ショウとは別に少女がヒスイ地方に送り込まれたそうです。 作:クロの騎士
ともかく、五ヶ月間放置してすみませんでした。
これから投稿を再開します。
ルージュの初めてのポケモンはヒトカゲだった。
彼女が自ら選んだと言う訳ではなく、ただ単にヒトカゲしか残っていなかったからである。
ヒトカゲを貰った彼女は、その日の内に故郷を旅立つ。
しかし、その旅に目的など存在しなかった。
普通であれば、最初のポケモンを貰ったトレーナーはジム戦をしたり、ポケモンを捕まえて図鑑を埋めたりするが、彼女はジム戦もしなければポケモンも殆ど捕まえない。
ポケモントレーナーとしてそれはどうなのかと言うレベルであるが、それでも彼女の実力は相当なものだ。
トレーナーの多くは、その地方に生息するポケモン全ての図鑑を埋めたり、ポケモンリーグで満足な結果を出さない限り、別の地方へ向かうことは滅多にない。
現にポケモンリーグにエントリーするトレーナーは、その殆どが開催される地方の出身者で占めている。
例外は勿論あるが、何処の組織にも属さずに複数の地方を旅したトレーナーはやはり少ない方だろう。
手持ちのポケモンを殆ど入れ替えることなく旅をし続ければ、経験値が溜まって強くなるのも不思議ではない。
その上、トレーナーとして彼女もまた様々な出会いや別れを通じて強くなっていった。
ポケモンリーグに挑戦しないのが勿体ない。
各地方のチャンピオン……特に女帝と無敗のチャンピオンには凄く気に入られていたりするが、当の本人は知らずにいる。
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自分を助けてくれたリザードンが自分のパートナーであることはすぐに解った。
けど、どうして此処にいるのだろうか?
疑問に思ってリザードンが来た方角を見ると、空間に一つの穴が開いていた。
それは時空の裂け目と酷似しているが、少し違うように思える。
もしかしたら、あの穴から元の世界に戻れるのではないか?
いや、恐らく戻れるだろう。
穴は徐々に小さくなっている。
このまま時が経てば、穴は完全に塞がってしまう。
「がぅ?」
リザードンが私の顔を見る。
指示を待っているのだ。
「リザードン、ごめん……ウィンディを止めるよ!」
私の我が儘で相棒を巻き込むのは胸が痛む。
でも、このまま苦しむウィンディを見捨て、ショウを置いて一人で帰るなんて私にはできない。
「ガゥ!!」
リザードンは私に鞄を渡すと、荒ぶるウィンディへと体を向けた。
「ショウ、ウィンディは私たちで押さえる。だから、その内にシズメダマをお願い」
「わ、解りました」
シズメダマが完成するまで時間を稼ぐ。
できれば傷つけたくないが……そうも言っていられないようだ。
「リザードン、きりさく攻撃!」
先制攻撃。
リザードンは低空飛行でウィンディへと近づく。
だが、ウィンディはその攻撃を回避してフレアドライブによる突進を仕掛けて来た。
「受け止めてそのままちきゅうなげ!」
突進してきたウィンディを両手で掴み、そのまま上空を飛翔。
ぐるりと円を描くように一週した後、ウィンディを地面へと叩きつけた。
「バゥウ!!」
大きなダメージを負ったウィンディだが、まだ立ち上がる。
やはり、鎮めるには……
「ルージュさん!!」
ショウの声が聞こえる。
振り向くと、シズメダマの入った籠を背負った彼女の姿があった。
「完成したのね?」
「はい!」
「じゃあ……ウィンディの動きを止めるから、その隙にシズメダマを投げて」
「解りました!」
荒ぶるウィンディを止めるには、中途半端な力では駄目だ。
だから……あの力を使う!!
「絆の力を解き放つは今!!」
私は右腕を高く突き上げる。
太陽の光を浴びて、腕に巻いてあるバンドの石がキラリと輝く。
「リザードン、行くよ!」
「ガウゥ!!」
私はバンドの石を左手で触った。
「メガシンカ!!」
バンドの石はリザードンが首に掛けてある石と呼応するように同時に光る。
そして光が消えた時、リザードンは新たな姿へと変貌するのであった。
「ガウゥウ!!」
メガリザードンX……それが今のリザードンの姿である。
「一撃で決めるよ……ドラゴンダイブ!!」
空高く飛翔したリザードンは、猛烈な勢いでウィンディへと衝突する。
メガシンカによる強大なパワーは、荒ぶるウィンディを戦闘不能へと追い込むのに十分だった。
「ショウ、今よ!」
「はい!」
私の相図でシズメダマを投げる始めるショウ。
ダメージが大きいからか、息を吹き返すことはなかった。
「これで……終わりです!」
最後のシズメダマがウィンディに当たると、ウィンディから光が消え、元の姿へと戻っていった。
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「あれがメガシンカですか……」
ウォロは先ほどまでの戦いをやぶれたせかいで見ていた。
「ポケモンと人間による絆の力……素晴らしい」
メガシンカのことは以前から知っていた。
だが、現実を見るのは当然初めてである。
「あぁ……改めて解りました。彼女はやはりワタクシをアルセウスの元へと導く天使……いや、女神であると!!」
ルージュの世界ではメガシンカを使える人間は大勢いるが、そんなことウォロが知るよしもない。
自分の野望へと導くルージュを天使だの女神だの称えるウォロ……だが、彼は気づいていなかった。
赤から黒へと変貌した竜が表の世界から殺気の篭もった視線を向けていたのであった。
その頃、アルセウスは身震いしていた。
それは熱烈なファンによるものか……リングの魔神によるものか……それともルージュのパートナーである竜が理由か……恐らく、その全てだろう。
久しぶりの投稿なので設定とかキャラの口調が若干変わっているかもしれませんが、お許しください。
では、次回も見てくれると嬉しいです。