緋弾のアリア GuiltySniper 作:TaMaNeGi
大学の実習セットで4万5千払うはめに。
一ヶ月のバイト代全部持ってかれた・・・orz
武偵が気を付けなければならない物は大きく分けて3つあると言われている。
闇、毒、そして女――。
その3つ目に入るであろう神崎はコンビニで買ったももまんを頬張っていた。
別にももまん自体、妙なゲテモノって訳じゃないし、相手は女子なわけで甘いモノが好きだっていうのも頷ける。
だが――アイツの場合数が異常だ、買ったももまんは7つで、既に5つ目まで平らげてしまっている。
「バケモノか・・・。」
唐揚げ弁当を食べながら思わず呟いてしまった。
見てるこっちが胸焼けしそうだ。
そんな中キンジが話を切り出す。
「・・・・それで、ドレイってどういう意味だよ。」
だな、まずはそこからだ。
「強襲科で私と一緒にパーティを組むのよ。」
ああ、成る程。そういうことね。
つっても強襲科ねぇ、キンジの答えは絶対にNOだろうな。
「なにいってんだ、俺はあそこが嫌で武偵高で一番まともな探偵科に移ったんだ。それに学校自体これから一般校に転校する予定だ、武偵を辞めるんだよ。なのによりにもよって強襲科にもどれだと?――ハッキリ言う無理だ。」
やっぱりな、一般校に転校する話も俺は聞いていたからな。あんなことがあったからな。
そう来るだろうとは思っていた。
「あたしには嫌いな言葉が3つあるの。」
「人の話を聞けっての。」
「『無理』『疲れた』『面倒くさい』これらは人の可能性を押し留めてしまう悪い言葉よ、今後あたしの前では二度と言わないこと。いいわね?」
キンジの言う事など何処吹く風と言わんばかりに持論を展開する神崎。
いつの間にかももまんはすべて平らげた様子だった。
ちょっとここで確認というか気になっていることを聞いてみる。
「なあ、そのパーティって俺も入ってるのか?」
出来れば入ってないって答えて欲しいが・・・。
そう都合よく行く筈もなく。
「そうよ、確かにアンタは接近戦が苦手みたいだけどその狙撃の腕は重宝するわ。まだ直接見た訳でもないけれど、狙撃科でも十分通用するらしいじゃない。」
「でもよ、それだったら俺より腕の立つ狙撃科生徒に頼んだほうがいいだろうよ。」
「バカね、アンタが強襲科だからこそなんじゃないの。科が同じ方が行動しやすいでしょうが。」
ぬぅ、ごもっともで。
「だったら、俺だって探偵科だぞ。それこそ非効率的だろうが。」
キンジが抜け道を見つけてきたな、だけど一筋縄じゃ行かないのはコレまでで解ってきてるはずだ。
「そうねぇ、キンジはあたしと一緒にフロントがいいわ。」
ある意味期待を裏切らないよなホント。
――フロント、要するにフロントマン。前衛を務める負傷率ダントツの危険なポジションだ。
最前線で戦うポジションでゲームとかで例えるならダメージディーラーって所か。
「タケオミは今までどおり、マークスマンで中距離からの支援中心ね。」
まあ、そうなるわな。
――マークスマン、日本語で表記すれば選抜射手。スナイパーが遠距離特化の射手で1キロ以上の距離からの狙撃を主な生業としているのに対しこちらは最大でも800mほどの距離での狙撃が主だ。
これだけならただの劣化スナイパーだろうがマークスマンはスナイパーが一撃必殺を求められるのに対し精度の高い射撃による先制攻撃を求められる。
要するに相手のアウトレンジからの攻撃、更に目標が多数の場合でも素早い攻撃が求められれ、なおかつ迅速な移動もできなくてはならない。
よって銃もじっくりと狙いを定める時間的余裕を期待しないため、速射性に難のあるボルトアクションは忌避される。
「待て待て、タケは強襲科だからわかるが。そもそもなんで俺なんだ。」
まあ至極まっとうな疑問だわな。
俺もそれは気になってたぜ。
まさか、"あの"姿を晒したってんじゃ――。
「太陽はなぜ昇る、月はなんで輝く?」
お、おう?
いきなり話が飛ぶな。付いて行くのが大変だ。
「キンジは質問ばっかりの子供みたいね。仮にも武偵なら、自分で情報収集して推理しなさいよ。――タケオミはどうなのよ?」
ここで俺に振って来るか。
――どうしたもんか。
「貴族様の期待に答えられるかはわからないけど、なんとなくはな。」
ちっと嫌味な言い方になっちまったか?
「そこそこ、調べてはいるわけね。」
「まあな、お前さんらの間で何があったかは解らないがキンジのことを嗅ぎまわってたってのは聞いたからな。」
「それで?」
「ここで言っていいのか? ――キンジには自分で調べさせるんじゃなかったのか?」
まだ確証の取れてるのは少ないしな。
下手にカードは切りたくないし――何よりも面倒事はゴメンだ。
まぁ、もう逃げられないような気もするんだが・・・。
「それもそうね。」
と俺の言い訳に納得したのかコレ以上の追求は無かった。
――最もキンジは納得どころか不満だらけみたいだけどな。
"なにが自分で調べて推理しろ"だよ。
自分勝手も大概にしてくれ。しかもタケは話そうとしないないし。
とりあえずだ――さっさと引取り願うしか無い。
「とにかく帰ってくれよな。」
「まあ、そのうち帰るわよ。」
「そのうちっていつだよ。」
「アンタが強襲科に戻ってあたしのパーティに入るって言ったらよ。」
「けどよ、もう夜だぞ?」
「何が何でも入ってもらうわ、あたしには時間がないのよ。入らないって言うなら――」
「入らなけりゃ何なんだ? どうするってんだよ?」
アリアが言い終える前に毅然とした態度で言葉を被せる。
すると俺を睨みつけ――。
「入るって言うまでココに泊まるわ。」
――なっ!?
俺自身でも顔が引き攣ってるのがわかった。
見るとタケも呆れている。
「ざっけんな! さっさと帰れ! 何度も言ってるだろう、俺は強襲科には戻らない!!」
さすがに頭にきた俺は声を張り上げる。
「うっさいわね! 泊まってくって言ったら泊まってくわ! 長期戦も想定済みよ!」
ビシっ!――と玄関においてあるトランクケースを指しながらキレ気味に叫ぶアリア。
――アレは宿泊セットだったのか!
なんでそこまで・・・。
「出てけ!!」
コレは俺のセリフじゃない。
ましてや同居人のタケでもない。
「なんで、俺が出ていきゃなきゃいけないんだ!? ここは俺達の部屋だ!」
そう、何故かアリアが叫んだのだ。
「わからず屋にはお仕置きが必要よ! 外で頭冷やしてきなさい!」
あまりの剣幕に押され追い出されるはめになってしまった・・・。
タケがご愁傷さん、と目線で訴えてきたが――。
「なにやってんの! アンタも出て行きなさい!」
と俺と一緒に追い出された。