ショウとは別に少女がヒスイ地方に送り込まれたそうです。   作:クロの騎士

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ちなみにその神はアニメ(映画)とは違う模様……


第六話 神が降り立つヒスイ地方

 光が完全に消えた。

 目の前のポケモンは、苦しさから解放されて何だかホッとしているように感じる。

 

「…………」

 

 お礼だろうか?

 板状の何かを渡された。

 そして、ポケモンは何処へと走り去って行く。

 

「ルージュさん!!」

 

「うわぁ!」

 

いきなり、後ろからショウが抱きついて来た。

 

「良かった……ルージュさんにまた会えた!」

 

「あはは、昨日別れたばかりじゃない」

 

 とは言うが、ショウが心配するのは大袈裟じゃないだろう。

 村の外では、凶暴な野生ポケモンがうようよおり、最悪野垂れ死ぬと言われていた。

 もう会えないと思っても、何ら不思議ではないはずだ。

 

「あの人は一体誰なんだい?」

 

「…………」

 

 声の方向を見ると、帽子を被った少年と光り輝くポケモンに襲われていた少女の姿があった。

 

「えっと……」

 ギンガ団かコトブキムラの人間だと思っていたが、どうやら違うらしい。

 

「私はシンジュ団の長を務めておりますカイと申します。こちらはバサギリの世話をしておりますキクイです」

 

 ショウは私から離れ、私はカイと名乗った女性に質問した。

 

「バサギリってさっきのポケモンのこと?」

 

「はい、その通りです」

 

 シンジュ団と言う組織がお世話をしているバサギリと言うポケモン。

 何か特別なポケモンなのだろう。

 

「あのポケモン……バサギリは暴走していたように見えたけど?」

 

「昨日、時空の裂け目から落ちてきた雷に打たれ、荒ぶってしまったようです」

 

 時空の裂け目を見上げる。

 私もショウもあそこから落ちて来たと言う話だった。

 と言うことは、私たちを呼び出した存在と今回バサギリを暴走させた存在は一緒の可能性が高い。

 もしもそうなら、一体何がしたいのだろうか?

 

「ところで、貴女のお名前を訊いてもよろしいでしょうか?」

 

「私はルージュです」

 

「ルージュ様とおっしゃるのですね」

 

 カイと言う女性は、何故か私を敬っているようだ。

 

「様付けは辞めてください。後、喋り方も普通でいいですよ?」

 

「いえ、そんな恐れ多いことはできません!」

 

 恐れ多い?

 私、カイさんに何かしたっけ?

 

「ルージュさん!」

 

 考えていると、ショウに呼ばれた。

 

「ルージュさんはこれからどうするんですか?」

 

「ん? そうだね……」

 

「バサギリを鎮めたのはルージュさんですし、これならギンガ団に入団できるかもしれません」

 

「あれ? 君はギンガ団の人間じゃないのかね?」 

 

 キクイ君の質問に私は答える。

 もちろん、私がコトブキムラを追い出されたこともだ。

 

「何と罰当たりな!」

 

 私の説明でカイさんが激怒。

 そして、私にこう提案してきた。

 

「ルージュ様、ぜひシンジュ団にいらしてください!」

 

「集落に招き入れるのですか? 反対する者が多いと思うけど……」

 

「大丈夫! 長としてきっちり黙らせますから」

 

 それは大丈夫じゃないよね?

 キクイ君も呆れているように見えた。

 

「お気持ちは嬉しいですが、私はギンガ団にもシンジュ団にも入るつもりはありません」

 

「「え、どうしてですか!?」」

 

 ショウとカイは同時に声を上げた。

 

「コトブキムラの件もあるので、簡単に人を信じることはできません。それに一人の方が気楽なので……」

 

 色々と大変なことはあるだろう。

 けど、それでも何処にも属さずに自由でいたい。

 私はそう考えている。

 

「そうですか……ならば、何か困った時にはシンジュ団を頼ってください!」

 

「私も……ルージュさんの助けになります!」

 

「二人ともありがとう」

 

 その後、私は三人と別れた。

 恐らくだが、また会うことになるだろう。

 

===

 

 無事に荒ぶるバサギリを鎮めた。

 やはり、ルージュとショウをこの世界に召喚したのは間違いじゃなかったと思う。

 

「しかし、再会した二人がまた別れてしまうとは……」

 

 何処にも属さない。

 ルージュの判断に文句はない。

 寧ろ、コトブキムラのこともあるのでその方が良いだろう。

 問題は、彼女たちの連絡手段である。

 

 あの黄色い悪魔にルージュのアルセウスフォンを壊されてしまい、私の指示もショウへの連絡も不可能な状態。

 直せるには直せるが、それには一度あの世界に降り立つ必要がある。

 

 万が一、私の姿が誰かに見られたら大変だ。

 特にあの神出鬼没のラスボスに見られでもしたら、ルージュに危害を及ぼすかもしれない。

 

「……これも奥手ですが、シンジュ団とコンゴウ団の長たちにお告げとして伝えて貰うか」

 

 ライドポケモンの力を使えば、何処にルージュがいても見つけ出してくれるだろう。

 問題は、私のお告げをきちんと聞いてくれるかだ。

 

「シンオウの名を使えばいけるか?」

 

 こればかりは賭けである。

 

「……む?」

 

 何だろう……何かがあの世界にやって来たのを感じる。

 時空の歪みが生じれば、そこから人やポケモンが迷い込むことはある。

 しかし、今のはそうじゃない。

 自らやって来たようである。

 

「私の知る限り、時空を越える能力を持つ者は少ない」

 

 厄介なことのならなければ良いが……

 

===

 

 ヒスイ地方の上空。

 突如として不思議なリングが現れ、そこから大きなポケモンが出て来た。

 

「……この世界……ルージュ……いる」

 

 大きなポケモンは再びリングに戻る。

 そして、不思議なリングはその場から消えた。

 

 このリングとポケモンを目撃した者は少なかった。

 だが、時空の裂け目と何かしら関係性があるのではないか?

 目撃情報からそう考える者たちが多かった。

 

 果たして、あのポケモンは敵か味方か……

 まだ誰も知る由もなかった。

 




下手すれば、大怪獣バトルが開幕しそうな予感。
まあ、そうするかどうかは未定です。
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