ショウとは別に少女がヒスイ地方に送り込まれたそうです。   作:クロの騎士

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間違えて投稿してしまった……まあ、いいか


第四話 野生のラスボスが現れた!

「トゲピィ、たいあたりです」

 

「でんこうせっかでかわして!」

 

 はぁ?

 イチョウ商会のウォロは対戦相手である少女の言葉に困惑する。

 だが、実際にトゲピィのたいあたりをヒノアラシはでんこうせっかで回避した。

 

「そのままトゲピィにでんこうせっか!」

 

 直ぐに攻撃指示。

 明らか素人じゃない。

 時空の裂け目から落ちて来た一人……ルージュの実力の高さを認識したウォロだった。

 

「素晴らしい! 貴女はお強いですね」

 

「ヒノアラシが頑張ってくれたから勝てたんですよ」

 

「ご謙遜を。攻撃技を回避に使うなんて発想は誰にでも出来ることではありません」

 

「そうですか? 私のいた場所は普通でしたが……」

 

 貴女のいたところは戦闘民族の集まりですか?

 彼は心の中で突っ込んだ。

 

 ちなみに、ルージュがいた世界でも攻撃技を回避に転用するようトレーナーはそうそういない。

 彼女がそれを普通だと言ったのは、バトルの基準がピカチュウを相棒とした某トレーナーだからだ。

 つまり、彼に毒されたと言うことになる。

 

「ともかく、これなら試験にもきっと合格できますよ」

 

「ありがとうございます。私、頑張りますね」

 

 ルージュもショウも合格できるだろう。

 二人と戦ってみて、そう確信するウォロだった。

 

 しかし、結果はショウのみが合格。

 どうやら、ルージュにポケモンを捕まえる才能はなかったらしいと知った。

 

 愚かだ。

 図鑑を完成させるには、確かにポケモンを捕まえる能力が無ければならない。

 けれど、ルージュの場合はその能力が無くとも余りある才能を秘めている。

 そのことに気づかないのは愚かとしか言い様がない。

 同時に、そんな愚かな連中に属さないのはある意味好都合だと考える。

 

「要らないのであれば、こちらで貰いましょう」

 

 イチョウ商会としてではなく、個人としてルージュに興味があった。

 何せ、自身が愛する神に関係しているかもしれない少女。

 出来ればお近づきになり、あわよくば利用したい。

 そして、自身が愛する神に辿り着きたい。

 ウォロはそう考えていた。

 

===

 

 光り輝くポケモンと再開した。

 どうやら、誰かを襲っている最中だったらしい。

 けど、私を見て襲うのを辞め、何処かへと走り去っていた。

 

 私も直ぐにその場から離れる。

 コトブキムラの人間かどうかは解らないが、今誰かに遭うのは厄介ごとを引き起こすだけだと判断したからだ。

 

「……此処まで来れば安心かな?」

 

 後ろを振り向くが、誰もいない。

 あの人は追って来なかったようだ。

 

 安堵して前を向く。

 すると、目の前に男性の顔があった。

 

「お久しぶりです。探しまし―――」

 

 その人物に華麗な右フックをお見舞いした。

 

「ぐふぉ!」

 

「え? うぉ、ウォロさん!?」

 

 目の前にいる人がイチョウ商会のウォロさんであると気づいた時には、既にノックダウンした後だった。

 

「やってしまった……」

 

 いや、いきなり現れたこの人が悪い!!

 そう自身を正当化しつつ、私は倒れているウォロさんの看病をすることにした。

 

 十分後

 

「うぅ……」

 

「あ、気がつきましたか?」

 

 良かった、ウォロさんが目を覚ました。

 

「これは……どう言う状況です」

 

「すみません。いきなり現れたので反射的に攻撃してしまいました」

 

「いえ、それはいいのですが……どうして私は膝枕をされているのでしょうか?」

 

 現在、私の膝にウォロの頭が乗っている。

 

「あぁ、そのことですか? 流石に硬い地面で寝かす訳にもいかなかったので」

 

 枕の代わりになりそうなのは、ウォロさんの鞄くらいだ。

 しかし、人様の私物を勝手に使うのは気が引けた。

 だからこそ膝枕をしているのだ。

 ちなみに、昔やんちゃな弟の介抱でしたことがあるので、特に抵抗とかはなかった。

 まあ、何かあったらもう一度気絶させて逃げればいい話である。

 

「重くありませんでしたか?」

 

「いえ、全然」

 

 ウォロさんは体を起こし、そして立ち上がる。

 見たところ後遺症とかもない様子。

 

「本当にすみませんでした」

 

「こちらこそ。イタズラが過ぎました」

 

 互いに謝罪した後、私はウォロさんの要件を聞いてみた。

 

「それで私を探していたようですが……」

 

「はい。未来のお得意様が減るのは商人として痛手ですので」

 

「買い被り過ぎでは?」

 

「商人の勘は当たるんですよ?」

 

 家無き子で金も無い私にイチョウ商会のお得意様になる要素なんて一グラムもないと思う。

 ウォロさんは不思議な人だ。

 そして、何処か恐ろしく感じる。

 特に笑顔がとても怖い。

 なんか心の奥で笑っていないように見える。

 これが営業スマイルと言う奴なのだろうか?

 

「ところで、そのピカチュウをどうにかしてくれませんか?」

 

 私の隣にピカチュウがいる。

 赤い頬に電気が走っており、何時でも放電できるようスタンバイ中だった。

 

「ピカチュウ、この人は敵じゃないよう」

 

 その言葉にピカチュウの放電準備が解除された。

 

「オヤブン個体が言うことを聞くなんて……やはり貴女は面白い!」

 

「はぁ……オヤブン?」

 

 首をかしげる私にウォロさんが説明してくれた。

 どうやら、この世界にはオヤブンと呼ばれている個体がいるらしい。

 通常よりもデカく、そして目が赤いのが特徴だそうだ。

 

「初めて知りました」

 

「それでよく生きていますね?」

 

 この世界のことはまだまだ知らないことだらけ。

 仕方が無いことだろう。

 

「さて、ルージュさん。此処で会ったのも何かの縁です。何か欲しいものがあればおっしゃってください」

 

「お金無いですよ?」

 

「先行投資と言う奴です」

 

 ただの博打になるのでは?

 そう思ったが敢えて言わず、取りあえず欲しいものを言ってみることにした。

 

「なら、服とテントをください」

 

「食料や水はよろしいので?」

 

「はい。そちらは大丈夫です」

 

 食料も水も探せばある。

 問題ないはずだ。

 

「では、服とテントを用意します。明日、また此処で待ち合わせでよろしいですか?」

 

「解りました。よろしくお願い致します」

 

 タダより恐ろしいものはない。

 しかし、くれると言うのであれば貰うことにしよう。

 

「では、私はこれで失礼しますね」

 

「はい。また明日、よろしくお願いします」

 

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