ショウとは別に少女がヒスイ地方に送り込まれたそうです。   作:クロの騎士

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第十六話 誘拐事件発生

あれから更に二日。

ショウとカイさんは幽霊について調査しているが、手掛かりを掴むことが出来ずにいる。

 

「やはり、火吹き島に直接行ってみるのがいいのかもしれないね」

 

朝食を食べながら、私は二人に言った。

 

「でも、火吹き島に行くには海を渡らないと行けませんよね?」

 

「それならイダイトウの力を借りれば良いと思うよ」

 

カイさんの言葉から出たイダイトウなるポケモン……初めて聞いた。

恐らく、ガチグマと同じくライドポケモンなのだろう。

 

「あっちの方にススキさんと言うコンゴウ団のキャプテンがいます。彼の力を借りれば、イダイトウを呼び出すことが出来るでしょう」

 

「……なら、さっそく行ってみようか?」

 

「賛成です!」

 

「はい!」

 

朝食を食べ終え、私はショウとカイさん共にススキさんと言う人へ会いに行くことにした。

 

===

 

エイパム山。

その名の通り、多くのエイパムが棲んでいる場所である。

 

「此処ですね」

 

開けた場所にテントが一つ。

あそこにコンゴウ団のススキさんがいるらしい。

 

「すみません」

 

ショウが声を掛けると、テントの中から返事が返ってきた。

 

「お客人、少々お待ちください」

 

しばらくして、一人の男性が外に出て来た。

コンゴウ団のマークが入った服を着ている。

と言うことは、この人がススキさんなのだろうか?

 

「シンジュ団の長のカイ様にギンガ団のショウさん……貴女はもしかしてルージュさんですか?」

 

「はい、そうです」

 

「やっぱり……長から話は聞いております」

 

セキさんから……どんな話をしたのだろうか?

気になるところだが、今は置いておこう。

 

「えぇっと……それでどのような用件でしょうか?」

 

随分と小心者らしい。

ビクビクしながら、来訪の理由を聞いてきた。

 

「火吹き島に行きたいので、イダイトウの力を貸してください」

 

「イダイトウですか? それならイダイトウの好物を用意しないと……」

 

「好物ですか?」

 

「はい……ですが、用意するのが難しいと言うか……無理と言うか……」

 

なにが無理なのだろうか?

食材が手に入らないとかな?

 

「ハッキリ言ってください」

 

「は、はい!」

 

少し苛ついているショウの言葉で、ススキさんは観念して無理な理由を話した。

 

「実は最後の仕上げにとあるポケモンの技が必要でして……」

 

「とあるポケモン……それは何ですか?」

 

「さ……さ……サマヨールです」

 

口にするのも嫌らしい。

が、頑張ってそのポケモンの名を答えた。

 

「サマヨール……ヨマワルの進化形ですね」

 

「そう言えば、ヨマワルはどこですか?」

 

「ススキさんの後ろにいます」

 

カイさんの質問にぼっそと答える。

イタズラ好きなヨマワルだが、頼むからススキさんを驚かせないであげて。

下手したら、亡くなってしまうから……

 

「ぽわーん」

 

私の思いが通じたのか、ヨマワルは姿を消す。

だが、姿を消す前に鳴いたので、その声はススキさんにしっかり聞こえていたらしい。

 

「も、もしかして……私の後ろに何かいましたか?」

「いえ、いませんでしたよ」

 

流石に本当のことは言えない。

 

「サマヨール……捕まえるには夜を待たないといけませんね」

 

「そうですね。ルージュさん、一旦テントに戻りますか?」

 

 

「まだ朝になったばかりだし……そうしますか」

 

ススキさんにサマヨールを捕まえたらまた来ることを伝え、私たちはテントに戻ろうとした。

すると、ヨマワルが目の前に現れる。

 

「どうしたの?」

 

「ぽわーん♪」

 

突如、ヨマワルが光り出す。

そして、光が収まった時、ヨマワルはサマヨールへと進化していた。

 

「ぼわーん♪」

 

「……何とタイムリーな」

 

思わず本音がポロリ。

しかし、これで夜まで待たずに済む。

 

「と言うことで、ススキさん……」

 

お願いします。

そう言おうとしたら、ススキさんが気を失って倒れていた。

どうやら、ゴーストタイプのポケモンに弱いようである。

 

===

 

その後、意識を取り戻したススキさんの協力もあり、無事にイダイトウと出合うこと出来た。

ショウはイダイトウに笛の音を刻み込み、ライドポケモンとして何時でも呼び出すことが可能になったのである。

「……そう言えば、カイさんは笛を持ってるけど、私はどうしうよう?」

 

イダイドウは一人乗りのようだし、デオキシスに連れてって貰おうかな?

 

「カイ……」

 

「ガラナちゃん?」

 

ガラナさんと言う女性の方がカイさんに声を掛けてきた。

服装からして、シンジュ団の人のようだ。

 

「人前でその呼び方は辞めなさい……まあ、それより、貴女が此処にいる理由を問いませんが、やはり私はこの子を無理に鍛えるなんて出来ません」

 

ガラナさんの足下にガーディが二匹いた。

私の知っている姿と異なるから、この子たちもガーディのリージョンフォームなのだろう。

で、話から察するにこのガーディがキングの後継者と言うことらしい。

 

「でも……このままだと……」

 

「目の前で父親が死んだこの子を守る為なら私は……」

 

これはシンジュ団の問題……だと、解っているが、ついつい口を挟んでしまった。

 

「済みません。部外者の私が言うのもお門違いですが、ガーディの意思をちゃんと組んであげているんですか?」

 

「勿論です」

 

とガラナさんが即答したので、私はこう言った。

 

「可哀想だから……それは自分の感情ですよね?」

 

「…………」

 

私はガラナさんの後ろにいたガーディに近づき、声を掛けた。

 

「君はどうしたい? 誰かに言われたから強くなるんじゃなく、君の意思で強くならないと私はダメだと思うよ?」

 

トレーナーが無理にポケモンを進化させ、そのポケモンが暴走すると言う事案があったと言う話である。

もしかしたら、この子もそうなるかもしれない。

だから、この子がもしそのままを望みなら、それが一番だと思う。

 

「ぼわーん!」

 

「サマヨール?」

 

突如としてサマヨールの声が聞こえた次の瞬間、私たちは急な眠気に襲われた。

 

「……ゲンガー? それにこれは……さいみんじゅつ?」

 

いきなり現れたゲンガーは、一匹のガーディを連れ去ろうとする。

先ほど話し掛けた方じゃなく、大きい方のガーディを……

 

「さ……させない!!」

 

私はゲンガーの体にしがみついた。

それからどうなったか解らない。

さいみんじゅつにより、どうやら完全に眠ってしまったようである。

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