緋弾のアリア GuiltySniper 作:TaMaNeGi
何がどうしてこうなった・・・。
アリアに覗き魔と散々言われた後本気でこの部屋に泊まっている。
――いまいちコイツの思考が解せない・・・。
しかも今同じ部屋で寝ていると言う状況。
床には『ここら入ってきたらコロス』と油性ペンで"がっつり"と書かれていた――。
なぜ同じ部屋なのか、まずそこから説明すると、この寮は何人かの相部屋として使うことを前提で作られている。
よってリビング、キッチンの他に数部屋、別室が設けられていて・・・。
――その一つが今オレたちが寝ているこのベッドルームで二段ベッドが2つ設置されている。
他には軽く収納があるだけだな。
まあ、俺は布団を敷くのがダルいしって理由で主にココの部屋を利用していて、タケは自分で布団を自室に敷いてそこに寝ている。
流石にアリアも布団を用意するのは難しかったようで自然とこの部屋を利用することになった、というわけだ。
「うにゅぅ・・・、ももまんいっぱい~。」
当のアリアはこっちの気などいざ知らず。
つか、夢の中ですらももまん食ってんのか・・・、どれだけ好きなんだよ。
それにこのトラップ群、家の中に仕掛ける量じゃないぞ。
それに――
「武偵は、もう・・・。」
転校したら何をやるとか、やりたいとか。
特にそういうことは無いけれど武偵だけは――ダメだ。
俺はもう・・・。
「くぁぁ~、・・・・起きるか。」
時刻は朝の6時50分。
昨晩、神崎は本当に泊まってしまった。
一緒の部屋で寝るとなってトラップをこれでもかと言うくらい仕掛けてたけど。
つかそこまで嫌なら泊まってくなよ。
「さてと、顔洗って飯でも作りますか。」
飯を作っていると匂いに触発されたのか神崎が起きてきた。
「よう、神崎。 眠れたかよ?」
「そこそこね。 悪くはなかったかしら。」
「そうかい、そりゃ何よりだ。」
会話しながらも、三人分の朝食を作る。
今日は無難に焼鮭に沢庵、味噌汁と言う和風物。
そういや鮭の皮を食う・食わないで昔知り合いと言い合いになったっけか。
――因みに俺は皮も食うぞ、めっちゃうまいじゃねぇか。
そんな事を考えつつ調理していると。
「タケオミ、あんた料理できたのね。」
「昨日言わなかったか?」
「てっきり炒飯とかしか作れないのかと思ったのよ。」
おいおい、確かに炒飯は作り方さえ単純だがアレを完璧に作るってなったらかなりの難易度なんだからな?
「そうかい。 そうだ神崎、お前箸は使えるよな?」
イギリスに居たって話だったからな。
心配して聞いてみると――
「あたしを誰だと思ってるのよ、普通に箸くらい使えるわ。――それとアリアでいいって言ったでしょう?」
「ん、ああ。分かった。 今度からそうする。」
そうこうしているうちに料理が出来上がる。
さて寝坊助な同居人を起こしてきますかね。
「かん――じゃなかった。 アリア、キンジ起こしてくるから料理テーブルに並べといてくれ。」
「分かったわ、並べておくからさっさと戻って来なさいよね。」
「はいよ。」
「・・・・きろ、・・・きろってば。」
なんだ、この声はタケ?
「朝だぞ! さっさと起きろって。」
その声でようやっと目が覚める。
「ん・・・、ぁぁ~。 朝か。」
「まあ、昨日眠れなかったてのはわかるが始業時間は待ってくれないんだからな。」
「分かってるっての・・・、顔洗って着替えてくる。」
そう言って俺はベッドから出る。
「ああ、早くしろよ。 アリアがお冠になる前にな。」
アイツもう起きてんのか。
全く人の気も知らないで――ん?
「タケ? お前もアリアって呼ぶことにしたのか?」
「ああ、アイツにそう呼べってな。 強情だったからこっちが折れたってわけ。」
なるほどな。
「そういうことか、分かったすぐに行く。」
着替えが終わり食卓に行くと料理が並べられていた。
「おそい! いつまで待たせるのよ!」
全く自分勝手なやつだ。
「だいたいお前――」
「言い合ってんじゃねぇよ。 冷めちまうから食うぞ。」
見かねたのかタケが間に入る。
確かにせっかくの料理だ、覚めて不味くなったんじゃ勿体無い。
白雪ほどじゃ無いがタケの料理もかなりレベルが高い。 アイツ自身そうは思ってないみたいだけど・・・。
「そうだな、んじゃ頂きます。」
そう言って俺は箸を伸ばした。
「んじゃ、俺はもう行くわ。」
朝食を食べ終えまだ時間があった俺はPCのメールチェックをしていた。
「どうしたんだ? まだ時間あるぞ。」
そう、タケのいつもの足ならこんなに早くココを出る必要も――ってそういや車検なんだっけか?
だとしたって58分のバスでいいんじゃ?
「お前の言いたいこともわかるけど今日車検に出した愛車が帰って来るんだ。」
「ああ、それでか。」
タケは二輪の免許を持っている。基本的な足はバイクだ。
「まあそういうこと。 武藤に車検だけじゃなくてその他諸々のメンテとかも頼んだからさ。軽く乗りたいんだよ。」
「タケらしいな。」
根っからのバイク好きで一時期なんで車輌科じゃないんだ?って思ったくらいだ。
「つーわけで行く。 そうだ、かん――アリア、キンジとは時間ずらして出ていけよ?」
わざわざ言い直すくらいなら最初からそういえばいいじゃないかよと俺は内心突っ込んでいた。
「なんでよ?」
当のアリアは本気でわかってないみたいだし。
「あのな。ココは男子寮だぞ? そこからお前がキンジと一緒に出てきたらそれを見た第三者が妙な噂立てるだろうが。 俺もココに住んでるんだし。」
まったくもって正論だ、ただでさえ初日で色んな噂が立っちまってるんだ、タケの言うことは至極当然だな。
かくいう俺も同感だ。
「――分かったわよ、時間をずらすわ。」
神崎も気にしていたのかあっさりと了承した。
そのことに若干驚きつつもタケを見送る。
「まあ、妙なことはよしてくれよな。 面倒事はゴメンだ。」
そう言うと既に準備できていたようで足早に出ていってしまった。
「どんだけ楽しみなんだか・・・。」
俺は愛車を受け取るために車輌科に来ていた。
ここで依頼した武藤と落ち合うはずなんだが・・・。
――お、来たみたいだ。
「よぉ、まったくお前も人使いが荒いな。」
「金は払ったろうが、それに早く乗りたくてウズウズしてるんだ。」
それを聞いた武藤は呆れたように肩をすくめていた。
「まったく、仕方ねぇやつだな。――ついて来い、こっちのガレージだ。」
そう言って俺達は歩いて行く。
ガレージに着き武藤を先頭に入っていく。
流石に色々揃ってるな、俺個人でここまで揃えるのは苦労するからなぁ。
――そもそもガレージ無いし・・・。欲しいなぁ。
「ほら、着いたぞ。」
おっと、無意識の内にトリップしてたみたいだ。
「本当はボアアップとかしてみたかったんだけどな、予算の都合上から出来なかったが・・・。消耗してた部品やら怪しい箇所には全部手を入れた。」
そう言って目の前のバイクのカバーを取り払う。
――そこにあった、俺の愛車であり唯一無二の相棒。GSX-400Sカタナ。カラーはガンメタ。
なんだろうな、ほんの少しの間だったはずなんだがひどく懐かしく感じるな・・・・、ん?
「なあ、武藤。 集合管換わってないか?」
そう、マフラーが交換されていた。
とは言え以前から集合管を入れていたんだが――。
「ああ、あの怪しいのか。 メーカーがいまいち良くわからねぇ所のでな。」
「まあな、知り合いの店に安く出回ってきた奴だしな。Y○SHIMURAとかのだと高くてな。」
そう、この集合管、確か1万ちょっとだった気がする・・・。
「そんな事だと思ったぜ、いい機会だと思ってな。交換しておいたんだ。」
こっちとしては手間が省けて助かるんだけど――。
「高かったんじゃないか? 追加料金とかは?」
信頼出来るメーカーのだとそれ相応に値はするはずだ。
――よく見るとやっぱりヨ○ムラのじゃねぇか。
「いや、大丈夫だ。 中古の美品だし、何よりお前さんはお得意さんだからな。」
「そうか、んじゃ遠慮無く頂いておくぜ。」
そう俺がいうと――。
「ほらよ、キーだ。 メットもそこにおいてあるぜ。」
「サンキュ、っと。 ちょっと聞きたいんだが・・・。」
「この時間なら誰も走っちゃいねぇよ。 乗りたいんだろ?」
サーキットの方を指さし笑いながら言う。
――話が早くて助かる。
「んじゃ、お言葉に甘えて。」
そう言い俺はフルフェイスのメットを被りキーを挿す。
因みにメットもガンメタで合わせてある。
――ガウォオン!
久々の感覚、ヤバい、テンション上がるな。
「はじめからハイペースで行くなよ! タイヤも新品だ、最初は様子見だからな!」
そんな俺を見てか忠告をしてくる武藤。
「わぁってる! 心配すんな!軽くだから!!」
ガレージにエンジン音が反響して互いに大声になっちまうな。
――さてと、行きますか!