ショウとは別に少女がヒスイ地方に送り込まれたそうです。 作:クロの騎士
翌日。
元の世界に戻る方法を探しつつ、アルセウスからの「全てのポケモンと出会え」と言う使命を遂行することにした。
だが、どちらも個人で達成するには難しい。
「やっぱり、協力者が必要かな?」
協力者として挙げられるのは、ショウにラベン博士、セキさんとカイさん……そして、ウォロさんくらいだろう。
しかし、誰しもが組織に属しており、組織のことを考えれば協力してくれない可能性がある。
更にショウはともかくとして、何かしらのリターンを求めて来ると思う。
例えば「組織に入れ」とかだ。
バサギリの件でカイさんの誘いを断った。
また、昨日にセキさんからも「コンゴウ団体に来ないか?」と誘われ、私はカイさんの時と同じ返答をした。
二人とも私の気持ちを一番としたらしく、その場では諦めてくれた。
だが、完全に諦めた訳ではなさそうである。
「コンゴウ団にシンジュ団……どちらかに属したら、揉め事になるだろうし……」
私を巡って争いになるなんてごめんだ。
と言うか、なんで私なんかを取り合いするのだろか?
そんなに価値があるとは思えない。
「ショウとラベン博士はギンガ団に所属しているし……残るはウォロさんかな?」
「呼びました?」
後ろを振り返ると、本人が立っていた。
「いつの間にいたんですか?」
「協力者が必要とおっしゃっていたところからです」
それは最初からいたと言っているものではないですか?
声を掛けてくれればいいのに……
「それで何の協力者ですか?」
「簡単に言えば、帰る方法を探す協力者ですね」
帰る方法……それを聞いて、ウォロさんから笑顔が消えた。
「やはり元の世界に帰りたいのですね?」
「もちろん。ただ、私が帰りたいと言うよりショウを帰したいから帰る方法を探そうと考えてます」
「なるほど……貴女は随分とショウさん思いなのですね」
「まあ、妹みたいな感じかな?」
放っては置けない。
バサギリとドレディアを鎮める為に行動していた彼女を見て、私はそう思った。
「元の世界に帰る方法を探すのは、簡単じゃありません。ですが、この世界に来られたのだからきっと戻ることが出来ますよ」
ジブンも出来る限り協力します。
ウォロさんは人差し指を立てながらそう言った。
===
帰る方法を探す。
目の前にいる少女の言葉を耳にし、ウォロはどうするべきか考えていた。
前に遭遇した謎のポケモン。
あのポケモンとルージュが出会うと、確実に元の世界へと戻ってしまうだろう。
それだけは絶対に阻止したい。
ルージュ……彼女はアルセウスまで導く存在。
それが自分の許可無しで帰ろうなんて許されざる行為だ。
(この世界に繋ぎ止めるには、やはり契りを結んでおくべきでしょうか?)
移動の為にテントを片付けているルージュ。
以前、不覚にも彼女の反撃を喰らったが、それは油断したからに他ならない。
今ならいける……そう考えたウォロだが、後ろからの殺気を感じ取った。
「……チュウ?」
オヤブンピカチュウだ。
だが、ピカチュウ以外にもいる。
オヤブン個体のリングマにヌメイル……通常個体のポケモンも複数確認できた。
(なるほど……此処で彼女を襲おうものなら、ワタクシの命はなさそうですね)
ルージュを守る野生のポケモンたちを見て、今回は諦めることにした。
「ウォロさん、彼らは襲って来ないですよ?」
周りに潜んでいるポケモンたちを警戒しているのだろう。
片付けを終えたルージュは、ウォロに敵意が無いと説明した。
「確かに敵意はなさそうですね」
言葉の前に「今は」と付けるのが正しい。
殺気を流していたピカチュウたちが一斉に辞めた。
それは自分が襲うのを諦めたのか、それともルージュを怖がらせない為か……果たしてどちらなのだろうか?
===
「それで、次は何処に行くんですか?」
「そうですね……」
ウォロさんに地図を貰い、それを見つつ考える。
すると、空から何かが落ちてくるような音が微かに聞こえてきた。
「……あ?」
それが何なのか解った瞬間、ドォーン!!……と言う音と物凄い衝撃が辺りに走った。
「い、今のは?」
「どうやら隕石が落ちてきたらしいです」
近い場所に落ちたようだが、これも時空の裂け目と関係があるのだろうか?
「ウォロさん、私は行ってみようと思いますが、どうしますか?」
「是非、同行させてください」
と言うことで、ウォロさんと共に隕石が落下した場所へと向かう。
道中、ポケモンたちが何かに恐れて隕石から離れていくのを目撃した。
どうやら、タダの隕石じゃなさそうだ。
「……着きましたね」
「はい、到着です」
大きなクレーターが出来ており、その中央に落ちてきた隕石が存在している。
さて、蛇が出るか鬼が出るか……私の予想だと珍しい物が拝めるかもしれません。
「随分と楽しそうですね」
「そう言うウォロさんこそ」
私たちは更に隕石へと近づく。
「ところでウォロさん、ポケモンの中には宇宙から来たものもいることをご存じですか?」
「えぇ。そのように語られているポケモンがいることは知っています」
「流石は商人。ですが、実際に宇宙からポケモンが飛来したところは見てませんよね?」
「そうですね……その質問をすると言うことはつまり?」
「はい。みたいです」
突然として隕石が光り輝く。
そして、目の前にそのポケモンは姿を現した。
「あのポケモンは……?」
「デオキシスです」
私はとある友人からデオキシスのことを知った。
もちろん、見るのは始めてである。
「初めまして、私はルージュ。こっちはウォロさんにピカチュウです」
「…………」
宙に浮いているデオキシスは、ゆっくりと私の方へと近づく。
そして、触手を私に差し伸べて来た。
「よろしく」
私は伸ばされた触手を躊躇なく手に取った。
「ねえ、良ければ一緒に行動しない?」
「…………」
コクリと頷く。
どうやら、一緒について来るようだ。
「やはり、貴女は面白い方だ」
ニコニコと笑顔のウォロさんは、そんな感想を漏らしていた。
場所は違いますが、トバリシティの隕石にデオキシスやジラーチとか現れても不思議じゃないよね?
と言うことで、デオキシスが仲間になりました。