緋弾のアリア GuiltySniper   作:TaMaNeGi

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第二十発目

020

 

 星伽の護衛につくと決まって数日。

 俺はある人物に会いに来ていた。

 正直あまり会いたいとは思わない人物だが状況が状況なので我慢するっきゃない。

 

「ついたぞ、時間は多くない。手早く切り上げろよ。」

「わぁったよ。」

 

 案内役の岸田に言われながら部屋に入る。

 

「よぉ、しばらくぶりだな。調子はどうだよ。」

「あら、生きてたのね。てっきりあの時死んだかと思ってたわ。」

「俺はこう見えても結構しぶといんでね……全く減らず口は相変わらずか。」

「あなた程じゃないわ。それで?何のようかしら?こっちもヒマじゃないのだけれど。」

「まぁ、ちょっとした世間話だな。」

「はぁ…。ただの世間話、というわけでもないのでしょう?」

「ああ、今巷で話題の魔剣についてちょっとな。」

「タダで、なんて言わせないわよ。」

「安心しろ、用意してある。」

 

 そう言って俺は一つの封筒を出しそこから一枚写真を抜く。

 

「……!」

 

 よし食いついた……!

 

「これは俺の後輩の写真なんだけどな。中々、よく撮れてるだろう?」

「……ええ、そうね。」

「因みにこんなのもあるんだが――」

 

 そう言って相手にわざと封筒の厚みがわかるようにしながら別の写真を出そうとすると。

 

「いいわ、教えてあげる。」

 

 即答かよ…。

 ちょろいな夾竹桃。

 さすがにこれは予想外……。

 

「あなた、ジャンヌ・ダルクは知ってるかしら。」

「て言うとフランスの百年戦争の時のアレか?」

「そうね、オルレアンの乙女とか言われる彼女よ。」

「それがどうしたんだ?……ってまさか!」

「そう、魔剣は彼女の末裔よ。詰まる所ジャンヌ・ダルク30世ね。」

 

 ちょっと待て、じゃぁ処刑されたのは……。

 

「処刑されたのは影武者みたいね。わたしも最初は驚いたけれどどうやら本当みたいよ。」

「生き残っていたことに驚くべきか、イ・ウーにいることを悲しむべきか……。」

「そんなのはあなたの感性の問題じゃないかしら。」

 

 余計なお世話だ。

 

「それにイ・ウーも悪い場所ではないわよ。」

「たいていの犯罪者はそういうんだよ。んで、ヤツの能力は?」

「超能力者、というのには気づいているのね。」

「ああ、高レベルの超偵ばかりをターゲットにしているからな。ヤツ自身も結構なモンじゃないかと思ってな。」

「ふぅん。 それで能力についてだけど彼女は氷を操るわ。」

「氷?……てことは空気を冷やすってことも出来るのか?」

「そうね。結果的にはそういうことも出来るんじゃないかしら?空気中の水分を氷にするのだから。」

「成る程ねぇ、となると閉所での戦闘は避けたほうが無難か。他は?」

「あとは格闘戦もそつなくこなすわね。まぁ祖先がフランス軍の軍人だったわけだし不思議ではないのだけれど。」

「ああなるほど、確かにな。」

「因みに聖剣デュランダルが主兵装よ。」

 

 頭が痛くなってきた。

 いつからこの世界はファンタジーな世界になったのか…。

 いやまぁ、超能力なんてもんが存在してる時点で既にアレなんだが。

 しっかしなぁ――。

 

「なに変な顔してるのよ。」

「なんでもねぇよ、気にするな。」

「そう。――あとは策略家とでも言おうかしらね。」

「へぇ……。」

「頭のキレの良さと情報収集に関してはイ・ウーでも定評があったわ。」

「またそりゃ厄介だな。」

 

 力があってもどこかで慢心してるようなヤツのほうがやりやすいんだが。

 まぁそこいらのチンピラとかと一緒に考えるのもあれな話か。

 

「他に――」

「時間だぞ。出てこい。」

 

 チッ、もうかよ。

 まだまだあるんだが…。

 

「残念だったわね。」

「うるせぇよ、――仕方ない、コレはここにおいてくぞ。」

「――ええ、確かに。」

 

 中身を確認し満足そうに答える。

 まぁ能力が判明しただけでも収穫か。

 それにしても―― 

 

「時間、短すぎじゃねぇか?」

 

 部屋を出たところで外にいた岸田に文句を言う。

 

「仕方ねぇだろうが、結構無理矢理だったんだからよ。話せただけでもありがたいと思いやがれ。」

「はいはい、助かったよ。」

 

 

 

 

 

「んで、こりゃどういう状況だ?」

 

 帰ってきたら部屋でアリアがガバをぶっ放し、星伽は興奮状態でオマケにキンジは半裸。

 頭が痛くなってきた。

 なんでこうも身内のトラブルが絶えないんだ。

 

「タケ!!助けてくれ!!」 

「黙りなさい、この強猥魔!」 

「合意の上だったんだよ!」

 

 いや、えっと、うん。

 とりあえずだ。

 

「お前ら落ち着け。キンジは服を着ろ、アリアは銃をしまえ、星伽は少し頭を冷やせ。」

 

 女嫌いで通ってるキンジが星伽を襲うわけねぇし、そもそも本人にもその気はないだろうから、おおかた星伽が暴走したんだろう。

 そこにちょうどアリアが帰ってきてこの状況、といった具合か。

 詳しいことは聞いてみないとだがな。

 

「何がどうしてこうなった?詳しく説明しろ。」

 

 ぶっきらぼうな命令口調になってしまったのは仕方ないと思う。

 最初に口を開いたのは星伽だった。

 

「えっと、キンちゃんから電話がかかって・・・。」

「電話?」

「うん、バスルームにいるからすぐに来いって。」

「それで慌てて行ったらキンジは裸でちょうどそこにアリアが来た、と。」

「そういうことになるな。けど白雪、その電話は俺じゃないって。」

 

 キンジの口調からするに本人はかけてない?

 怪しいな。

 

「星伽、電話の声は?」

「うん、キンちゃんの声で白雪って。――非通知だったけど。」

 

 非通知? 

 こりゃぁますます…。

 

「アリア。」 

「ええ、そうね。」

 

 どうやらアリアはなんとなく読めたようだ。

 あとは。

 

「おい、どういうことだよ。二人で納得してないで教えてくれ。」

「魔剣よ、キンジ。」

「はぁ? なんでそうなるんだ、ただのイタズラかもしれないだろ?」

 

 そうなるわな。

 

「たしかに確たる証拠はない。」

「だったら・・・。」

「けど少し考えたら可怪しいところに気づくはずだ。そもそもなんでバスルームにいるって言ったんだ?それに普通バスルームにまで携帯を持ち込むか?」

 

 ――まぁもしかしたらいるかもしれないけどな。――

  

 と前置きを入れて続ける。

 

「一番怪しいのは名前を知っていたってことだ。そうだったよな?」

「うん。白雪って。」

「キンジの声で名前まで知っていたとなるとキンジに対して個人的な何かがある、あるいは単純に星伽を信じこませやすいからなのか。――あとは。」

「タイミングね。」

 

 アリアが続ける。

 あとは任せるかね。

 

「白雪が魔剣に狙われてるって言う時にコレよ?堂々と魔剣ですって言ってるようなものじゃない?」

「けどなぁ…。」

「くどい!!どのみち護衛は続けるわ、今まで以上にしっかりやりなさいよね!」

 

 あぁ、そうやってすぐに怒鳴っから後々が面倒になるんだろうに…。

 他にも盗聴の危険とかあるんだが。

 しょうがねぇフォロー入れとくか。

 

「キンジ過敏かもしれねぇが過程がどうあれ正式に受けた依頼だ、何かあってからじゃ遅いんだ。」

「…わかったよ。それもそうだな。」

「頼むぜ。」

 

 アリアが不満気な目で見ているが気にしない。

 だったら自分で説明しろってのよ。

 

「まぁいいわ。それで何か進展はあったの?ここのところ頻繁に出てたけど。」

「全然だな。まるで雲をつかむようだぜ。」

   

 同時にまばたき信号で伝える。

 

『盗聴、危険。情報、後日。』

 

「――全く仕方ないわね。」

「――あれだけ言っておいてお前もかよ。」

「――そうなんだ、ホントはいなかったりしてね。」

 

 どうやら伝わったみたいだな。

 アリアはともかく、キンジと星伽は心配だったんだ。

 なんだかんだ言って二人もしっかり武偵ってことだな。 

 

「そうだ、武臣くん。ご飯は食べちゃった?」

「いや。それがまだでさ。適当にラーメンでも食おうかと。」

「なら作ってあるからそれ食べて。」

 

 ありがたい。

 ホントキンジが羨ましいよ。

 

「ちょっと、なんでタケにはしっかり夕食用意しておいてアタシにはご飯一杯だけなのよ!!」

「だって武臣くんはこっちの事情で巻き込んじゃったも当然でしょ?なら出来るだけ迷惑かけないようにするのが当たり前じゃない。」

 

 いや、星伽さん煽んないで…。

 

「なによ、アタシが悪いって言いたいわけ!?」

 

 ほら言わんこっちゃない。

 キンジも呆れてるじゃねーか。

 

「また騒がしくなりそうだ…。」

 

 

 

 

 

 

 




不定期更新もいいところな更新速度ですね、ほんと申し訳ない。
医療系は毎日が忙しいのです。
休みやちょっとした合間に考えているんですが…。

出来るだけ改善はしようと思いますのでよろしくお願いします。
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