緋弾のアリア GuiltySniper   作:TaMaNeGi

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第二十一発目

 

 

 

 

 

 

「それで、盗聴ってどういうことなんだ?」

 

 彼らが集まっていたのはカラオケ。

 武偵高の生徒たち御用達のである。

 

「確証はないんだが……、怪しいとは思わないか」

 

「昨日の電話のこと?」

 

「そうだ、星伽が聞いたのはキンジの声で間違いないんだろ?」

 

「うん、キンちゃんの声を聞き間違えるはず無いよ」

 

「でもその時俺は風呂に入ってて携帯なんて持ち込んでないぞ」

 

「だろうな。しかも番号は非通知だった。態々身内にかけるのに非通知にする必要ないだろ?それにタイミングもドンピシャだ」

 

 そう、冷静に考えれば幾つもの不審点があったのだ。

 それを指摘されたキンジ。

 

「確かに言われてみれば……、用心に越したことはないか」 

 

 それを聞いて武臣が頷く。

 これまでで色々と思うところがあったのか、以前までは消極的だった思考もここに来てだいぶ減り始めていた。

 

「それでなにか情報掴んだんでしょ?」

 

「ああ、結構な収穫があった。ただ……。」 

 

 聞いて驚くなよ。と前置きして話し始めた。 

 

 

 

 

 

 

 

「その情報、確かなの?」

 

 すべての情報を聞き終えたあとアリアが口を開く。

 さも"疑ってます"と言わんばかりの表情だった。

 まぁ正直内容が内容な為に仕方ないよなぁ。

 

「詳しくは言えないが、残念ながら信憑性は高い」

 

「――どうしても?」

 

「スマンな」

 

「はぁ…。いいわ、アンタが態々そんなつまらない嘘言う人間じゃないってのは解ってるし」 

 

「そうしてくれると助かる」 

 

 

 なんとか納得してくれたようなのでとりあえず前置きをして情報をまとめる。

 

 

「情報を纏めるぞ。 まず魔剣は氷を使う超能力持ちで、かのジャンヌ・ダルクの直系の子孫。そして頭がキレて策略家、主兵装はデュランダル」

 

「デュランダルか、あながち"魔剣"ってのも間違ってなかったって訳か。ただまぁ……」

 

 ――ファンタジーだよなぁ。――

 どこか釈然としない顔でキンジが漏らす。 

 

「全くだよ。けどよ確実に居るってことは分かったろ?」

 

「ああ、そして難敵だってことも」

 

 予想以上の敵と知り気を引き締めキンジの顔つきが変わる。

 確かに難敵かも知れないがつくポイントはあるんだぜ。

 

「こういう手合の輩は敵が自分の策に嵌っていくのが楽しいっていう質の悪い人種だからな、下手にやってもダメだ。」

 

「質が悪いってお前…。じゃぁどうするんだよ」

 

「相手が策士だっていうところをつくのさ」

 

 アリアはなんとなく解ってるみたいだが星伽とキンジは考えこんでる。

 イマイチわかってないみたいだな。

 仕方ねぇ、わかりやすく言うか。

 

「考えても見ろ、態々こんなに回りくどい事をしてるんだ自分自身に自信が無いって言ってるようなもんだ」

 

「自信がないって、どういうことだよ」

 

「簡単に言うとだ、ここまで警戒しないと勝てないって言ってるようなもんなんだよ」

 

 その言葉にキンジはハッとしたように顔を上げる。

 ようやく理解したみたいだな。

 

「そうか、今までの事を考える限り"魔剣"は俺たちをバラバラにさせようとしてた。ということは俺たち全員でかかれば……」

 

「勝てない相手じゃないってわけね」

 

 キンジのセリフに満足するかのようにアリアが続ける。

 お前さんはもっと人に説明するってことを学んだほうがいいぜ。

 

「そういうこと。そこでだ、一芝居打つってのはどうだ?」

 

 

 

 

「タケ、お前魔剣のこと質が悪いって言えねぇぞ」

 

「でも確かに一番いい方法かもしれないわ」

 

「けどよ、流石に監視は続けてるとは言え危険じゃないか?」

 

「いや直ぐには手を出すって事はないだろう。こういうタイプは予定通りに進むのが好きだからな。うまく行っているうちは予定を繰り上げることも繰り下げることも無いだろうよ」

 

 ただし問題があるとすれば…。

 

「星伽、お前さんが嫌って言えばまた別の方法を考える」

 

 護衛対象を餌に使う、上手く行けば大きな収穫があるだろうがミスすれば振り出しに戻ってしまう。

 何が起こるかもわからない、まさにハイリスク・ハイリターン。

 更にあからさま過ぎても敵は感づいてしまって食いつかない。

 今回みたいな策士な相手には尚更だ。 

 

「本人が嫌だって言えばそれまでだ。なにせ俺達の護衛対象で星伽に何かあったらそれこそ終わりだからな」

 

 何かあった時でも俺たちが動くまで自分でどうにかしてもらうことにもなりかねない。

 キンジが心配そうに星伽見やる。

 

「私、やるよ」

 

「ッ……、いいのか?白雪?」

  

 不意に白雪が口を開いた。

 まさかすんなりと肯定の言葉が出てくるとは思っていなかったのかキンジが驚く。

 他二人も同じ様相だった。

 

「言い出しっぺの俺が言っても説得力はないが……、本当にいいのか?」

 

「そうよ、アタシとしても今回のこの作戦は断られても仕方ないと思ってるわ」

 

 アリアと武臣が白雪に聞く。

 すると白雪はキンジを一瞥して続けた。

 

「正直言うと怖いけど……、キンちゃんだって皆もいるし、何よりその"魔剣"は以前から超偵ばかりを狙って事件を起こしてるんでしょ?」

  

 ――なら、ここで私達が止めなくちゃ――

 強い意志の篭った視線で言う。

 

「ここまで言われればやるしか無いか、だろキンジ?アリア?」

 

「そうね、ここで引き下がるなんてカッコ悪いこと出来るわけないわ」

 

「ああ。ここで尻込みしたら男じゃない」

 

 さて作戦を煮詰めるとしますかね。

 

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