。」

 

確かにいきなりだからな、仕方ねぇか。

 

「以前カタナの話したの覚えてるか?」

「えっと、まぁ。」

「つまりはそういうことだな。」

「どういう…??」

「っと、そうこうしてる内についたな。――アイツはどこに…。」

 

ん、いたいた。

 

「おーい、武藤!! きたぞー。」

「ん?――おお、来たかタケ!」

 

俺達に気付き武藤が走ってくる。

 

「仕上がってるか?例のアレ。」

「バッチリだぜ。 ――んで隣のその娘が?」

「ああ、一度病院で会ってるだろ?」

「あの時か、――爆ぜちまえ。」

 

病院での出来事を思い出してか恨めしそうな顔で言う。

お前はそのガサツな性格をどうにかしろと言ってやりたいが。

 

「まぁいいや、俺は二年の武藤剛気ってんだ。よろしくな。」

「あ、火野ライカっていいます。よろしくお願いします。」

「おう。それにしても大変だろコイツ、バイク馬鹿で。」

「うるせぇよ、余計なお世話だ。まあいいや、仕上がってんだろ?アレ。」

「そう急かすなって。――こっちのガレージだついて来な。」

「そう言えばなんでアタシも連れてきたんですか?」

「ああ、言ってなかったな。お前のバイクだよ。」

「え?」

 

 

 

 ――アタシのバイク?――

 

確かに以前センパイにカタナに乗りたいって言ったけど、まさか…?

ホントになんの前ぶりもないもんだからアタシ自身がついていけてない。

 

「コイツだ。」

 

そうこうしてる間についたようで武藤先輩が指すその前にはたしかにカタナがあった。

ちょっと深みのあるメタリックレッドとシルバーのツートンカラー。

他の部分が黒い分余計に印象強く映る。

 

「すごい、きれい。」

 

自然と口に出していた。

みると武藤先輩が誇らしげに頷いていた。

 

「気に入ったか?」

 

センパイが聞いてくる。

本当にコレをアタシが…?

 

「え、いや、でも…。なんで?」

「乗りたいって言ってただろ?それに車体自体タダも同然でな。」

「何だタケ、伝えてなかったのかよ。そりゃびっくりするだろ。」

 

 ――ちょっとしたサプライズな感じだったんだよ。――

 

センパイが言う、けど。

サプライズにしちゃスケール大きくないですか…?

 

「ライカちゃん、実を言うとこのカタナここの倉庫に放ったらかしにされてた奴でさ。」

「車輌科の、ですか?」

「そう、イマイチなんであったのかはわかんないんだけど教務科にも確認はとったから大丈夫。」

「んで俺と武藤で丁度いいってんでライカ用に仕上げたってわけだ。」

「――ホントにいいんですか?」

「ああ、むしろ乗ってくれないと俺と武藤の努力がパァだな。」

「俺としちゃ、コイツを大事に長く乗ってくれりゃ文句ないしな。」

 

どうする?といたずらっぽくセンパイが言う。

それじゃぁ…。

 

「ありがとうございます。」 

「おう。早速乗ってみるか?」

「いいんですか?」

「平気だろ?武藤?」

「ああ、問題ないぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ、筋はいいなライカちゃん。」

「だな。まぁ運動神経も良さそうだったからな。」

 

俺とタケでバイク用のミニサーキットで彼女の走りを見ていた。

 

「400って言ってもカタナだからな。フロント18じゃ倒しにくいだろうに。」

「そうでもないぞ。慣れちまえば特に問題はない。それに400カタナが一番バランスよく纏ってる。」

「そりゃぁお前みてぇな人間はそうだろうよ。確かに400が一番バランスいいってのは賛成だけどよ。」

「オイ武藤、人を変人みたいな言い方するんじゃない。」

「だってそうだろ?――そういやアタックするとき言ってたよな、悪魔のように細心に、天使のように大胆にって。」

「口癖見てねぇなもんだな。攻めるとき、バトルするときの。んでさっきの変人発言だけどよ。」

「コーナー数個回っただけで殆ど全開アタック出来るような人間を化け物と呼ばずになんと呼ぶよ?」

 

コイツのバイクに関する"カン"は正直オカシイ。

 

「そんなにかぁ…?」

「そんなにだ。それにお前SUZUKI乗りだしな。」

「関係ねぇだろそれ。」

「いや、大いにあるね。っと戻ってきたな。」

 

赤いカタナがピットレーンを走り戻ってくる。

 

「どうだ?ライカ。」

「楽しいです! バイク自体の詳しいことは分かんないですけど教習所で乗ったのとは全然違いますね。」

「結構癖があると思うんだけどどうだった?」

「うーん、他のバイクに乗ったことがないんでどうにも…。」

 

それもそうか。

 

「でもまぁ、初めてであれだけ乗れれば上等だよ。」

「だな。意外と上手くてびっくりしてる。」

「ホントですか?」

 

顔を輝かせながらタケに聞くライカちゃん。

チクショー羨ましいやつだ。

俺も出来るなら星伽さんと…。

 

「どうした?武藤。」

 

シレッとしやがって。

お前のせいだっつうの。

 

「なんでもねーよ。」

「はぁ…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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