ショウとは別に少女がヒスイ地方に送り込まれたそうです。   作:クロの騎士

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ピカチュウは伝説のポケモンに入りますか?
答え:場合によります。


第三話 彼女の神格化が待ったなし

 アルセウスフォンがお亡くなりになりました。

 

 え? 何あのピカチュウ?

 私のアルセウスフォンを一撃で破壊するなんて……もの凄く怖い。

 

 彼女たちに託したアルセウスフォンは、私の加護を付属している。

 高いところから落としても壊れず、水の中でも問題なく使用可能。

 もちろん、ポケモンの攻撃にも耐えるようになっていた……はずだった。

 なのに、あのピカチュウはアルセウスフォンを一撃で粉砕したのである。

 

 いくらオヤブンとは言え、なんでピカチュウがあんなに強いの?

 もしかして、伝説のポケモンなのでは?

 

「強いボディガードが味方についたと考えれば、これほど頼もしいポケモンはいませんが……」

 

 彼女の敵になった時を考えると、一緒にいさせるのは危ないのではないかと思う。

 

「しかし、荒ぶるバサギリを一瞬でも鎮めていたところを見れば、どんなポケモンも彼女の味方になるのかもしれませんね」

 

 私はもう少し様子を見ることにした。

===

 

 時空の裂け目から落ちて来たルージュとショウ。

 デンボクは最初から一人のみを村に残し、もう一人を村の外に出すと決めていた。

 怪しい人間を村にいれるリスクを考えた結果である。

 だが、その判断は間違いだったかもしれない。

 そう思い始めていた。

 

(まさか、バサギリを一瞬でも鎮めるとは……)

 

 バサギリの捕獲を試みた団員の報告を受けた。

 生きていることにもそうだが、バサギリを一瞬でも鎮めたとの報告に自身の耳を疑う。

 

 実は、バサギリを荒ぶらせた犯人は彼女かもしれない。

 そう思う一方で、仮に犯人じゃない場合、荒ぶるポケモンを鎮める能力は非常に便利と言える。

 

 彼女を迎え入れるのはデメリットがあるが、それ以上にメリットが大きかったのだ。

 今更ながら、そう理解した。

 

(団長として判断を誤ったか)

 

 逃がした魚は大きい。

 そのことに気づいた時には、もう手遅れであった。

 

===

 

 荒ぶるバサギリに対し、ギンガ団本部で話し合いが行われた。

 

 コンゴウ団の長であるセキも当然この話し合いに参加。

 調査をギンガ団のショウに任せることに同意し、話し合いは無事終了した。

 

「で、どうだった?」

 

 黒曜の原野にてヨネと合流しらセキは、今回の結果を彼女に伝えた。

 

「ギンガ団のショウにすべてを任せることにした」

 

「なら、問題ないね」

 

 ショウの実力は知っている。

 自分が世話するアヤシシ様に気に入られた彼女なら、きっとバサギリをどうにかできるだろう。

 ヨネはそう考えていた。

 

「バサギリの件は解った。で、もう一つの件はどうだったんだい?」

 

「あぁ、時空の裂け目から落ちて来たもう一人の件か」

 

 時空の裂け目から落ちて来たのはショウだけじゃない。

 そのことはイチョウ商会のとある人物から聞かされた。

 だが、信憑性が無い。

 そこでコトブキムラに探りを入れることに決めたのである。

 

「コソコソ嗅ぎ回るのは性に合わなかったんで、デンボクの旦那に直接聞いてみた」

 

「やっぱりか……で、答えてくれたのか?」

 

「あぁ。どうやら噂は本当だったようだ」

 

 時空の裂け目から落ちて来たもう一人の少女。

 名をルージュと言い、コトブキムラから直ぐに追い出されてしまった。

 イチョウ商会から聞いた話はすべて事実である。

 セキはそのことをヨネに伝えた。

 

「酷い話だ。いくら怪しいとは言え、村の外に追い出すなんて……」

 

「その行為が正しいかどうかは置いといて、その判断は理解できる。俺だって、素性の解らない奴を集落に招き入れようなんてしないはずだ」

 

「それでも何もせずに放り出さないだろ?」

 

「当たり前だ。見殺しになんてするわけ無いだろ」

 

 監視と保護と言うの名目で集落に近く安全な場所を見繕い、そこで暮らせるようにする。

 流石に食料も水もポケモンすら渡さないなんてマネはするわけがない。

 そして、その準備はできていた。

 

「じゃあ、手はず通りにかい?」

 

「あぁ。その少女をコンゴウ団で迎え入れる」

 

 時空の裂け目……その先にはシンオウ様がいるはず。

 シンジュ団の偽りのシンオウ様ではなく、自分たちの信じる本物のシンオウ様がである。

 そんな時空の裂け目から落ちて来たのだから、ルージュやショウはシンオウ様の使いの可能性が高い。

 

 もしもそうなら、コンゴウ団のそばにいさせるべきだ。

 セキは自身の考えをコンゴウ団の全員に伝えた。

 

「反対意見も出ているんだ……慎重にやりなよ?」

 

「もちろんだ」

 

===

 

 シンジュ団の長であるカイは、バサギリのことをショウに任せることを受け入れていなかった。

 それはバサギリが自身たちシンジュ団の大切なポケモンだからと言うのが大きいな理由である。

 本音を言えば、こちらで対処したいところだ。

 しかし、手立てが無い。

 具体的な対処方法が解ればギンガ団に頼らずに済むが、その方法が解らない以上は彼らに任せるしか他に道は無いのが現状だった。

 

「どうすればいい……どうすれば……」

 

 迷うカイ。

 そんな彼女の耳に突如怒号が聞こえてくる。

 直ぐにそれがバサギリのものだと気づく。

 そして、こちらに向かって来ていることも直ぐに解った。

 

「バサギリ……」

 

 光に包まれているバサギリ。

 そんなバサギリを目の前にして、いつもなら感じることのない恐怖を感じていた。

 

「お願い! 鎮まって!!」

 

 嘆願するカイの声はバサギリに届かず。

 相棒のグレイシアが戦闘態勢に入るが……

 

「ダメ!」

 

 グレイシアを止めるカイ。

 だが、それは自身を危険に晒す行為である。

 

 傷つけたくない。

 その思いとは裏腹にバサギリはカイへと向かっていく。

 

「っ!?」

 

 目をつぶる。

 しかし、いつまで経っても攻撃をしてこない。

 恐る恐る目を開けると、バサギリは視線を自分に逸らしていた。

 

「…………」

 

 バサギリの見ている方向に視線をやる。

 すると、そこには見知らぬ少女が立っていた。

 不思議な格好の少女は、バサギリに優しい眼差しを向けている。

 そこから数秒後、落ち着きを取り戻したのか……バサギリは元来た道を走り去っていた。

 

「助かった……?」

 

 バサギリが去って行くのを確認し、もう一度少女の方を見る。

 だが、そこには既に彼女の姿はなかった。

 

「もしかして、あの方はシンオウ様?」

 

 自身の危機に現れ、その危機を掬ってくれた謎の少女。

 彼女をシンオウ様だと思い込むのも仕方が無いことなのかもしれない。

 




ルージュと対するトップたちの考え

デンボク →ルージュを追い出したことに後悔
セキ   →ルージュを向かい入れる気満々
カイ   →ルージュ=シンオウ様と考えている
アルセウス→ルージュを見守り隊

三日連続投稿ですが、流石に毎日投稿するのは辛いので次回は日曜か月曜にします。
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